DOMANI・明日展2009@国立新美術館


2009年12月12日(土)〜2010年1月24日(日)
休館日
毎週火曜日、年末年始(2009年12月22日(火)〜2010年1月5日(火)
開館時間
10:00から18:00まで
※金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで。

今回国立新美術館の名物となる DOMANI2009は大胆な視点のflyingの写真に惹かれ楽しみにしていた。小さなカタログは作家の思いが伝わる。でも実際にこの場でみて、身体ごと感じてほしいと思った作品。
12人の作家 今回は主催者の方のご好意で特別に撮影を許可して頂き、感動をほんの少しお裾分けしたい。

久保田繁雄 WAVE SPACE

吉仲正直 色の重なり

栗本夏樹 漆、蒔絵、螺鈿で描く世界の意匠
吉田暁子 空間が活かされる

伊庭靖子 質感と空気を感じる


安田佐智種 flyingというよりDiving
磯崎真理子 赤 生命力の塊のよう

呉亜沙 寂寥ある東京タワー 呉さんのウサギは朝鮮半島のモチーフ。



高野浩子 思い出を守る女神。書棚は非常に存在感がある。




三田村光土里 シャンデリア。こちらも本の重なり。足元は青い円に注意してみて。Rondo-Nと黒いウサギ

藤原彩人 是ニ心アラズ

浅見貴子 墨と胡粉で光と樹木を描く。

 国立新美術館ならではの広い空間を活かし、12人の個性が織りなす風景も味わいがある。違っているようで重なり、同じ日本人が海外で学び、日本人のアイデンティティを意識するような体験、そして彼の地でのインスピレーションが形になっているように思う。絵だけでなく作者のトークを聞くのが一番よい方法。カタログを読むと、誤解している部分も多かった。
 2009といいながら、文化交流はそれぞれ異なる。その選考基準はどんな感じなのだろう。数多くの在外研修制度が実り多いものとなるように、アートを育てることは未来に種を巻くように実りあることでありたい。栗本さんは海外に輸出されたJAPAN漆工芸を追ってイギリスにいらしたこと。
やはり百聞は一見にしかず。しかしギャラリートークは聞くことは見るだけではわからないことを知ることができそう。
ショップはオリジナルもいくつか置き、かわいらしいセレクトとなっている。出口のタピストリーは壁面をカバーはするが展覧会に合わない。むしろあのポスターを飾るほうがまだましではないだろうか。
 若手も中堅も含めて、日本の美術がこうやって活性する場を国立新美術館のように人が集う場にあるのが楽しみだ。
視覚によって、鑑賞する物は触覚や嗅覚を刺激される。まるで文字というインクのシミが様々な物語を生み出すように、この作品から様々な記憶が引き出されるよう。本が記憶するものを表すとしたら、その本を読まなくてはならないだろう。♪マザーグースの子守歌を歌うのを思い出す。
 DOMANIとありながら、過去の経験を思い出させる空間。そして未来の可能性を考えさせる空間。