弁証

jilin2005-10-09


昨夜は頭痛・頭重・咳・痰をモノともせずクラコンに参加。2年後期から学士編入で入ってくる10名のうち9名が参加し、大いに盛り上がる。多士済々で今後が楽しみ。


午前1時ごろ帰投したが、改善が見られない体調不良に業を煮やして、M大学医学部漢方医学研究会の協力を要請。深夜jcjil君宅に約1時間で「瞬間移動」し、早速中医弁証。痰・咳の原因となっている肺気虚が寒湿困脾によるものとの判断で、二陳湯で脾胃の運化を強めることに。


以下、『中医臨床のための方剤学』(神戸中医学研究会 編 著・医歯薬出版)より引用*1

二陳湯(にちんとう)
《和剤局方》


組成:半夏9g・陳皮9g・茯苓6g・炙甘草3g
用法:生姜3g・烏梅1個とともに水煎服する.近代では生姜・烏梅を用いないことが多い.
効能:燥湿化痰理気和中
主治:湿痰
 咳嗽・白色で多量の痰・胸が痞えて苦しい・悪心・嘔吐・肢体が重だるい・めまい・動悸・舌苔は白滑あるいは白膩・脈は滑など.
病機:脾が健運できないために湿邪が凝聚し、気機が阻滞して欝積して痰を生じた状態である.
 「脾は生痰の源たり、肺は貯痰の器たり」で、湿痰が肺を犯すと咳嗽・多量の喀出しやすい白色痰が、痰が気機を阻滞し胃が和降できないと悪心・嘔吐・胸が痞えて苦しいなどが、濁陰が清陽を阻遏するとめまい・動悸が、湿が脾を困阻すると食飲不振・肢体が重だるいなどがみられる.
方意:燥湿化痰により痰湿を除き、理気和中により脾を健運させて痰湿の発生を防止する.
 主薬は半夏で、辛温で燥性であるために燥湿化痰に最も適し、さらに和胃降逆・止嘔に働く.陳皮は理気燥湿するとともに順気化痰し、茯苓は健脾滲湿により痰の生成を防ぎ、炙甘草は健脾を助け諸薬を調和する.生姜は降逆化飲を補助するとともに、半夏の毒性を除く.少量の烏梅は肺気を収斂し、半夏の散と合わせるとキョ*2痰しても傷正の恐れがない.

*1:485頁。

*2:示へんに去。