生きてるだけで、愛(本谷由希子)★★★

生きてるだけで、愛

生きてるだけで、愛

こないだの芥川賞の候補作のひとつ。ちょっと気になっていたので初挑戦。
躁鬱と過眠に悩まされている、本当に生きてるだけで疲れそうな女の物語。
なるほどなるほど。「メッタ斬り」対談で豊崎由美が、松尾スズキの『クワイエットルーム〜』に似ていると指摘していたのにはうなずける。笑いのセンスもいいしね。ただ個人的にはもう「鬱病の主人公」っていう設定がげんなりしてしまう。ありがちだもの。着地点も目新しさはないし。上手いとは思うけど、枠内に収まってるかんじだ。でも妙なリアルさはあるので、読んでるこちらはどんどん気圧低下。仕事の息抜きにちょこちょこ読んでたのだが、見事に勤労意欲が失せ果てた。忙しい時期に読む本ではなかったと、深くため息。埋め合わせするかのような笑わせポイントも、すべては埋めきれなかったようだ。
併録の「あの明け方の」という短編のほうがまだ読んでて楽だったかな。でもこちらの主人公も疲れる女だ。松岡修造のことなんかで夜中にぶちぎれて家出なんてするんじゃありません。
興味深い作品ではあったけど、読むタイミングをわたしが間違えたようだ。でもこの作家に対する興味はまだ失われていない。全然違うタイプの小説とか出たら読んでみたいかな。いっそのことコミカル路線とか、どうでしょうか。芥川賞は獲れないかもしれないけど、さ。

漢字バトンもどき

id:seiitiさんから回ってきてません! 回ってきてないけど、

7 バトンを回す7人とその人をイメージする漢字
回しません!回さないけど、「その人をイメージする漢字」ってので真っ先に浮かんだのはid:juice78さんの「早」(もしくは「速」)ですね。彼女の新刊を読むペースには憧れます。

という嬉しいお言葉をもらったのでお返事代わりに「もどき」で。ちなみに図々しくも希望は「速」です。速度が問題なのだ by 鈴木いづみでございますから。しかし鈴木いづみが問題視する「人生の速度」はわたし自身、とても遅い感じでありますけど。


●1• 好きな漢字
「文」(あや)
幸田露伴が娘の幸田文に、名前の「文」を「なべぶたにねこひげ」と教えたというエピソードを幸田文の随筆かなにかで読んで以来ずっと気に入ってます。なべぶたにねこひげ。その言い回しが気に入ってるだけですが。


●2• 前の人が3で答えた漢字に対してのあなたのイメージは?
「天」…お天道様。
「道」…長い。
「総」…責任感のある人。大変そう。わたしには回ってこない役柄。
「司」…努力して掴むものではなくて、生まれつき備わってしまっている役割。


●3• 次にまわす漢字
「もどき」はパス上等です。


●4• 大事にしたい漢字
「道」
人としての道を外さなければ何でもOKです。


●5• 漢字についてどう思う
天然ぼけな「ひらがな」さん、クラス一のお調子者な「カタカナ」クン、そんな友人二人と腐れ縁ながら、しっかりものの「漢字」君。もちろんクラス委員だが、留学生の「Alphabet」くんはちょっと苦手なようだ。


●最後に好きな四字熟語を3つ
「もどき」はパス上等です。ろくな熟語を思いつけないことは関係ありません。


●バトンを回す7人とその人をイメージする漢字
回しませんよ。まず渡されてないですし。
しかし渡されてもいないバトンを返すと、セイイチさんのイメージは「多」です。多くの人に囲まれていて、多くの本を読まれていていて、数多い様々な情報を上手く処理しておられるように見えるから。わたしも本だけじゃなくてもっと多くのものに囲まれる人生を目指したいです。