彼氏彼女の事情

julien2003-10-20

猟奇的な彼女と言ってみたところで、それが単なる自己肯定に過ぎないとしたら、私は何も変わらない。
バタイユなら彼女のことを「呪われた部分」とでも言うのかしら。
私は確かにそれを呪ったりしないし、自分を恥じてもいない。
ここでも理性が問題になる。意識的に眺めるなら、彼のことを無視できないわ。


理性は不条理で非合理なものが大嫌いだから、幻惑され、引きこまれる自分を誡めたりする。だから、あの時の私はロープと柱を探していた。人は知恵で、欲望や現実を乗り越えようとする。仏教とか、本当にそういうものよね。


でも、あれはけして単純な恐怖じゃなかった。あの時怖かったのは、彼女達じゃなくて深い海のほうだったから。
時々私は、自分の船が海の上に浮かんでいることを忘れたりする。けれど、いつだって、海は私の下に広がっている。
実際の私は泳げるから、海に放り込まれても死ぬことはないわ。でも死ななくても生きていられるわけじゃない。それは確かなこと。


文化の恐るべきところは、不合理や野性を、そのままに社会のなかに据えること。ワーグナードラクロワオスカー・ワイルドワーズワース。彼ら浪漫主義者たちは、そうやって近代の心臓を、流れるようにブスリと刺した。


顰に倣って私もまた、象徴の裏に棘を含ませよう。

About Emotion

感情を巡る問題に囚われているので、取りあえず日本ではそれがどのように捉えられてきたのかを考えてみる。
こんな時には類語辞典が便利で、語彙のレベルに限るとはいえ、ある程度は把握できます。その印象を言えば、感情とは実に不安定なものだということ。常に揺れ動き、環境に左右されやすいものだということ。
思えば、現代の諸問題も感情の問題と断言することもできそうです。
「こころの問題」といったように、少し抽象的に言われていますが、この場合の「こころ」とは大まかに言って感情のことに他ならず。この場合は、感情のなかでも不安のことだと思いますが。

感情の問題に対しては、最近では、感情発生の原理を探る生理学によるアプローチも見られますが、概ね心理学が担ってきました。
取りあえずは、心理学、生理学のどちらの分野でも、感情がどのように扱われているのか、その概要だけは掴んでおこうと思います。

個人的に注目したいのは、歴史学において感情や意識といった事柄(心性といいます)を研究する分野もあり、そのあたりも抑えていくつもりです。特にフランスにおいてアナール学派が社会史の一環で、心性を研究してまいりましたが、その業績は膨大なので、要領良く読んでいかないと、かなりの難作業になるのは必然。

今考えられるのは、とりあえずこんなところでしょうか。

Chapterhouse / Whirlpool (1991)

人気 ★★    個人 ★★★★★ Genre : Shoegaizer / Guitar pop

廃盤。これが彼らの置かれている評価のすべてでしょうか。
シューゲイザーの文脈で語られることが多いChapterhouseですけど、ノイズにダンスビートを融合させて、こんな素晴らしいアルバムを残してくれました。
シューゲイザー特有の浮遊感も絶品。とんでもなく綺麗なメロディに強烈なリズム。"Breather""Pearl""Falling Down""April"と普遍的名曲もたくさんの名盤中の名盤なので、「なぜなぜこれが廃盤?」と首をひねってしまいます。
まあ、シューゲイザーの評価はいまだに異常なほど低く、それもこれも彼らの「普通人メンタリティ」の性なんですけど(Nirvana登場によるグランジブームで彼らは一掃されました・涙)、ハウスやテクノの一般化でダンスビートが注目されるなか、是非是非に再評価されてほしいバンドです。
というのも、シューゲ好き、ギターポップ好きにはカルト的に人気があるので、他のアルバムも入手困難で高いのです・・・。再発希望。

シューゲイザーを知りたい人は、こんな素晴らしいサイトがあるので是非見てみてください。