クリッピングとメモ

2017-02-24 くもったりはれたり。金曜。

[]『こんにちは赤ちゃん』。日活のたあいなくも楽しいコメディ。

こんにちは赤ちゃん [VHS]

こんにちは赤ちゃん [VHS]

鈴木清順追悼シリーズでひきつづき何か見るかと思いきや、芦川いづみつながりで手元のつんどくのものから何か、と思い立った。それでjmdbなど調べつつ(http://www.jmdb.ne.jp/person/p0025800.htm)、手元のDVDと引き比べて未見のものを、ということでいくと、とりあえず『若草物語』というのが日活看板女優四大スター共演、芦川いづみ浅丘ルリ子吉永小百合和泉雅子の顔合わせお正月映画、ということらしいので見はじめたら、どうやら見覚えがある。見てたらここに書いてあるはずと思って、書いてないのを選んだつもりだったけれど、どうやらここに書いてなかった時期がいくらかあったのでその時期に見てたのかしらと思い起こし、それじゃあまぁべつのを見ようということであらためて探したのが『こんにちは赤ちゃん』(こんにちは赤ちゃん - Wikipedia)。これはこれでにぎやかな、芦川いづみ吉永小百合和泉雅子の顔合わせ。たぶんヒット曲便乗ってだけで(森永ミルクの全面協力を取り付けて)こんなにたあいなくも楽しげな一本の映画を作り上げてしまうところに昭和30年代の日本映画の勢いを感じ・・・とかなんとか。おはなしは、貨物船が横浜に停泊した24時間の物語で、船乗りたちの横浜の定宿「かもめホテル」が舞台。かもめホテルの看板娘の和泉雅子に岡惚れしている若い船員ふたりの恋のさや当てあたりを中心に、船員の男たちと奥さんたち、娘、彼女、田舎から出てきた母親と幼馴染、浮気相手のバーの女、といった人たちがどたばたする。吉永小百合は船長の娘で、母親が亡くなっているので父親と二人でレストランで食事、そのあと旅館でしっとりと父親の肩をもんだりして親孝行、吉永小百合持ち歌の「寒い朝」を歌ったりとか。で、芦川いづみはというとちょっと訳があったり影があったりする役。一等航海士の川地民夫の赤ん坊を抱いて現れるのだけれど、実は昔、船乗りの川地を待ち続けることができなくて他の男と結婚してしまったという過去があって、それで今、その結婚相手は亡くなってしまったらしく25才の未亡人。で、川地のほうも芦川が他の男と結婚してしまったので絶望して好きでもない女と結婚して赤ん坊も生まれたけれど夫婦は冷めきってしまい妻は出て行ってしまったと。なので、芦川は、川地の親の元に預けられていた赤ん坊を3か月ぶりに川地に会わせるために「かもめホテル」を訪れた、という次第。なので、赤ん坊をかもめホテルの和泉雅子に預けて二人で出かけても微妙に影のある後悔のにじむ距離感。とかなんとか。それでまた、もう一人、桂小金治の愛妻が、お腹が大きいのに夜行に乗って横浜までやってきたはいいが、「かもめホテル」でいよいよ産気付くドタバタ、とか。それで、川地の子どもの赤ん坊をめぐるドタバタと、桂小金治の赤ん坊が産まれるというドタバタがあって、まぁけっきょくはみんなで「こんにちは赤ちゃん」を歌って踊って、そして名残を惜しみながらまた慌ただしく貨物船は出港するのでした、という。なんか書いていたら、これでもそうとう枝葉を省略してるのだけれどなにげにいろいろなエピソードをうまくさばいているのかな。

2017-02-22 はれ。水曜。

[]R.I.P.鈴木清順ってことで『散弾銃の男』みた。人を食った演出と芦川いづみの魅力(ときどき吉岡里帆っぽい瞬間が)。

http://www.nikkatsu.com/movie/20551.html

テレビをつけていたらニュースで鈴木清順の訃報が流れる。ああ、と思って、何か見ようかなと思い、たぶん自分が最初に面白いなと思った清順ってことで『散弾銃の男』を再見。昔に録画した、ローカルテレビの午後にやってたたぶんテレビ用に編集されたもの。画質は荒いし、数年前に発掘してビデオからDVDに落とした時にさらに画面が乱れてたりしたのだけれど、のっけから人を食った演出 − アァ!あンな所に寝てやがる!! − とか、ご都合主義とかが、自分的に、なるほど鈴木清順おもしろい、と納得させたところ。あと、いま見たら、ヒロインの芦川いづみが魅力的で、ときどき吉岡里帆っぽい瞬間があるのがいい。

↓(参考)芦川いづみ

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[]『ハーモニー』みた。まぁ中二ってやつですかね。

先日、テレビ欄をみていたら夜中にアニメ映画をやっているようで、まぁ知らんがなという感じだったのだけれどふと「伊藤計劃」なる字が読めて、ちょっと興味が出て録画したのを、見てみた。

まぁ、未来の日本かなんかのはなしで、女子高生3人組がいて主人公はその一人、で、3人のうちリーダー格が、手が付けられないほど頭がいい問題児で、まぁもう一人地味なのがいて3人、と。で、その未来の日本(だかほとんどの先進国だか)ではすべての人間にセンサー的なやつが埋め込まれて生体情報をサーバーで管理されてて、健康で穏やかに生きていますよと、でも3人組は中二少女っぽく、大人になりたくないとか管理されたくないとか言ってて、まぁリーダー格が、大人になる前に自殺しましょう的に言って、それで薬を飲んでリーダーは死亡、主人公は生き残りました、大人になって国際機関のGメン的な人になって紛争地に居場所を見出して生きているのです、というところからお話がはじまり、まぁしかしある時、日本で(だか世界中でだか)、突然なんの前触れもなく自殺する者が同時多発し、しばらくして犯行組織の声明が出る。まぁ、意志をハッキングされたんである、そして、いまやサーバにつながれた世界中(だかなんだかの)の人々が人質になってしまったのだと。で、主人公は孤独に捜査を開始する的な。すると、人類の脳をハックして意志をあやつり、最終的には不完全な欲望から解放された完全調和の意志消滅状態イコール「ハーモニー」に導くのである的な悪い組織が浮かび上がり、そのリーダーがあの、死んだはずの親友だったんじゃないか的な展開。まぁ中二を絵にかいて動画にしたような。

2017-02-11 意外に晴れ。土曜日。

[]通勤電車で読んでた『カンバン:ソフトウェア開発の変革』。ソフトウェア開発業界用語が多くてわからんなりに具体的なので面白そう。ノリをつかむてきな意味で。

2017-02-09 雨。木曜。

[]『「文明の衝突」はなぜ起きたのか』。平易なことをゆっくり積み上げていって、困難な現実を丁寧に示す。

薬師院さんの新刊。帯に曰く「起きているのはイスラム教圏とキリスト教圏の「衝突」ではない」。

さいしょのうちは、ひとつひとつは高校の歴史でならったかもぐらいの、ヨーロッパとイスラム世界の歴史をゆっくりと辿る。ただし、学校の授業だと、現在的な「政治的問題」につながることを避けるようになっているだろうけれど、そのへんをきちっと、現在の問題とつながるように、まぁしかし性急に現在の問題と過去の事柄を一対一でつなげることも間違いなわけなのであくまでゆっくりと論述を積み上げていって、まぁ読んでいると確かにそりゃ、「ソ連が崩壊して社会主義が敗北し、グローバリゼーションにおける最終決戦としてキリスト教圏とイスラム教圏との「文明の衝突」が始まったなぁ」などと粗雑なことは言えなくなるし、そういう粗雑な言い方で対立を煽るポピュリズムはやはりかなんなあと思えてくるようになっている。このゆっくりさというのがたぶんキモで、たぶん結論だけをつまみ食いしてパッと言っちゃうと、ネット記事とかでも同じようなことを1頁ぐらいで言っちゃうのはあり得そう、だけれど、たぶんそれでは、安易な結論で「バカなあいつら」を否定して対立を煽ることになってしまって、まぁおんなじことになってしまうだろう。なのでこの本はあくまでゆっくりと進む。それで、第6章で、わたくしたちの民主主義とか福祉国家とかがそもそも帝国主義とか植民地支配とかと表裏一体で与えられてきたんだもんね、というお話になって、第7章では移民労働と経済のお話になって事はがぜん他人事ではなくなってくるわけだし(薬師院さんはここで日本の話を安易にもってくることもしないわけだけれど、でも当然、読みながら連想する)、第8章で「多文化主義」と「文化多元主義」という、ぼんやりと似通ったイメージしかもってなかった概念をきちっと腑分けしつつ、日本的な「多文化共生」などというふわっとした理解は現実の多文化主義、文化多元主義といったものとはかけ離れていること、それを理解しないと現実の困難さが理解できないし、理解できなければ立ち向かうこともできないよねということを、知ることになるわけである。

というわけで、一冊読み終わってみたらやはり薬師院さんの本だなあと満足したのだけれど、しかし、ずいぶん我慢強く粘り強い芸風になったものだなあという。

2017-02-02 はれ。木曜日。

[][][]通勤電車で読んでた『デヴィッド・ボウイ』。ボウイを聞かずに生きてきたわたくしは大島弓子でヒット。

デヴィッド・ボウイというと高校のころの自分が、たしか毎週火曜夜に坂本龍一の「サウンドストリート」みたいなのを聴きながら、『戦場のメリークリスマス』だとかの話を聞いてその中に出てくる人であると。しばらくはデヴィッド・シルヴィアンと混同してたぐらいだし、いやしかしそもそもたしか私はその時以来いまだに『戦メリ』見てないんじゃないかと卒然と気づいたのだけれど、まぁそんなもんで、そしてまたそのころ「レッツ・ダンス」が流行っていたのでいよいよ、なんか大ヒットを飛ばした、デヴィッド・シルヴィアンでもデヴィッド・バーンでもないほうの歌手、『ラビリンス/魔王の迷宮』で魔王役で登場したらしい人、ぐらいの印象で、そしてさすがにその後、グラムロックのすごい人なのだと知っても、なぜかそうなると意地でデヴィッド・ボウイは聴かないようなマインドが形成されていて、TREXもルー・リードイギー・ポップもかっこいいと思いつつデヴィッド・ボウイには行かない、まぁせいぜい『汚れた血』で「モダン・ラブ」でドニ・ラヴァンが疾走するからこの曲だけは忘れない、まぁそのぐらいで、それで今に至っていたのである。

なので、この本もまぁ、ボウイ入門と思って読み始めて、フムフムと素直に読み進んでいたのだけれど、途中でいきなりさしはさまれた、ボウイへの日本への影響、とくに日本の少女漫画への影響、というところでググッときた。大島弓子!なるほどそうじゃないですか!頭の中で鐘が!青い鳥は窓辺に、デヴィッド・ボウイは私の本棚のあちこちにずっといたのである。

というところで、ぐっとヒットして、それで読後に、このまえBSでやってて録画してた「デビッド・ボウイ 5つの時代」(http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=160124)というのを見る。なるほどこれがボウイかと。