読んだ本。『遊戯療法の世界』

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82年に出た本で、さらに前のケースなのだけれど、ひとりの吃音&学校不適応の女の子のケースが最初から最後まで紹介してあって、その前とあとに簡単な説明がある、という本。
こういうケースをじっくりと読むのはおもしろい。というのと、小学校一年生の女の子のプレイセラピーの記録、というのは読みにくい。セラピストは、東山先生のところに内地留学していた小学校の先生で、東山先生はスーパーヴァイザーとしてかかわっている。結局、毎回のセッションの記録の後に付されるスーパーヴァイザーのコメントを手がかりに読んでいくことになる。プレイセラピーの記録そのもののほうは、ほんとうに小学校一年生と遊ばされてるような気になってきて、ふつうでは付き合いきれないエネルギーを要求されるっていうか読むのしんどい。なので、その中から適切に治療的な流れを読み取ってセラピーを進めていくというのは、なるほど、おもしろいものである。
また、この本はだから、スーパーヴァイザーというものの係り方についての本でもあるわけで、そこも面白い。

非常勤回りの途中で買った本。『愛と暴力の現代思想』『生命と現実』『スキャナー・ダークリー』

愛と暴力の現代思想

愛と暴力の現代思想

生命と現実 木村敏との対話

生命と現実 木村敏との対話

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

『スキャナー』は、以前『暗闇のスキャナー』で読んでいて、山形という人は勝手な癖のある訳文を作る人だなあと思っていた。まぁ、新訳なのでまた買った。
『愛と暴力』読んで、かなりよかった。詩だ。そんでもってすごく正しい。そんでもってただならず不穏である。にたかんじの本で『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』てのもあったし『「負け組」の哲学』てのもあったけれど、『負け組』よりこっちだな。『ミッキーマウス』にかんしては、この本にはミニーマウスが登場するのだけれど、その文章、巻頭の「恐怖力」って文章がとにかくすばらしいので、その小文だけで『ミッキーマウス』本と併せて読みたくなる。
ミッキーマウスのプロレタリア宣言

ミッキーマウスのプロレタリア宣言

「負け組」の哲学

「負け組」の哲学