Rockin'fと国語教育
最近仕事のことしか考えてなかったので良くないと思い、本屋で久々に音楽雑誌を見てました。そこで吃驚したんですが、最近は音楽雑誌にDVDが付録で付いているんですね。作曲系の雑誌は音データとかデモソフトとか昔からありますが、自分が高校生の頃買ってたYoung GuitarとかRockin'fとかにDVDが付いているというのは隔世の感があります。
というわけでその二冊を買ってみました。Rockin'fの方はZIGGYのライブ映像が目当てで、ZIGGYというと多くの同世代人にとっては「ドラマ『同級生』の主題歌"GLORIA"を歌ってたZIGGY*1」であったり、「バンドブームの頃に自分もバンドを始めたけど、結局ZIGGYのコピーで終わった」ZIGGYであったりするわけですが、僕は彼らがSnake Hip Shakesと短期間だけ改名した時期のアルバムがすごく好きで、それ以来飛び飛びに情報を追っているのです。彼らがアルバムを三枚出す度に気付く、くらいの飛び飛び。付録DVDの映像も良かったので、また買うかも。
それはともかく、そのDVDには他にも色々なバンドのPVやライブ映像、インタビューなどが収録されていたので、ZIGGYが終わったあとも何となく観ていたのですが、そこに登場するバンドの格好悪さにもまた愕然としたのです。この感覚はDVDを見てもらわないと伝わらない気もしますが、我が家でそれらのバンドの真似が流行っている、と言えばある程度伝わるのではないか、という感じで格好悪いのです。
これは由々しき問題だと思って、なぜ格好悪いのか色々考えました。マイナージャンルになってセンスが悪いのしか集まらないのだろうかとか、日本全体が商業主義的な価値観になっているために小粒な人間しかデビューできないのだろうかとか、実はバンドブームの頃もみんな格好悪かったのだけど、自分が彼らより年下だったために、ちょうど自分が大学生になると甲子園球児が急に子供に見えてしまうように、自分もバンドより年上になってしまったために彼らが急に格好悪く見えるようになった、とか。
でも、バンドブームの頃の二番手三番手は、センスは悪くても凄みがある、とか、得体の知れないエネルギーがあったと思うのです。大槻ケンヂの「グミ・チョコレート・パイン」に出てくるゾンみたいな。あるいはRockin'fに載るような音楽がマイナージャンルだから、というのであれば、他のジャンルはそうでないかと言われれば、たとえば宇多田ヒカルの「エミリー・ザ・ストレンジ」の翻訳等に見られるように、やっぱりある種の格好悪さが共通しているような気もして、ではその共通している格好悪さは何かと考えると、「言語に対するセンスの欠落」だと思うのです。
それが活字ばなれから来るのか、ゆとり教育から来るのか、何から来るのかはまだ分かりません。続く(続かないかも)。