友愛公共フォーラム第一回シンポが開催

 2月14日、東京・目白台の東大医科学研究所の講堂で友愛公共フォーラム発足記念シンポジウムが開かれ、関係者、市民約160人が参加した。目玉は鳩山首相の所信方針演説を書いた松井孝治内閣官房副長官鈴木寛文科相副大臣、劇作家平田オリザ氏の鼎談だった。
 松井氏は同フォーラムに参加したいきさつについて「平田さんから我々のような立場の人が熟議に入っていかなければならないといわれた言葉を思い出して決意した」と延べ、フォーラムの意義について「右も左もない論壇をつくりたい。ポスト近代について考えなければならない。経済市場価値を超えた価値観を考えながらやってきたが、答えはまだ分からない。熟議の結果、深化して解決策が生まれるのだろう」と展望した。
 また「私の公共の原点に阪神淡路大震災がある。鳩山さんは大平さんと小渕さんに似た雰囲気がある。東アジアの観点では環太平洋を提唱した大来佐武郎に次ぐプレーヤーが必要だ」と述べた。




 平田氏は「僕の関心事は政治家が言いにくいことを言葉に表現することだ」とし、1月29日の首相の施政方針演説について“社会的包摂”をたぶん施政方針演説で初めて載せた。人間を孤立させない社会づくりを強調したかったのに、マスコミは分かってくれなかった。翌日フランスに行く途中、空港で新聞を読んで絶望的になった。いっそフランスに亡命してしまおうかとも考えた」と語った。
 またポスト近代について「21世紀は近代国家をどう解体してくかが問われる。環境、軍事、防災、防疫、経済などの課題をどう国際社会に委ねてゆくかを考えていかなければならない。これも国家運営を委ねられている政治家が一番言いにくいことなのです」と答えた。