北方領土は南樺太と全千島列島が日本の領土である。2島返還論など論外!・主張する事はしっかりと主張しなくてはならない。

本日は今年最後の記事として、北方領土問題を取り上げてみました。
なぜ北方領土なのかと言うと、日本は現在韓国との竹島と同様に北方領土が領土問題としてあります。
竹島については、単なる韓国による不法占拠(北方領土も同じですが)されているわけで、これはほとんどの国民がそう理解していると思います。
故に竹島問題は問題点としてはハッキリとしているわけです。

ところが北方領土問題に目を移すと北方4島が北方領土問題であると思っている国民が非常に多いのではないかと思います。
しかしこれはとんでもない勘違いで、実際は樺太の南半分、そして北方4島を含む千島列島最先端の占守島まで全ての千島列島が日本の領土であると言う事です。

実は先の総選挙で、我が静岡2区の井林たつのり氏とこの問題でブログ上ではありますが討論を重ねた事がございます。
井林氏の最終的な結論として『まずは2島返還からも有り得る』との見解を示されました。
しかしこの2島返還論にどうして行きつくのか・・・。
そこが私には理解できなく、もしかすると2島返還論者は北方領土の我が国に於ける歴史を知らないのではないか。
単なる北方4島だけが元からの日本の領土と勘違いしているのではないかと・・・。
そう思えてならなかったのです。

そこで自民党政権が誕生し、来年はこうした領土問題にも動きがあるのではないかと思い、今一度、問題を複雑化している北方領土問題の歴史的認識を改めておさらいしてみようと思います。



大東亜戦争前は南樺太と全千島列島が日本の領土であった。


千島列島や樺太の領土は戦前にいくつかの日露双方による条約によって領土が定められていました。
これを時系列で追ってみます。

日魯通好条約
  1855年(安政元年)に日魯通好条約が締結され、北方4島を日本・それ以
  外の千島列島をロシア領
としました。 ※この時樺太は両国混在の地としました。
樺太千島交換条約
  1875年(明治8年)に樺太千島交換条約が締結され、日本が樺太を放棄す
  る代わりに全千島列島を日本領
としました。
ポーツマス条約
  1905年(明治38年)に日露戦争の結果ポーツマス条約により北緯50以南
  の南樺太を日本領
としました。
サンフランシスコ講和条約
  1951年(昭和26年)に大東亜戦争の結果として日本は千島列島と北緯50
  度以南の南樺太の権利、権原及び請求権を放棄しました。
しかし日本固
  有の領土の北方4島は含まれていません。

つまり大東亜戦争開戦時の北方領土とは南樺太と北方4島と全千島列島が日本領であったと言う事です。
そして日本が大東亜戦争終戦を迎え、昭和26年に締結されたサンフランシスコ講和条約の中で千島列島と北緯50度以南の南樺太の権利・権原及び請求権を放棄しました。

ただしここで注視しなくてはならないのは、サンフランシスコ講和条約にロシアは参加していないと言う事です。
そしてこの条約によって確かに日本は南樺太と千島列島の権利・権限そして請求権を放棄しましたが、その後これら領土がどこかの国に割譲されたという条約は締結されていないのです。
つまり現在の南樺太と千島列島は国際法上どこかの国に属している訳ではないのです。
言い換えればロシア領ではないと言う事です。

昭和20年ロシアは日本がポツダム宣言を受諾し8月15日に終戦を迎えたにも拘わらず、その後の18日に突如として千島列島の最先端である占守島に侵攻しました。
これは日本が降伏する直前、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して攻めて来て奪い取ったものです。
それ以降ロシアは北方4島までを攻め取りました。

要するに現在のロシアが実効支配している北方領土とは国際法的にも認められていない不法占拠状態であると言う事なのです。


日本の主張は北方4島及び全千島列島と南樺太の返還であるべき


大東亜戦争開戦前の北方領土の主権は、平和的に条約を締結して北方4島と千島列島並びに南樺太が紛れもなく日本の領土であった。
これは当時のロシアと国際法に基づいて締結された条約なのです。
そして終戦サンフランシスコ講和条約で権利・権限及び請求権を放棄しましたが、これらは連合軍との締結であり、ロシアは含まれていなかった。
またその連合軍はその後の千島列島・南樺太の領土割譲を決める条約を締結していない。
これらの事を総合的に勘案すると、日本の主張は北方4島及び全千島列島並びに南樺太の返還でなくてはならないはずです。

ただしこれら全ての北方領土の返還は相当難しい。
日本は現在軍事的にも憲法自衛隊法などにより自衛隊の動きを制限されているし、ましてや核武装しているロシアがこの主張を受け入れる可能性は全くないと言っていい。
しかしだからと言って主義主張を捻じ曲げて交渉をするなど愚の骨頂である。
2島返還とか4島返還とか歴史的事実を捻じ曲げた主張・交渉は亡国への道である。
この千島列島でどれだけの日本人が血を流し命を落としたか。
そうした先人の想いを考えれば現在を生きる我々の価値観だけで交渉する事は控えるべきであり、決してしてはならない事であると思います。

今日は少し北方領土の事をサラッとおさらいしてみました。
来年はいよいよ日本復活へ向けた動きが加速すると思われます。

皆様にとっても良き1年となる事を祈念いたします。
本年もお世話になりました。良き年をお迎えください。