教師の多様性を創る

11月に入りました
秋晴れのすばらしい青空を見ていると、
それだけでいい気分になりますね

体育祭や文化祭等の行事で生徒の皆さんの活動量が増え、
学校全体のエネルギーが高まる季節です

最近、主体性、積極性をもった人創りという文脈で、
行事やクラブ活動を改めて重視する方針をとり、
真の文武両道を標榜する私学が増えています

知・徳・体バランス派の私には嬉しいことですが、個人的には、
心身鍛錬型のしんどい行事、合宿教育のような活動が、
もっともっと導入されればと思っています
これこそ、公立校にはない私学の独自教育であり、
失敗や試練を乗り越えて前に進む人材こそ、社会が求める人です

さて本日は、ある新聞記事を見ながら、これからの
私学の教師採用について考えたことをお伝えします

ユニクロを運営するファーストリテイリングが、
日本の学生に海外の店舗で1週間働いてもらう、
海外インターンを100人規模で行うという記事です

地方を含めて全国から参加者を募るそうですが、
派遣先は上海、シンガポール、ソウル、ニューヨーク、
ロンドンの5都市。ねらいは“経営者の卵”の発掘

昨年のインターンは定員の20倍以上、2400名の学生が
応募したそうです
渡航費、滞在費など1人あたり数10万円はかかるでしょうが、
このように採用に費用をかける企業は、中小、ベンチャー
含めて、決して少なくありません。「企業は人なり」です

では私学の教員採用はどうでしょうか
産業界と学校では人材供給の構造が異なることもあり、
これまでは、「入りたい人から採用する」だけの“待ち”の採用

まずは講師で採用し、2〜3年様子を見てから専任へ
という学校が、未だに多数派ではないでしょうか

これまでも講座やレポートで、
学校はもっと専任採用に注力すべき、
人材ミックスを実現しましょう、と発信してきました

人材ミックスとは、新卒採用、他校からの中途採用
企業等からの採用を1/3ずつに。という主張ですが、
意図は“教師の多様性”確保にあります

「多様性」は最近、社会や政治のキーワードであると
同時に、新しい教育のキーワードでもあります

子供たちは本来、多様な個性と資質をもった
存在だと思いますが、これまでの日本の教育は、
その多様性を十分伸ばしていなかったのではないか

21世紀型教育への転換という国家的方針には、
このような反省の思いも含まれていると感じます

多様性の乏しい教師陣に、多様性溢れる生徒が
育てられるでしょうか

また、これまでの20世紀型教育しか知らず、そこで
優等生であった教師志望者だけで、新しい21世紀型教育を
リードする教師陣が形成できるでしょうか

志望者が列をなすトヨタやホンダ、グーグルといった有力企業も
採用手法を工夫し、多額の費用とエネルギーを投入します
これはという逸材を、何としても獲得するためです

企業以上に、“人がすべて”の学校
採用力が教育力に、また私学の評判に直結する時代に入ります
さぁ、専任採用と人材ミックスを始めましょう!