John Coltrane / Coltrane (Impulse)

Coltrane (Reis) (Rstr) (Dig)

Coltrane (Reis) (Rstr) (Dig)

  • 1962年4月11日、6月19日・20日・29日録音。
  • John Coltrane (ts, ss), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds)
  • エリック・ドルフィーが脱退し、ようやくジョン・コルトレーン・カルテットのメンバーが定着した。本アルバムはコルトレーンの 《黄金のカルテット》 第1作にあたる記念すべきスタジオ録音盤である。
  • (1)〜(3) はスタンダード・ナンバー(といっても当時は無名だった曲ばかりだが)。(4) と (5) がコルトレーン作曲のオリジナル。
  • (1) の熱を帯びたようなエルヴィン・ジョーンズのドラム。(2) のバラード曲におけるマッコイ・タイナーのピアノの美しさ。ジミー・ギャリソンのベースの音は60年代ジャズ特有の分厚さを聴かせる。コルトレーンのサックスは、ヴィブラートをほとんど用いず、禁欲的なほどにストレートな音を出している。
  • どの曲も比較的小粒なのだけど、キラリと光る名演奏だと思う。

John Coltrane Quartet / Ballads

BALLADS

BALLADS

  • (7) …… 1961年12月21日録音。(1)〜(6), (8) …… 1962年9月18日、11月13日録音。
  • John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Reggie Workman (b), Elvin Jones (ds)
  • 1962〜63年にジョン・コルトレーンはスロー・テンポのバラードを中心とした企画盤を3枚発表した。本アルバムはその第1作にあたる。
  • 本アルバムはタイトルどおり、スロー・テンポのバラードばかりを集めた名盤中の名盤であり、コルトレーンのアルバム中、最大のヒット作となった。おそらく、モダン・ジャズの名盤十選に誰もが推すであろう傑作だと思う。
  • 収録曲は、すべてスタンダード・ナンバー。大半の曲にイントロがなく、いきなりコルトレーンのテナー・サックスから始まるのが特徴的。
  • コルトレーンには初期の頃からバラードの名演が多く、50年代にもプレステッジ・レーベルから "Stardust" などのバラード集を発表しているのだが、それらのアルバムはどこか退屈さを感じさせる部分があった。しかし、本作品は辛口のサックスの音に加えて、伴奏者の緻密な演奏が美しく、甘ったるいムード音楽とは一線を画しているのである。
  • 本アルバム録音時にコルトレーンが「マウスピースの調子が悪かった(から静かな曲を選んだ)」と語った、という逸話が残されているが、真偽不明。明らかにマウスピースから変な音が出ているのは、本作ではなく "Duke Ellington & John Coltrane" である。
  • なお、(7) のみ1961年録音で、ベースはレジー・ワークマンが弾いている。

Duke Ellington & John Coltrane

Duke Ellington & John Coltrane (Reis) (Dig)

Duke Ellington & John Coltrane (Reis) (Dig)

  • 1962年9月26日録音。
  • John Coltrane (ts, ss), Duke Ellington (p), Jimmy Garrison (b), Aaron Bell (b), Elvin Jones (ds), Sam Woodyard (ds)
  • コルトレーンの 《バラード3部作》 第2弾。1899年生まれのデューク・エリントンと1926年生まれのコルトレーンという、世代の異なる二人の巨匠による共演作である。
  • 収録曲はほとんどがエリントン・ナンバー。自信たっぷりの "Ballads" とうって変わり、コルトレーンは緊張気味だ。
  • (1) "In A Sentimental Mood" はひたすら美しいエリントンの名曲。この曲が良すぎて、正直ほかの曲は印象が薄れているくらいである。
  • ミディアム〜アップ・テンポの曲もあるのだが、コルトレーンがおとなしいため、あまりそういうのは面白くないのかもしれない。