調べてみました

andyさんのところ、http://d.hatena.ne.jp/andy22/20050411において、「hiero ヒエロ」とは何ぞやとのお話が面白かったので、とりあえず手持ちの辞書類を開き、ザザッと粗く調べてみる。

私の場合、ヒエロと聞いてすぐに思い浮かぶのは「ヒエロファニー」、つまり「聖なるものの顕現」という語だったりするんだが、andyさんやコメント欄にてantonianさんがおっしゃるようにヒエロは「神聖な、聖なる」という意のギリシャ語「hieros」を起源とするもので、件の言葉「hierophant」はラテン語の「hierophanta」経由らしい。ま、こちらも元々はギリシャ語起源で、「hiero=(hieros)神聖な」と「phantes=(phainein)知らせる、示す」が組み合わさった語「hierophantes」に基づいている。
英語の「hierophant」には

  • 古代ギリシアの)礼拝・供儀の儀式の監督者、秘儀の導師、祭司
  • (一般に)解説者、代弁者、首唱者、提唱者

との意味があるとのこと。

聖性を示し知らせるもの、との解釈からイメージするに、聖なるものと人との間の仲介者、シャーマン的な巫者といった感じの概念をも表すのかしら、元来は。
あと、いわゆる「ヒエラルキー hierarchy」と称されるものについてだが、この言葉は

など、キリスト教内での階層にまつわるあれこれを内包しており、これまたラテン語「hierarchia」を経由しつつ、ギリシア語の「hierarchia」という高位聖職者の支配や権力を表す言葉(rule of high priestという意)が起源であるらしい。さらにギリシャ語の「hierarchia」(「hierarkhia」という表記も有り)は、「hierarkhes(high priestという意)」から派生している。これは「hierarkhes」=「hieros(神聖な)」+「arkhos(指導者、導師、リーダー)」のように分解されるのだが、やはり礎には「hiero」在り、の言葉なのだった。

一つの言葉からも意識の変遷などが透けて見えて、また興味深いものだなー。

ちなみにタロットもといタローって、何に起源を発するものなんだろう?私はまったくの素人でからっきしわかっておらず、当てずっぽで言ってみるに、ヨーロッパ古層のフォークロアとかも関わってるんなら、キリスト教の「司祭」や「教皇」とかいった語の枠に囚われない豊かなイメージを孕んでいるのだろうか。