千葉県船橋市中央公民館の地域課題発見・解決事業での講演会

千葉県船橋市中央公民館の地域課題発見・解決事業の一つとして
聴覚障害の理解と、まちづくりをテーマに講演させていただきました。

地域の広報でもご案内いただき
定員が100名のところ、約140名からお申込みいただき
寒い日でしたのに欠席者もほとんどおらず満席。
ありがたいことです。

講演では、聞こえる世界、聞こえにくい世界、聞こえない世界
3つの世界を経験した立場から分かった社会の課題
それらをどのように解決につなげていくのか?
障害の個人モデルと社会モデルや
自らがこれまで関わってきた「当事者参加型」の具体的事例を元に紹介し
「まちづくりにおいて大切なことは何か」
「参加者と一緒に考えたいこと」として
船橋市のろう者や難聴者が抱える課題
(手話言語条例、災害時や緊急時対応等)のほか
昨年の夏、自由研究で「ユニバーサルデザイン」をテーマとし
わたしにヒアリングをしてくれた
小学3年生男児の自由研究が学校代表として選ばれ、
優秀賞受賞したことも紹介しました。
彼は町の中の身近なUDについて調査し、
そこで感じた課題を市役所の「市民の声を聞く課」に提出し
回答をもらうなど積極的な働きかけをしているそうです。

子どものころから、まちづくりに興味を持てる環境を作りたいし
応援していきたいと思います。

講演後のアンケートでは、参加者それぞれの立場での
気付きや発見などがあったようで、良かったです。

・当事者の参加が社会を変えていくという話は
1歩1歩自分でもできるかなと思った。
その一歩をふみだせるようになりたい。

・聞こえないことへの理解の他、多様性や生きていく上での
考え方、価値観が変わる興味深い内容でした

・3つの体験をもつ方のお話は、説得力があり
多岐にわたった活動事例紹介など贅沢な内容だった。

・地域で手話や障害について学んだ人たちが
社会や学校や外へ出てそれを広げていく。
そして少しずつ社会が変わっていく。
そうすると少しずつバリアが外れ誰もが暮らしやすい社会へとなる。
そんな根本的で大切なことに気付かされた。

・手話を勉強中でくじけそうになることありますが、
もう少し続けてみようと思いました。

・加齢で少しずつ聞こえづらくなっており
不安を感じていたので、この会を知っただけでも安心しました。

・単位町会の町会長として、できること模索していきます

今回の企画と運営をしてくださったのは
NPO千葉県中途失聴者・難聴者協会 東葛南事務所 船橋友の会の皆さん。

どうもありがとうございました!

#まちづくり
#ユニバーサルデザイン
#地域課題発見
#千葉県中途失聴者難聴者協会


 

 

 

 

宇都宮人権擁護委員協議会での講演会

宇都宮人権擁護委員協議会より講演依頼をいただきました。
人権擁護委員会では、年に数回研修会が開かれているとの事。
法務局人権擁護課から人権相談にかかる講和や
人権教育や人権啓発に繋がる講和などがあるようですが
今回は、当事者としてまた
UDの専門的な立場として
障害のある人もない人も
一人ひとりが大切にされる社会について
話してほしいとのご依頼でした。

聴覚障害者としての基本的人権から
障害の医学モデルと社会モデルの考え方
コミュニケーションの本質についてや
だれにでもあるアンコンシャスバイアス
それらをなくすために必要なことなどをお話させていただきました。

参加された方々は70歳前後の方々が多く
落ち着いていて人生のベテランと言った感じで、
私も人生相談したくなる雰囲気です。

普段なかなか聞くことのない当事者の視点はどれも新鮮で
基本的人権を考える上で、視点を増やすことの重要性に気付き
新たな発見や今後につながるという感想をいただき安堵しました。

外部から多様な立場の講師を受けいれている研修、とてもいいですね。

相模原市登録要約筆記者現任研修での講演会

相模原市からのご依頼で
相模原市登録要約筆記者現任研修での講演もありました。

音声認識のアプリが充実していますが
一方で「要約筆記」を必要とする人もいます。
要約筆記を必要とする人に対して
要約筆記(情報保障)を行うという直接的な支援のほか
地域共生社会の実現に向けて
すべての人が生き生きと暮らすために要約筆記者の役割とは?
要約筆記の存在意義とは?
要約筆記者だからこそできることとは?
など一人ひとりに考えていただける構成にしました。

また、私の個人的な体験として
人生の途中で聴覚を失うとは
聞こえることが前提の人生を手放すこと
それは人と人とのつながり、社会とのつながり、自分自身とのつながりが
絶たれていくことでもあり
絶たれたものをつなぎとめるのが「文字」だった。という
わたしにとっての要約筆記の存在意義もお話しました。

当日は相模原市の難聴者協会の方々や
相模原市長をはじめとする職員の方々も参加してくれました。

後日送られてきた感想には、新たな視点の気付きや、
建設的対話、合理的配慮、字幕、情報格差などの
キーワードが多く見られました。

 

『「手話や要約筆記は聴覚障害者のため」と思い込んでいた。
「対等な意思疎通のためにお互いに必要だ」という
視点は今日初めて気付いた。』

『特に一番印象に残った言葉は
「不満や怒りを訴えるだけではなく、
どうすれば良いのか提案をしていく、そうすれば社会を変えられる。」です。
訴えても(訴えられても)
“じゃあ他にどんな方法があるのか”と水掛け論になるのではなく
「こういう方法はどうか」と双方で建設的対話を行い
お互い納得いく結論に持っていくことが大切だと思いました。』

『「情報格差」という言葉が印象に残った。
まず防災情報や権利的なことを考えるが、
消費者としての権利もある。
要約筆記者としてお仕事もさせていただいているが、
まだまだ気付かされることの連続である。』

『心強く持ち爽やかな笑顔がすばらしいと思った。
このような研修で当事者の方のお話を伺うことは
とても大切で、また原点に帰れたような気がする。』

参加者の中には、当事者の話しを聞くのは初めてという方もおり
今回研修という形でできたのは、とても良かったと思います。

伝えるとは、
伝わるとは。
要約筆記の在り方や、地域共生社会の実現に向けて
一人ひとりができることは何かを
少しでも考えるきっかけになれればと思います。

#要約筆記の意義
#要約筆記研修

大阪・関西万博初日、UDおよびアクセシビリティレポート<後編>

さて、万博と言えば世界各国の食も楽しみです。ミャクミャク堪能しつつビールやワインが飲みたい私。
【値段が分からないレストラン】
 ランチは北欧館のレストランに決め、
1時間半ほど並びました。

並んでいるときにシナモンロールの試食やコーヒーの試飲ができるのは嬉しい。
並んでる時にメニューも見られるのですが、
文字も写真も小さくて、
肝心な値段は書かれていません。ドキドキ。

建物の外から並び始め、レストランは3階のようです。
建物が大きいので、レストランも広いかと思いきや
ウッドデッキスペースのカフェですごく狭い。
しかも屋外のためパラソルとテーブルのみです。
パラソルがないテーブルはびしょびしょで使えず勿体ない。

だんだん雨足が強くなり、
かといってここまで並んだからやめるわけにもいかず
傘をさしてようやく注文。
サーモンのちらし寿司の様なものを聞いたら4,800円!
全部のメニューの値段を知りたかったのですが
傘をさしながらの注文、後ろには長蛇の列
筆談は時間がかかります。

ひとまず一品2,000~3,000円程度のものとワインを注文。
着席すると次第にパラソルではしのげない雨風となり
パラソルの下で、傘をさしながら食べる斬新なスタイルにw
お料理そのものは彩り美しく映えるのですが
同行者4人分の傘の間から容赦なく雨が降りそそぐので
料理もワインも早く食べないとびしょ濡れです。

私が注文したものは、まったく違うビーツとミートボールの料理が届き

この雨ですから、美味しそうだし、これでいいわと食べ始めたのですが
しばらくするとスタッフが
「間違えてしまったので、そちらは食べていただき新たにお持ちしました」と
またもや美しい料理と、ワッフルが届きました。

何が何だか分からず、みんなで分け合って雨まみれでしたが
たくさん食べられたからラッキー。笑
貴重なワインも雨水でだいぶ薄まっていたけれど。

屋外のレストランは雨対策が必要ですが、
それ以前にメニューには値段を書いてほしいですね。
(その後、値段が表記されたメニューになったそうです)

後でレシートを見ると、私が注文した最初の料理も
新たな料理も、どちらも私が頼んだものとは全く違う料理だったというオチ。
頼んだものは来ないのに沢山出てくる素敵でカオスなレストラン!
美味しかったので万事OK!
夜はフードコートぽいところへ。
席数も多く、たまたま隅っこの席を見つけたのですがここが最高でした!
ガラス張りなので夕焼けが見えるし、噴水ショーも見えるし
日が暮れると1000基のドローンショー。
美しさのあまりガラスにへばりつく私たち。
ここで注文したサワーは薄くてジュースみたいでしたが、ゆっくりできたし大満足。
コンビニは大行列でした!
おやつなど食べ物は持っていこう。

【字幕と音声ガイドがあるウーマンズパビリオン】
いざ、パビリオンへ!
パビリオンの予約は入園後にすぐにすべし。
アクセシビリティセンターで時間を費やしたため
当日予約はほとんど埋まっており、
夜遅い時間帯ですが、運よく予約がとれたのは「ウーマンズパビリオン」
音声認識ではピーマンパビリオンと誤認識されて爆笑)
ここはカルティエが手掛ける白いファサードが印象的な建物。

「ともに生き、ともに輝く未来へ」をテーマに
女性たちの体験や視点を通して、
公平で持続可能な未来について考えることができるパビリオンです。

夜も8時を過ぎると寒さと、疲れもピークですが
入ると、まずスタッフが手話で挨拶をしてくれます!
これだけで元気に。
そして、字幕と音声ガイドがあること、体験時間、撮影OKなど
注意事項が書かれたパネルを見せてくれます。

字幕デバイスの使い方も手話で説明をしてくれて
とても気持ちの良い対応!

聞こえるメンバーはイヤホンで音声ガイドを聞き
聞こえないメンバーは多言語から日本語を選んだ字幕で。
実際の映像そのものにも字幕が出るし
手元のデバイスにも字幕が出るし、多言語から選べるし
作家の吉本ばなな氏をはじめ、3人の女性が語る人生ストーリーを
追体験しながら、日本のジェンダーギャップについて考えることができる構成でした。

アクセシビリティやUDの対応に関しては
各パビリオンによって違うのだそうです。

理想は、すべてのパビリオンにおいて
障害のある人もない人も、あらゆる人が楽しめるものであってほしいです。
そのために、多言語の字幕、手話での案内、
音声ガイドも含めた情報保障があることを望みます。
他のパビリオンはどんな対応なのか、一覧表などがあるといいな。

【トイレも面白い!】

会場には8棟のトイレ棟があるとか。
今回雨だったので、全部チェックできなかったのが残念ですが
外観はアートのようで、それぞれ個性的。
男性トイレと女性トイレの他、バリアフリートイレや
オールジェンダートイレもあります。

話題の2億円トイレは、カラフルなプレハブ小屋みたいで
混雑が集中しているところと
がら空きのところとあちこち分散していました。なぜかしら。

手を洗う場所が、水道の蛇口だけで洗面台がないため
足元がびしょびしょになるので要注意。

午後からは、テープが貼られて使用禁止になっていました。(詰まったとか?)
トイレと一緒に、「カームダウン・クールダウンスペース」といって
発達障害や知的障害のある方など
感情のコントロールが難しい時、ストレスを感じているときに
心を落ち着けるための空間は8カ所くらいあるようです。
身体にフィットするビーズクッション、ヨギボーとの
コラボデザインもあったり。

公式MAPの中に「バリアフリーマップ」のほか
「センサリーマップ」もあります。
入口と出口がちがうトイレなども話題になっていますが、
一体どんな仕組みなのか、
防犯面や、性犯罪などから守れるかどうか、そんな視点も含めて
次に行ったときは全部チェックしたいな。

こちらは屋根が美しい休憩所やキッズ、トイレスペースなどがあるところ。

少し広めのクールダウン・カームダウンスペース

【最後に万博アクセスのために作られた「夢洲駅」】

近未来感のある駅です。
駅自体はかなり広く、改札口までのコンコースには
高さ3m、全長55mの超大型デジタルサイネージ
ここにミャクミャクが「買って!買って!」と
ミャクミャクグッズの宣伝してたり、万博の情報が映し出されて
ど派手で賑やか。

音声アナウンスもここに出してくれたらいいのに。
駅構内のトイレは個数が結構あり
男性トイレと女性トイレの他、オールジェンダートイレ。
サインには和服を着た男女のシルエットがあるのも面白い。

赤ちゃんケアも充実。

駅構内も、「カームダウン・クールダウンスペース」がありました。
最近空港などでも設置場所が増えていますね。

初日はいたるところで駅員さんが大声を張り上げているほか、
警備員が拡声器で案内する声があちこちでうるさく
聞こえる友人達も「結局何を言っているのか分からない」と。
帰りの混雑はハンパなかったです。

ゲートを出てから駅まですぐ近くなのに
迂回して並び、40分ほどかかったでしょうか。もっとかな。

身動き取れない程の大混雑のなか、
なんと私はリュックのチャック全開でした。
チャックのすぐ下ポケットにお財布があり
丸出しだったのに、無事だったという奇跡。
日本で良かったw

【デジタルとアナログの塩梅とは】
万博内では、デジタルマップを使うことになっているため
歩きスマホは必至です。
ところが雨が降ると、スマホもうかつに出せず困るんですね。
雨ガッパ着ててもスマホは濡れちゃう。
“デジタル万博”と言われていますが
そもそも通信環境が悪いと機能しなかったり
スタッフが使い慣れていなければ、混乱を招きます。
遠隔手話通訳もWi-Fiがないと使えません。
案内所などには、手話通訳者もいてほしいものです。
デジタル化と技術の導入だけでなく
来場者の流れをスムーズにするための全体的な動線設計や
スタッフの適切な配置や適切なオペレーション
雨や台風が多い地域の気候や
デジタルに対応できない方々もいることを考慮して
デジタルとアナログの融合というか、塩梅が大切なのではと思いました。
なんだかんだとツッコミどころ満載でしたが
そこで働いているスタッフやアテンダントの皆さんは
一生懸命対応してくれたり、関西人のノリなのか明るくて楽しかったです。
最初にも述べたように
はじめから完璧な運営は難しいものです。
開幕直後に分かった課題をフィードバックし
今後の改善に繋げてくれることを期待したいと思います。
そんなこんなも含めて楽しかった大阪万博初日。
夜のライトアップされたパビリオンや大屋根リングは
幻想的な光に包まれ、歩くだけでも特別な時間を味わえます。

色んな人や文化や国と出会うことができる、
そこに面白さもあるのでしょうね。
初日に体験できる機会をくれた友人に感謝です。

再訪問する時はどうか晴れていますようにw
有名建築家のパビリオンや最新の技術、
ユニークなトイレ、各地の文化に触れたいです。
そして次こそは「遠隔手話通訳」で色々聞いてみたいし
ミャクミャクと写真とって、万博で美味しいビールが飲みたい。

#大阪万博アクセシビリティ
#大阪万博ユニバーサルデザイン
#大阪万博のUD
#大阪万博初日

大阪・関西万博初日、UDおよびアクセシビリティレポート<前編>

大阪・関西万博初日に行けるという貴重な機会に預かりました!
「ミャクミャク」にハマってしまった私。

キャラクターとか興味ないのに、
カバンにミャクミャクのキーホルダーをつけるほど。
万博でミャクミャク堪能してビール飲みたい!

ところが、当日はやはりというか、
想定内の大雨強風という悪天候
 一緒に行ったメンバー、私も含めて最強の雨女がいたので
想定内なのですw

ネガティブな意見は多くありますが
個人的にはアレもコレもネタになり、
めっちゃ楽しかった万博初日でした。

さて、私たちが入れたのは事前に予約がとれたオーストラリアパビリオンと
当日運よく予約が取れたウーマンズパビリオンのみ。
当日の予約は入場10分後に1つだけ予約できて
1つのパビリオンに入場しないと、次の予約はできない仕組みです。
場内の音声アナウンスは、QRコードをとると
リアルタイムでテキスト化されるとか。


バッテリーの減りがハンパなく早いので、モバイルバッテリー必携。
万博内では、デジタルマップを頼りに歩きスマホ必至ですが
それも雨が降ったらスマホを出せず、戦場か。

でも各パビリオンの外観は、それぞれの国の文化や技術、
素材もふくめて独創的で、建築物そのものが展示作品みたい。
夜のライトアップも美しく、丸一日堪能しました。

ユニバーサルデザインアクセシビリティを専門としている
わたし達が気になるのはやはりそこ。
聴覚障害の視点からのバリアは

① 音声情報を受け取ること
②コミュニケーションにおいて音声以外での方法で受け取ることと、伝えること

このバリアはどのように解決できるのかとても興味がありました。
なのでこのレポートも主に聴覚障害の視点からがメインになります。
「万博会場はすべてがバリアフリー」だと公式WEBの
ユニバーサル情報には書かれています。
https://www.expo2025.or.jp/universalinfo/
ただ、イベントでも事業でも何でもそうですが
ソフト面ハード面ともに、最初から完璧な運営は難しいものです。
実際に始めてから分かることも多く、
フィードバックを共有して改善につなげ、
アップデートを繰り返していくことが重要だと思っています。
そんなこんなのレポートを前編と後編に分けて発信します。

UD仲間の友人のおかげで万博初日に行けることになった私たち。
開場の9時ごろ到着し、
まずはアクセシビリティセンターへ。

アクセシビリティセンター】
車いすや歩行補助器具のほか、高齢者用イヤホンの無料貸出しや
筆談や手話による対応など様々な配慮を必要とする方への総合サービス拠点で
西ゲートと東ゲートの二カ所にあります。
聴覚障害者に対してどんなサービスがあるのか、
予約したパビリオンには
手話や字幕があるかどうか」を
尋ねたかったのです。
ここでまず、聞こえないことを伝えると
『少々お待ちください』と待たされ
「しゃべり描きアプリ」を出してくれました。

スタッフが声で話し、タブレットをなぞると
なぞった後から文字がふわっと表示されるものです。
スタッフ『ご用件をお伺いします』(ふわっ)
わたし達は声を出さず、筆談で冒頭の質問。
スタッフ『少々お待ちください』(ふわっ)と
カウンターにある透明ディスプレイに案内していただき
ここでも音声認識した言葉が表示されます。
透明なので相手の表情と文字が一緒に見えるのが良いのですが
聴覚障害者側から伝えたいときは、
キーボードに文字を打ち込む方法です。高齢者は使えるかな。

その後、「遠隔手話通訳」があるとのことで
『少々お待ちください』(ふわっ)と用意してもらいました。
『こちらをご利用ください』(ふわっ)とタブレットを渡されたのですが
持ったまま手話での会話はできず、
すみっこにあったテーブルを見つけ、壁に立てかけて使用開始。

これでやっと双方向でリアルタイムで会話ができる、と
思いきや、なかなかつながらず。

『申し訳ございません』(ふわっ)とスタッフも困惑。

初日の混雑で通信障害が発生したのですね。
つながったり止まったりを繰り返し
最後には切れてしまいました。
音声認識の状態もよくなかったりで
そのたびにスタッフがタブレットに向かって話しかけ
指で曲線を描くと、ふわ~っと曲線から
浮かび上がるのは『大変申し訳ございません』という言葉。
スタッフはとても真剣なだけに
曲線からふわふわと文字が出てくるのを待つ時間、お互いにとってほぼ地獄…。
人によってはイライラしちゃうかもしれません。

最終的には、メモ用紙に手書きという
アナログな方法でのやりとりに落ち着きました。

このようなコミュニケーションのツールは
目的や環境に合わせて適切に活用したほうが良いと思いました。
アクセシビリティセンターのように
案内が中心で「早く」「正確に」が求められる場では
一般的な音声認識アプリを使い、
「しゃべり描きアプリ」はおしゃべりや、エンタメ要素のあるパビリオン等で
楽しくコミュニケーションを取るために活用したほうが良いと思います。

「遠隔手話通訳」も設置すれば良いものではありません。
安心して手話で意思疎通するためのスタンドや、テーブル、椅子、
安定した通信環境を用意する必要があります。
サービスを提供する事業者側も、そこまで踏み込んで設置してほしいな。
このアクセシビリティセンターでは何度となく
「少々お待ちください」を繰り返され、
思うようにアクセスできない状態で40分ほど費やしたでしょうか。
対応してくれたスタッフは、
どの方もとても一生懸命で真摯に向き合ってくれました。
スタッフも気持ちよくストレスなくお仕事をしたいはずですよね。
2日目以降から、Wi-Fiの設置など対応されたようなので、
少しずつ慣れていってもらって
今後もっと改善されることを期待したいですね!

【大屋根リング!ここも大行列でしたが眺めは壮観】

並ばない万博、入場時はもちろんのこと、
万博の象徴ともいえる「大屋根リング」
ここにあがるためのエスカレーターが
ディズニーランド並みの大行列でした。

エスカレーターは全部で5か所、エレベーターは6か所程度。
でもリングに上がって見る光景は壮観です!

各国のパビリオンの特色ある建築群を上から見ることができるし
一周約2キロ、天気が良い時や夕方などは絶対美しい。
ただ、真夏の炎天下は想像するだけで恐ろしい。

リングの下からの光景は圧巻。
世界最大の木造建築物というだけあって
構造や骨組みが美しく、神社の鳥居などでも見る
日本の伝統的な「貫工法」が使われていました。

リングの下には、座れるベンチが沢山あり
雨や風がなければ良い感じ。
この日はスタッフさんが濡れたベンチを丁寧に拭いてくれていました。

自動販売機と、ウオーターサーバーも沢山あります。
柱には番号が振ってあり、公式マップの番号とリンクしています。
行きたいパビリオンは何番の近くにあるか調べれば分かりやすいですし
待ち合わせや、迷子の時なども良さそう。

【予約なしで入れるコモンズは穴場】
雨風をしのぐために何度もお世話になった「コモンズ館」は
多様な文化や価値観をもった約80の国や地域が
共同で出展する海外パビリオン。
音声ガイドサービスがあり、各国の外国人スタッフは翻訳アプリを使いこなしています。

A館、B館、C館、D館、F館に分かれ
小さなブースが沢山並ぶのですが、初めて見る名前の国も沢山。
各国の特産品の販売、カシミアを値切ったりするのも楽し
スリランカでは紅茶の試飲、美味しかった!

各国にスタンプがあり、スタンプ押してるおじさんに聞いたら
スタンプラリー用のスタンプパスポートもあるそうな。
でも販売場所はゲート近くのショップ。
今回はデジタルスタンプを集めましたが、
次回はスタンプパスポート買うぞ!

印象的だったのは、私たちが手話で話していると
アテンダントの方々が手話で「こんにちは」「ありがとう」と
声をかけてくれるのです。
この日だけで一体何人から手話で話しかけられたのかしら、嬉しい。
「雨風をしのげる休憩所はあるかどうか」尋ねると
若いアテンダントの2人は、サクサクとタブレット
検索し、あれこれ色んな提案を出してくれました。
ありがたいことです。
同行者のご縁であれよあれよという間に某国の特別室に案内され
某国の元副大臣と挨拶し、ピンバッジをもらったり。
想定外のこともあって面白い。
ここは予約なしで入れるため、雨風をしのぐために多くのゲストで
ごった返しておりました。

座り込んでいる人も多く
むんむん蒸し風呂状態、女子トイレは長蛇の列。
外は寒いからトイレも近くなるんですよね。
でもほんと、唯一の温かな逃げ場でした。

ひとまずここまで<前編>です。
<後編>はレストランやパビリオンなどについてです。

二週間前予約がとれたオーストラリアパビリオン内部

大阪万博初日の雨風ハンパなかった(笑)

#大阪万博アクセシビリティ
#大阪万博のUD
#大阪万博ユニバーサル情報







ろう者たちの恋愛をろう者視点で構成された演劇

ろう者たちの恋愛を描いた #オム恋愛 劇鑑賞。

演出や監督、出演もろう者。

手話やろう文化、ろう者の視点をベースとした演出や舞台装置、照明、情報保障まで随所にさまざまな工夫が。

3部構成ですが、どれも三者三様。

ポスターの隅っこに

「ろう者たちの恋愛ってやつは。」と

ちっちゃいつぶやきのような一文があるのですが(笑)

いきなり宇宙恋愛サミットから始まる、枠にハマらない演出家の意図にニヤリ。

ろう者の恋愛あるあるリアル感や、

多様な視点、爆笑したり、

こんなサイテー男2度と見たくないわ!とムカムカしたり、そもそも恋とは?愛とは?好きとは?愛するとは?

などと問いかけられることで

観客も参加しているような一体感。

仲間達の演技も素晴らしいもので、ますます彼らが好きになりました。

ものすごく濃厚であっという間な3部作。

冒頭と最後にオンガク的な演出があるのも良かった。

手話もあり字幕もありとだれも取り残さないアクセシビリティもよく考えられていて安心して見ることができました。

照明の演出で手話に集中させたり、BGMの様にトーンを変えたり、

様々な工夫ができることもろう者ならではの演出です。

企画の段階からろう者が安心して手話言語で創作できる環境を整え、

ろう者ならではの視点の作品を生み出していく、こんな場や機会がもっと増えるといいなと思いました。

素晴らしい企画に心から感謝します。

 

「(宇宙語で描かれた絵記号のようなもの)」

演出 大橋弘

脚本 河合祐三子

出演 田代英忠・森岡見帆・善岡修

 

「不機嫌な恋」

演出 數見陽子

脚本 佐藤譲

出演 奥村泰人・長谷川翔平・村岡佳奈

 

「くるくる」

演出 砂田アトム

脚本 那須映里

出演 北薗知輝・琳琳・佐沢静枝

 

詳細はこちら▶︎dasjapan.com/renai

#オム恋愛 

電通デジタルさんでの勉強会。聴覚障害の視点から考えるアクセシビリティ

電通デジタルさんでの勉強会

聴覚障害の視点から考えるアクセシビリティ

 ~楽しみながら社会を変えていく~」
これまで関わってきた多様な事例と共にお話しました。