假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑) このページをアンテナに追加 RSSフィード

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悪名高き……いや、世間的には全く無名な(笑)、特撮批評(評論)・感想(レビュー)サークル『仮面特攻隊(假特隊/仮特隊)』。そのBlog版をひっそり始めたいと思います。当面は主宰者が昨05年、同人各誌に書いた文を、それ以前の文も過去日付にじょじょにUP。Blog名の由来ですが、主宰者の文が「読みにくい」と指摘されることが多いので(涙)、嘗胆・自戒の意も込めました。精進したいと思いますので、よろしくお願いいたします。またなにぶん、アナログ・アナクロ人間の残業リーマンでして、基本的には毎日PCを立ち上げません。ただ同人活動15年でイタズラ電話や脅迫状が絶えなかったことを思うと(ゲラゲラゲラ)。コメントもつかないとは思いますが、少しならともかくあまりにも荒れた場合、ウェイン町山Blogにならってシャットしちゃえばイイでしょう(笑)。あと特撮同人関係の知友はコメントを禁止します。「○○さん、ひさしぶり」「ようこそ、××さん」とかを衆目の場でやるのって、個人的にはスキじゃないので。〜お奨め:今こそ昭和ウルトラの遺産を活かせウルトラマンネクサス仮面ライダーTHE FIRSTゴジラFINAL WARS。(文・T.SATO)

2010-10-23 ウルトラマンエイティ#26「タイムトンネルの影武者たち」

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ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映記念(10月から毎週土曜より放映!)「全話評」連動連載!)


『ウルトラマンエース』#46「タイムマシンを乗り越えろ!」

『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧


第26話『タイムトンネル影武者たち』

巨大化怪獣ゲラ 異次元人アクゾーン登場

(作・平野靖司 監督・湯浅憲明 特撮監督・佐川和夫 放映日・80年9月24日)

視聴率:関東9.3% 中部14.1% 関西13.7%)


(文・内山和正)

(1999年執筆)


 秋の空をパトロール中の戦闘機シルバーガル。


 複座式の操縦席の前座には我らが主人公、防衛組織・UGM隊員・矢的猛(やまと・たけし)隊員。

 後座には現場に出動したり戦闘機に搭乗すること自体が珍しい城野エミ(じょうの・えみ)隊員が陣取る。


 今回は彼女が主役でもあり、一人二役を務めてカツラと着物で姫も演じる。


エミ「いい天気ねえ〜。ピクニックでも行きたい気分だわ(喜悦)」


矢的「いいねえ〜(笑顔)」


 ヒューマンな安息描写で人物像を描きつつ、すぐさまに事件は起きてふたりは消息を絶った……。



 タイムスリップものの一種だが、単なる戦国時代への旅ではない。

 今回、矢的とエミが戦闘機で飛行中、周囲の空間がゆがみだして空中が裂けて出現した黒い穴へと旋回しながら吸い込まれた先は、異次元にある魂だけが暮らしている黄泉の国(よみのくに。本話におけるそれは、死後の世界? 霊界? あるいは現世と霊界の中間にある幽界?)である。


 突如、空に穴が空き、そこから多数のUFOがあらわれて御前試合を観覧していた殿や舞姫や家臣たちを襲い、城を奪った異次元エイリアン・アクゾーンたち。

 逃げのびた家老(?)や家来らの家臣たちは、この世界に不時着した姫に瓜二つの城野エミを本物の姫だと思いこみ、一時は困惑するもののエミ自身も姫本人だと家臣たちに思わせて、エミ・矢的・家臣たちとともに城奪還へとむかう。


 当然すんなりと相互理解ができるはずもなく、夜間の竹林で突然現れた鎧武者(よろいむしゃ)が矢的を「悪霊!」呼ばわりして襲ってきたり、姫の知己と知って態度を改めても、些細な誤解や姫への無礼があると激高したりと、双方の時代と価値観のちがいから来るディスコミュニケーション描写もお約束とはいえ楽しい。

 勝手知ったる城とのことで、忍者屋敷のように石垣の石のひとつが秘密の入り口になっていて、地下通路から進入したり、地下牢に囚われた姫を救出したりと時代劇的な楽しみも味わえる。


 黄泉の国の人々は魂だけの存在であるために、アクゾーンが保持する魂を吸うという携帯型の光線銃や、東宝特撮に出てくる大型メーサー砲のような特殊な光線装置で照射されて吸収されても、死なずに閉じ込められているだけで済む。

 そのことが後味を悪くせずに、結末を付けられて好ましく(逆照射で復活する)、うまい趣向だ。


 矢的とエミだけは、この光線に吸収されないことがのちに判明し、彼ら自身にもナゾであったその生死までもが判明する。



 タイムトンネルの描写は、黒バックに赤い不定形な光が奥の方へと移動していくという描写だが、70年代の巨大ロボットもののテレビ特撮スーパーロボット マッハバロン』(74年)やテレビアニメ『タイムボカン』(74年)などに使用された当時のアナログコンピューターによる映像を合成したものだろうか。

 操縦席の搭乗者を写しつつ、画面(空間)がたわんだりゆがんだりする描写は、特撮班ではなく本編班の担当による原始的な手法なのだろうが、いかにもそれらしい効果が出ている。


 タイムトンネルを潜り抜けた先で、夜間の荒野に土砂を巻き上げながら戦闘機シルバーガルが不時着、滑走するシーンの特撮も凄い。

 (ラスト、現実世界では墜落・炎上したシルバーガルの残骸が描かれているので辻褄が合わないともいえるのだが、ある種の不条理感をねらったものだろう。SF的に考察すればその存在がふたつの世界に分岐したということか?)


 お城も実際には小さめなミニチュアを作って(?)手前に配して巨大に見せたり、城址跡などでロケして遠景として合成で配置しているだけなのだろうが、ラストの怪獣バトルなどでは特に雰囲気はよく出ている。



 ハード路線が多かったUGM編(13話「必殺! フォーメーション・ヤマト」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100725/p1)〜30話「砂漠に消えた友人」まで)も残すところ5話(UGMが登場しなくなるわけではないが)となり、毛色のちがう作品が出はじめていく。


 異次元人アクゾーンの軍団の衣装やそのアジトに、SF邦画『宇宙からのメッセージ』(78年・東映)や東映ヒーローものなどを思わせるSF時代劇的な風味を持ちこんで、ウルトラシリーズとしては異色な作品となっている。

 本放送時には個人的には批判的に観ていたような気もするが、今はこういうのもたまにはよいのではないかと思う


 (というのは再視聴ゆえの余裕を持って観ることのできる状況での意見であって、本放送時の視聴ではその作品がどうあるべきかについて厳しくなってしまう)。


 ただアクゾーンの組織が(異次元人だという以外は)説明不足なのは欠点とはいえないものの、個人的には不満が残る。


 アクゾーンの戦闘員たちは和装ではなく、オレンジの制服にアルミのような簡易な鎧をつけたスタイル。

 その仮面を取ると爬虫類ゾンビのような不気味な面であった。


 アクゾーンの技術系の博士のような副官は、時代劇の高位の僧が着用するような頭巾をのばした“法衣”を黒くしたようなものをまとった顔出しで、名脇役の幸田宗丸(こうだ・むねまる)が演じる。

 資料によると役名はゴイケ博士。

 幸田氏はあまたの時代劇の悪役や、円谷プロ作品やウルトラシリーズはじめ多数の特撮ジャンル作品にゲスト出演している。

 が、なんといってもスーパー戦隊シリーズ超電子バイオマン』(84年)の敵組織・新帝国ギアの首領ドクターマンこと正体は人間であった蔭山秀夫でのレギュラー出演の重厚な低音ボイスの演技だろう。

 『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93年)では打って変わって甲高いお公家さんの声を発して敵のゴーマ十五世を演じた。


 アクゾーンの首領メビーズを演じるのは、石山雄大(いしやま・ゆうだい)。

 やはり時代劇や刑事ものの悪役や刑事役で知られる名脇役で、顔の半分を爬虫類トカゲのようにして多数のツノを生やしたカブリものを着用して、時代劇チックな豪快な演技を披露する。


 対するにレジスタンスを展開する家臣の筆頭・藤原源九郎(ふじわら・げんくろう)を演じるのは、コミカルで愛嬌のある演技で定評のある梅津栄(うめづ・さかえ)。

 ウルトラシリーズでも、初代『ウルトラマン』(66年)13話「オイルSOS」や、『帰ってきたウルトラマン』(71年)33話「怪獣使いと少年」などに出演している。

 このあと、『ウルトラマン80』(80年)48話「死神山のスピードランナー」にも別の役で出演することになる。

 時代劇の小悪党役などでも有名だが、あまりに個性的なためかテレビ時代劇『必殺仕事人検戞83年)、『必殺仕事人后戞85年)ではコミックリリーフの広目屋の玉助としてレギュラー出演を果たしたことは世代人ならば承知だろう。


 キャスティングに関心のある御仁が見れば、豪華なゲスト出演者たちだ。



 書籍などで写真だけ見るとインパクトに欠ける貧相な痩せ細った黒い恐竜型怪獣のゲラだが、テレビで観てみると黒いからだにツヤがあって結構面白い。


 口から火を吐くと炎が地面に当たって這っていき(!)、走り寄る80が脚を止めても勢いでまだ地面をすべって止まらないところを、即座に80の周囲を火炎が環状に包んでしまったり、石垣の下のお堀には水を張っていたり、城壁と城壁の間からウルトラマンと怪獣の戦闘を窺ったりなど、特撮演出も凝っている。



 『ウルトラマン80』(80年)は全50話の作品であるため、回数的には前回の25話「美しきチャレンジャー」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101016/p1)でちょうど半分ではあるが、今回で2クールが終了のため(最近のテレビドラマは季首特番などで図式が崩れているが、むかしは3ヶ月=1クール=13回といわれていた)、半分終了という区切りとしての意味だろう(?)。

 エンディングのスタッフ名表記がいつもとは異なる巻き上げ式(下から上へと字幕が上がっていく)となり、助監督や撮影・照明などの各スタッフがチーフのみならずセカンドやサードも表示されるなど平常より細かく記されている。

 (それでも漏れているスタッフも多数いるのだろうが……)



 今回でUGMのハラダとタジマ両隊員は降板。


 次回27話「白い悪魔の恐怖」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101030/p1

)からは新しいレギュラー隊員が転勤してくるが、ハラダらがどうなったのかは一切ふれられていない(いなくなったということさえも)。


 たしかに個性の確立したキャラクターとはいえなかったが、視聴者にとって半年間なじんでいたキャラクターであり、彼らがいたからこその雰囲気も構成もあった。

 活躍する余地さえない回が降板回で、戦闘機シルバーガルの墜落現場で矢的とエミの生存を知った(彼らにはタイムスリップは実際に起こったこととは思えず、現実世界での経過時間が1時間未満であったこともあり事故だと判断していた)のが最後の出番では悲しすぎる。



影武者とは武将の替え玉のことだが、エミが姫の影武者のような存在になることも掛けており、同年1980年に公開された世界の黒沢明監督の超大作映画『影武者』にもあやかったものだろう。


タイムリープした先は戦国時代であり、なおかつその時代の幽界であると考えるのだがいかがだろう?

 『ウルトラマンタロウ』(73年)1話「ウルトラの母は太陽のように」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1

)で、戦闘機が撃墜されて死亡した主人公・東光太郎(ひがし・こうたろう)が生死の狭間をさまよっている異世界に、ウルトラ5兄弟が救出に来てウルトラ一族の故郷・M78星雲に運ぶのだが、あれもウルトラ5兄弟が現世と霊界の狭間の幽界にまで進出できる神秘なる超常能力を誇る存在であると考えれば、説明はつく。

 (巨人族であるウルトラ兄弟と東光太郎が同一サイズである点も、ウルトラ兄弟がその特殊能力で等身大化しているのか、東光太郎がその肉体ではなく霊的身体である幽体がM78星雲に運ばれたと考えれば、説明はつく……かもしれない)


◎姫が祈りで“救世主”を待望していたとあるが、80年代のオカルトハルマゲドンもの・SFもので多用されるユダヤキリスト教の“救世主”という用語は、1980年の段階でのジャンル作品での使用はまだ珍しい。せいぜいSF小説『幻魔大戦』(79年)シリーズでの積極的使用がはじまったばかりのころだろう。


(了)

(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評8「ウルトラマン80全話評」より分載抜粋)



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