メルマガやら映画やらライブやら

朝からウチで、「本のメルマガ」連載「全点報告 この店で買った本」の最終回を書く。今回は買った本のリストはなしで、これまでの連載のまとめ。ぜんぶのプリントアウトは300枚近くもあり、一通り見返すだけでも2時間ぐらいかかった。もう配信されたので、本の冊数、金額の部分だけ、転載する。

 計算機片手に、買った本(月刊以上の雑誌やコミックを含む)の冊数を計算してみた。
2000年(4月以降)は、589冊。
2001年は、720冊。
2002年は、663冊。
2003年は、585冊。
2004年は、585冊(ナゼか前年と同じ冊数だ)。
2005年(4月まで)は、164冊。
その合計は、3306冊となった。毎月の平均は54冊だった。

 まあ、やっぱり尋常な買い方じゃナイね。いちばん多かったのは、2000年12月で98冊も買っている。
 金額の合計も出そうと思ったけど、ものすごく時間がかかるのと、足していると「このカネを貯金していれば……」と暗くなること必定なので、数回分の合計を平均してみた。すると、7万円だった。
 念のため云っておくと、このナカには、資料として購入(経費で落ちる)した本も含まれる。だいたい月に3、4冊、1万円ぐらいはそうだろう。だから、身銭で買ったのは毎月50冊、6万円というアタリか。


原稿には書かなかったけど、コレだけたくさん買った本の半分以上は、すでに手元にない。その行方は、読んですぐ売ったもの、読まずに処分したもの、実家に送ったものに分かれるが、いずれもウチを通過してどこかに流れていった。むなしい気もするが、一瞬でも手元にとどめたことの満足感もある。


昼飯は焼きそば。ビデオでサミュエル・フラー《ホワイト・ドッグ 魔犬》(1981、米)を見る。こりゃ、傑作。差別主義者に黒人を襲うよう育てられた犬(「ホワイト・ドッグ」と呼ばれる)が主人公なのだが、こいつがヒトを襲うときの様子はただごとじゃない。迫真でありながら、人を傷つけない「演技」として仕込むためには、いったいどんな過程を経るのか。それを考えると、ホワイト・ドッグを必死で再教育しようとする黒人トレーナーが、この映画のつくられかたにダブって見える。ラストの救いのなさもいい。


7時前に出て、高円寺へ。電車のナカで、高田里惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書)を読み進む。この本に出てくる原口統三『二十歳のエチュード』が、ちょうど同じ頃に、ちくま文庫で出ているので、この際読んでおこうと、〈高円寺文庫センター〉で買う。この本の初版は、1947年に前田出版社から出ている。編集者は、のちに書肆ユリイカを興す伊達得夫である。


〈円盤〉に行く。今日は桂牧さんのワンマンライブ。ドアを開けると、桂さんとオーナーの田口さんしかいなかった。これじゃ、演るほうも見るほうもワンマンだ。そのあと、『ぐるり』の五十嵐さんがやってくる。一緒にHさんも。元気でやっているそうで、なにより。ライブは10曲ぐらいだったか。いつもの曲もイイけど、キンクスの「ウォータールー・サンセット」とブライアン・ウィルソンの「ウィンド・チャイム(風鈴)」を日本語の歌詞でカバーしたのがヨカッタ。リクエストでは昔つくった曲も披露。アルバム[牧]では植物的な世界を描いたダウナーな感じだったが、今日やったみたいにアッパーな、ロックな曲もどんどんやってほしい。


終ってから、4人で南口の〈大将〉へ。高田渡さんのハナシやmixiのコトなど、あれこれ。こないだ〈コクテイル書房〉で荻原魚雷さんが、ぼくの『ぐるり』の連載を褒めてくれていたという。五十嵐さん一人がいうなら信用できない(編集者は持ち上げるのが仕事ですから)が、その場に同席していたというHさんも証言していたので、ホントだろう。音楽について書くのは初めてで、どう読まれているか気になっていたので、魚雷さんの言は素直にウレシイし、はげみになる。


もっと飲んでいたかったが、12時に出て、ウチに帰る。アメリカに行った旬公から連絡がなく、心配していたが、日記(http://d.hatena.ne.jp/halohalo7676/)を見ると、無事にホームステイ先に着いたようだ。よかった。なんか日本語入力できないらしいので、どなたか助けてあげてください(他力本願)。漫画屋から『コミックMate』8月号が届く。次号から隔月刊になるそうだ。塩山さんの「嫌われ者の記」で、セドローくんのコトが。「楽しい兄ちゃん。近く単行本が何冊も出ると。ひょっとして、南陀楼綾繁より売れっコに?(両名はホモ的友情で結ばれてるが、ケンカ別れする際は、古本をめぐる、ほんの数百円単位のセコネタで頼む)」と。もうすでに、あっちの方が売れっコですヨ。「ホモ的友情」って体型が似てるだけで、ソコまで云うか!


そのあと、ホモの映画……ではなく、1970年代末から80年代にかけてのポルノ映画産業を舞台に、巨根の少年が活躍するポール・トーマス・アンダーソン監督《ブギーナイツ》(1997、米)を観る。オモシロイとは聞いていたが、キャストも映像も最高にいい。馬鹿馬鹿しくて、やがて哀しくなりにけり、という気分がたっぷり。DVDで観ていたのだが、途中で映像が乱れ始める。安いハードを買ったセイか、レンタルだとときどきこうなるのだ。こんなにオモシロいのに途中でやめられるかと、パソコンに外付けのDVDをつないで、モニターで最後まで観る。いずれもう一度観よう。