鋼の錬金術師 ロス少尉焼殺に関する考察 前書き
ガンガン本誌の展開に関して、少し考察を。いや、考察と言うより、むしろ情報整理。
お判りかとは思いますが、本誌7月号(36話)までの原作についてネタバレ全開。伏字なし。
この件に関しては、先月号発売以降、あちこちで散々議論されていますし、殆どはおそらく既出な話ではないだろうかと思うのですが、あくまで、他の方の意見も参考にしつつ、私が整理し考察したものと考えていただければ嬉しいです。(他の方の意見で初めて気付いた点については明記してあります)
それでは前置きが長くなりました。よろしければどうぞ。
利益
さて、マスタング氏がロス少尉を殺したとして、得られる利益は何か。
まず、親友の仇を討ったという充足感、そして、上層部への点数稼ぎ(36話でダグラス氏の台詞に「点数稼ぎにしては張り切りすぎ」とある)。
しかし、ロス少尉を生かして捕らえた場合、ヒューズ殺害実行犯の身柄を確保し、そこから事件の背後関係を調べることが出来ます。また、彼女の身柄そのものが上層部へ喰らい付くための足がかりにさえなりうるのでは。
そして今回の場合、ロス少尉を殺したと見せかけて実際は生かして捕らえておく事が最もマスタング氏の利益になると思われるのです。
もちろん、マスタング氏がロス少尉の無実を信じているなら、殺す理由はますます無いわけです。
方法
上記の考察をふまえ、実際どのような方法で入れ替わりを実行したかですが。
ここで35話、ヒューズ殺害を伝える新聞の裏に工場火災らしき記事があります。(この新聞記事の件は、自分では気付けなかったのですが某掲示板にて考察されている方が言及されていらっしゃったので)ここから死体を調達したのではないかと推察されます。
ただ、36話で歯の治療痕からあの焼死体がロス少尉と断定されました。カルテの改ざんという方法もありますが、全く誰かも判らない死体の歯の治療痕など知る方法などありません。(時間的に死体の歯型など調べてカルテをでっち上げるのは無理そう)
あの死体はたまたま起きた火災における身元不明の被害者ではなく、大佐と敵対する誰かかも知れません。
素直に考えるなら、あの監察医はマスタング氏の知り合いのようですし、(「大佐」という階級ではなく「マスタングさん」と呼んでいた)示し合わせて判別不明の焼死体を「マリア・ロスと断定した」可能性のほうが高いと思われますが。
死亡説
さて、今までは生存説を基に考察を続けたのですが、死亡説をとるとどうなるか。
まずロス少尉の目の前にいた大佐が別人という可能性、これは今回のエンヴィーとラストの会話からありえないと判断しました。
次に挙がってくるのがホークアイ中尉がマスタング氏を裏切っているという説。34話のスコープの謎もありますし、この可能性はあると思われます(個人的にはあってほしくは無いのですが)しかしこの場合、中尉はラスト・エンヴィー組のスパイではない事は明らかです。とすると、守るべき人が誰なのか、これが今後の鍵になりそうです。
あと、マスタング氏が本物の無能だった、作者様がこれまで思わせぶりに書いてきたもろもろの台詞は全て読者をミスリードする為のものだった……等々考え始めればきりがないのではありますが。
伏線
伏線と思われる描写をまとめてみました。
- 66の台詞
- 「斬っちゃいけねぇ」、逃走経路の指示、「予定外だ」など。大佐の指示で動いている?
- 認識票(タグ)
- 本誌6月号219ページのみ上下逆になっている。
- 新聞記事
- 焼死体の調達先?
- 「あれでは誰だかわからん……」
- こんな台詞がある場合、死体は別人のものである事が多い。
- 「生前焼けか死後焼けか……」
- 同上。
- 歯の治療痕
- それだけで本人と断定、細工の余地あり?
- 「休暇を取ったら〜」
- 大佐の手、少佐の表情が意味ありげ。続けての「東部」「美人」は何かの符丁?
まとめ
長々と語ってまいりました。が。結論として、現時点でのロス少尉生死は不明。個人的には生存に一票。
コミックス収録も、一巻に四話づつ収録するとして第9巻は37話まで収録される予定ですので、来月生存が判明すれば背表紙的にも問題なし、と考えます。
異論反論大歓迎。6月10日初稿。6月15日伏線まとめ追加。