オリエンテーション 2004.10.17

Salk Institute

アメリカ、カリフォルニアにあるソーク研究所の中庭です。中央の水路の先に太陽が沈みます。日没の位置は毎日少しづつ動くので、正確に水路と日没点が一致するのは年に2回、春分秋分です。大平洋に向かってのびる1本の水路が太陽の沈む位置を指し示すという感動的な舞台設定ですね。
水路はこの施設全体の軸線です。水路をはさんで北棟と南棟が正対しています。建物の配置計画は水路に重ねられた1本の東西軸によって決定されているわけですね。
ソーク研究所が計画された当時は敷地の周囲に何もなかったようです。海に面した高台の敷地は延々と続く荒野だったんですね。そんなところに建物を配置する手がかりを一体どのようにして見つければいいか。難しいところですね。
設計者であるルイス・カーンは方位と太陽の運行を結びつけ、建物全体の配置を決定づける軸線というかたちで取り出したわけです。すばらしく建築の本質にひびくアイディアです。