『地獄に堕ちたシェイクスピア』について


<あらすじ>
自らをシェイクスピアと名乗るオッサンが、町のパン助集団に
袋だたきにされ、迷い込んだのは虚構でも現実でもない世界だった! 
現代と第二次大戦が交錯し、もんぺガールズ達が歌い踊る!
あなたの煩悩を直撃する、人情悲喜劇オペレッタ!!!
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『地獄に堕ちたシェイクスピア』プロダクションノート 制作部 近藤結(ちぇん)

【大誤算から始まった企画】
 始まりは、間野ハヤトの長編シナリオ『エロマクベス』だった。「最近の映画にエネルギーを感じない。何か爆発的な事を!」という勢いで書かれた荒唐無稽な話だ。
 役者を重視する間野は芝居を見まくり、多くの役者と会い出演を依頼する日々を重ねた。そして、同世代で唯一「熱い」と感じた役者、松浦祐也がエロマクベス役に決定。他30人以上の役者、スタッフが集まり『エロマクベス』は始動する。
 しかしキャストの多さに予定がたたず、あえなく撮影中止に。その後間野は規模を縮小しながら、模索し続ける。
間野を救ったのはアルバイト先での藤森和夫との出会いだった。藤森の人間性に惚れ、当初リア王役だった彼を主演に構想を練り始める。そこから生まれたのが『地獄に堕ちたシェイクスピア』の前身『オペレッタ』だった。

【万華鏡の住人達との現場づくり】
 この作品には驚くほど個性的な役者が揃っている。昭和少女的おかっぱ、足りない前歯の微笑み、レトロなファッション、美しい上向きの鼻、スカートと足、燃えたぎる目など、役者の中の監督の愛してやまない部分に注目。
間野が「人柄で選んだ」と言う役者陣。それはほぼ「即興」という過酷な条件下で、緊張感を維持し、演じる姿を目の当たりにした時に理解できた。現場での思いつきやアクシデントに役者の個性がぶつかり、数々の突拍子もないシーンが生まれた。セックスシーンでの軍歌、タップする道化、自転車泥棒など書ききれない。

【サーカス集団(スタッフ)】
「全員で創る」、間野の言葉通り、現場ではスタッフの思いつきと遊び心が混じり、この作品の幅を広げた。
ジュリエットの印象的な赤いリボン、もんぺ服は衣装の横田。あどけない顔を魔性の女に変えた、メイク成田。「好きに撮っていい」という間野の言葉を受け、自由にカメラを回した『魔眼』伊藤。作品の完成度は音響の梅津の確かな力により格段に上がった。

 
誰がこの作品の出来上がりを予想できただろう?これを解説できる者はいるだろうか?何度見ても納得する答えは出てこない。それはきっと見つからないのだ。ただ、この世界に一度触れていただきたい。難しいことは考えないで頭をカラにして浸かってみてほしい。きっと何かが音を立てて崩れるだろう。






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