ジゴキシンはジギタリスが生合成するステロイド配糖体であり,うっ血性心不全に対する薬理作用を有する.
細胞膜に存在するNa+,K+-ATPaseを阻害することによって細胞内Na+濃度の上昇をもたらす. Na+を細胞外へ排出するための代替的経路としてNa+-Ca2+-交換体が活性化されることにより,心筋細胞内Ca2+濃度を増加させ,心筋の収縮力の増加,心拍数の減少,及び心筋における神経興奮伝導速度の低下を引き起こす.
こんばんは。現役救急医です。救急科にいると急性中毒患者を診療する機会も多いのですが、元々医師から処方された薬剤(睡眠薬, 抗うつ薬など。なお近年は三・四環系抗うつ薬中毒は稀)や, 市販薬による中毒が多いです。以前、研修医向け勉強会か何かでジゴキシン中毒について学んだ記憶があるのですが、私自身、過去に1名程度しか経験したことがありません。そこで、後学の為にも、色々調べて出てきた文献をまとめてみようと思います。今回の文献は、中毒への体外的治療法(ECTRs; extracorporeal treatments; 『血液浄化療法』とも)の使用に関する推奨を提示している国際的な専門家集団'EXTRIP…
心不全に処方してはいけない薬剤の各論として下記処方が、本来心機能回復目的としての投薬でありますが、有害な作用を引き起こす薬剤です。とりわけ私見ですが、 非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬であるジルチアゼム塩酸塩、ベラパミル塩酸塩などは漫然として使用されている場合あり、注意が必要です。また、ジゴキシンは 有効血中濃度が狭く有効域下限くらいで使うのが適切とされています。 You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より https://www.youtube.com/channel/UCMkHB9UwsqYXdxEAij9yD4Q #高齢者心不全 #心不全患者に投薬してはいけない薬剤…
全身性強皮症(SSc)の臓器病変としては、肺(間質性肺炎)、腸(SIBO: 小腸内細菌増殖症)が代表例。ただ心病変もそこそこの頻度で見られる。ただ心病変は案外多い割には注目されにくい。 理由としては 病態がとにかく多彩 進行例でない限りわからないことが多い→早期スクリーニング考慮 治療法が基本的に従来の循環器的治療が中心 といった点が挙げられる。 一方で 致死的で難治例が多い β-blocker等通常の心疾患で使用される薬剤が使いにくい 免疫抑制療法の適応は不明で、逆説的に心毒性を持つものが多い といった点で注意が必要。 【疫学】 【病態】 【検査】 【心臓症状】 【アプローチ】
キース・ベロニーズ[渡辺正訳] (2024年3月10日刊行、化学同人、京都, viii+279 pp., 本体価格2,600円, ISBN: 978-4-7598-2357-8 → 版元ページ)【目次】 序章 創薬のいま 1 1章 ペニシリン──元祖・抗生物質 25 2章 キニーネ──熱帯林の贈り物 43 3章 アスピリン──ヤナギの恵み 57 4章 リチウム──心に響く金属イオン 75 5章 イプロニアジド──10年限りの波乱万丈 87 6章 ジゴキシン──ゴッホも被害者? 95 7章 クロルジアゼポキシド──落ち着きなさい 111 8章 亜酸化窒素──しびれる笑い 121 9章 窒素マスタ…
仕事や勉強、家族や友達、ストレスでどうしても気持ちが沈んでしまう事って誰にでもありますよね。やる気がおきない、気持ちが落ち着かなくて不安になったり、眠れなくなったり。日照時間が短い季節になんだか物悲しくなることも。更年期障害では、不安になったりイライラ落ち着かない症状を感じる方も多くいます。 今回は心を晴れやかにするハーブ、「セントジョンズワート」を紹介します。 セントジョンズワートとは セントジョンズワートの効能 医薬品との併用は注意が必要 セントジョンズワートのハーブティー ジャーマンカモミールとのブレンド リンデンとのブレンド 日々気持ちよく過ごすために セントジョンズワートとは 学名:…
①地球温暖化の防止に関する国際的な取り組みはどれか 1.モントリオール議定書 2.京都議定書 3.ロンドン条約 4.バーゼル条約 5.ストックホルム条約 答えはここをクリック 2.京都議定書②2本鎖DNAにおいて、一対のグアニンとシトシンの間に形成される水素結合の数はいくつか 1.1本 2.2本 3.3本 4.4本 5.5本 答えはここをクリック 3.3本③代謝の自己誘導があるTDM対象薬物はどれか 1.フェノバルビタール 2.タクロリムス 3.ジゴキシン 4.バンコマイシン 5.フェニトイン 答えはここをクリック 1.フェノバルビタール④バンコマイシンの抗菌作用の機序はどれか 1.DNAジャ…
選択肢を全部自分から言えるようになる ・βB ○オノアクトdrip 短い時間で調整が可能 ○カルベジロール内服 ○ビソノテープ貼付 はがせば作用時間短くて済む ・CCB ○ジルチアゼム(ヘルベッサーⓇ) ○ベラパミル(ワソランⓇ) ○アミオダロン ○ジゴキシン HR Bp/CO Rhythm control βB ↓ ↘ CCB ベラパミル ジルチアゼム ↓↓ ↓ ↓ アミオダロン ↘ → 〇 ジゴキシン ↘ ↑ 唯一この中でCOあげる →頻脈で血圧下がって困る人に使う Rate control(脈を遅く) vs rhythm control(Afib→NSR) ○新規Afibで洞調律にもどっ…
[EFSA]意見 食品中のミネラルオイル炭化水素類のリスク評価の更新 Update of the risk assessment of mineral oil hydrocarbons in food EFSA Journal 2023;21(9):8215 13 September 2023 https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8215 (科学的意見) ミネラルオイル炭化水素類(MOH)は、飽和炭化水素類(MOSH)と芳香族炭化水素類(MOAH)からなる。MOH組成の複雑さにより、その完全な化学的キャラクタリゼーションは不可能である。M…
当院の有名な言葉として「いつも心に薬と結核」という言葉があります。病気を見たらまずは薬と結核が悪さをしてないかを考えます。 上司はいつも「高齢者の体調不良を見たら薬のせいと思え」と言います。do no harmがないようにまずは考えます。 高齢者の入院の10人に1人は薬のせいと言われています。(Eur J Clin Pharmacol. 2017 Jun;73(6):759-770.) ということで今回はBeers criteria(高齢者に不適切な薬物を減らすために公表されている)が更新されてみたので、まとめてみましょう。 https://doi.org/10.1111/jgs.18372 …