ジゴキシンはジギタリスが生合成するステロイド配糖体であり,うっ血性心不全に対する薬理作用を有する.
細胞膜に存在するNa+,K+-ATPaseを阻害することによって細胞内Na+濃度の上昇をもたらす. Na+を細胞外へ排出するための代替的経路としてNa+-Ca2+-交換体が活性化されることにより,心筋細胞内Ca2+濃度を増加させ,心筋の収縮力の増加,心拍数の減少,及び心筋における神経興奮伝導速度の低下を引き起こす.
こんばんは。現役救急医です。救急科にいると急性中毒患者を診療する機会も多いのですが、元々医師から処方された薬剤(睡眠薬, 抗うつ薬など。なお近年は三・四環系抗うつ薬中毒は稀)や, 市販薬による中毒が多いです。以前、研修医向け勉強会か何かでジゴキシン中毒について学んだ記憶があるのですが、私自身、過去に1名程度しか経験したことがありません。そこで、後学の為にも、色々調べて出てきた文献をまとめてみようと思います。今回の文献は、中毒への体外的治療法(ECTRs; extracorporeal treatments; 『血液浄化療法』とも)の使用に関する推奨を提示している国際的な専門家集団'EXTRIP…