バーリントの街の空気は少し乾燥し、唇のかさつきがそれを感じさせていた。季節は夏から秋へ変わり、朝晩は長袖一枚では少し心もとないくらいだ。夏の暑さにうだっていた時は、“早く涼しくなってくれ”と願っていたのに、今ではあのジリジリとコンクリートを焼き付ける太陽がほんの少し恋しくなってきた。 街中にタバコ屋を営むモジャモジャ頭の店主は、もうそんな季節かと、その一際目立つ頭をポリポリと搔きながら、目の前のピンク髪の女の子をに視線を移した。「ほら、もじゃもじゃにもしょーたいじょーつくってやった!」「招待状ねぇ」 渡された招待状には場所や日時の他に、仮装してくること、お菓子を沢山持ってくるなどの必要事項が書…