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メスマー

(サイエンス)
めすまあ

Franz Anton Mesmer 〔フランツ・アントン・メスマー〕オーストリアのスワビア生まれの医者、1733〜1815。
1750年代にウィーン大学で医学を修了。同地で開業する。
1774年に同棲中のヒステリー勝ちな女性に磁石で“お悪戯”をした所、彼女が静まったことから、磁石治療に目覚める。(但しこの頃、血抜き治療だとか、磁石治療それ自体は珍しいものでも何でもなく、極々日常的に行われる治療法だった。メスマーのこれと異なる所は、鉱物磁気のためではなく、人間のもつ生体エネルギーが磁石の先から迸ったのだ、とした点。これによって「動物磁気」なる発想が生まれた次第。)
1776年には『惑星の人体への影響』などとマルシリオ・フィチーノやコルネリウス・アグリッパのような宇宙観を提出し、1778年にはパリで開業し、その「メスメリズム」(=催眠法)で一世を風靡した。
そのためのバッシングか、1784年にはフランスの王立調査委員会が、「動物磁気は物理的に検証できず、そんなものの治療効果など疑わしい」と断定。2006年1月中旬の“ライブドア・ショック”のように急速に減衰した。
1785年にはついにパリも去り、オーストリアやフランスを転々とした後、故郷;スワビアに戻って孤独な人生を閉じた。
ただメスマー個人は惨め極まりない末路を辿ったが、デュポテ男爵の「魔法の鏡」はこの現象に発想を得たものであるし、オーギュスト・アンブロア・リエボーとイポリット・べルネームなど「ナンシー学派」の精神医学やフロイトにしてもメスマー経由の催眠術を復興させており、エリファス・レヴィ(1810〜1875)の分析に明らかなように、スウェーデンボリの超自然との交流を万人に可能ならしめたのは、磁石や電池を活用した「メスメリン」の功績が大きく、近代オカルティズムはこの二者によって成立している。

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