1571年、キプロスの陥落後にレパント沖で行われた海戦。
オスマン帝国海軍とキリスト教国連合艦隊(スペイン、ヴェネツィア、教皇など)との間で戦われた。 オスマン側が大敗を喫し、一時的に地中海の制海権を喪失している。欧州史の中心が地中海から大西洋へと転換していく時期のイベントの一つ。
レパントの海戦を描いたフレスコ画。 オスマン帝国と、教皇領・スペイン軍・ヴェネチア共和国連合軍との戦い。 西ヨーロッパ史において、大海戦でのオスマン帝国に対する勝利であった。 レパントの海戦 - Wikipedia もう一度ドゥカーレ宮殿を外から見てみよう。 絢爛豪華な宮殿と隣接して牢獄がある。 牢獄 Prigioni この牢獄へ行くのに、囚人がため息をつきながら歩いたという。 そこから命名された「ため息の橋」Ponte dei Sospiri ため息橋からの眺めが、投獄前に見られるヴェネツィアの最後の景色であった。 ため息橋 - Wikipedia 当時の囚人の気持ちに思いをはせる。 dポイ…
はじめに 今年の国立大学の入試問題を解答し、次年度の受験生のヒントにしたいと考えます。 今回は名古屋大学です。文学部、情報学部文系のみの設定です。古代ギリシア史でたまに奇問が出題され(理由はお察しの通り)、しばしば『絶対に解けない受験世界史』で批判を受けます。東アジア史や中央ユーラシアの問題も出題ミスや「詰めの粗さ」は目立ちますが、内容が悪い訳ではありません。 新版出ました。 絶対に解けない受験世界史4: 悪問・難問・奇問・出題ミス集 作者:稲田義智 パブリブ Amazon 解答例は正解ではありません。著作権はぶんぶんにあります。 解答例作成の方針と凡例 問題 受験生と同じく何も見ないで解答す…
みなさん、こんばんは。くにんです。 3月に入りました。 まだ寒さが残る日もありますが、これからどんどんと暖かい日が増えていくんでしょうね。 冬から春にかけての天候を「三寒四温」と表現したりします。日によって寒暖の差が激しい季節です。これまでは「防寒対策をばっちりして出勤」の一択だったので考えなくて良かったのですが、この季節は毎日天気予報を見て出勤時の服装を調整しないといけないので、若干面倒です。(#^.^#) さて、今回は約490編のマイルストーンです。いつもの通り、肩の力を抜いた閑話です。(#^.^#) まずは、御礼を。 いつも長編物語「月の砂漠のかぐや姫」や短編・掌編小説等の創作物をお読み…
何度も読んでいる良書。 話の運びも巧いし、記述も明快で分かりやすい。 「海賊」と「海軍」が紙一重、あるいは表裏一体。 というのが、この本のコンセプトだろうか。 ヘロドトスは海賊を英雄とした。 だが、キケロは「人類の敵」とした。 レパントの海戦(スペインvs.オスマン)では、海賊が戦闘の主役を担った。 カリブ海のバッカニア海賊が大英帝国のカリブ政策を支え、19世紀には、地中海の海賊は、欧米の覇権主義で滅び、アフリカ諸国が「植民地化」されていく。 キリスト教vs.イスラーム、「力」と「正義」。 目まぐるしく動く海賊の世界史(西洋史)を巧みに記述する。 海賊の世界史 古代ギリシアから大航海時代、現代…
爆笑① 第一次世界大戦に負けたドイツは莫大な賠償金を請求された(ヴェルサイユ条約)。その額、今日の日本円に直すと1人当たり3000万円だ!家族がいたら一家で1億円はいくだろう。バカなのはフランスである。こんな金額を請求されたら誰だってヤケになるに違いない。結果、ヒトラ〜が国民投票で選ばれ、そのヒトラ〜がベェルサイユ条約を無視して借金を踏み倒した。 爆笑② スペインはアステカ王国かインカ帝国を滅ぼした際に、なんと、いちゃもんをつけて今日の50億円を払わせたそうだ。 むちゃくちゃである。 ちなみに、50億円を払わせておいてその後、殺した。 火炙りか何かで。 爆笑③ 今の中国🇨🇳、当時の清は「日清戦…
はじめに 文科省の入試改革を受けて、私立大学の世界史入試問題にどのような変化が生じているかを検証するシリーズ、今回は近畿大学です。 延べ受験者数日本一の近畿大学の世界史はかつてはひたすら客観式の一問一答でしたが、ここ数年は変化が見られます。 今回はぶんぶんが近畿大学の2023年度の入試問題全320問を解答し、合格に必要な心構えを解説します。 2024年度入試直前の更新なので、お急ぎの人は3から読んでください。 問題はこちら。「近パス」に登録必要(無料)。三年×8日分 kindai.jp ちなみに理事長は1月現在こんな感じ。毎日新聞。大学のブランドに影響しないか心配してます。近畿大学教職員組合の…
難関私立大学になればなるほど出題される文化史のうちよく出題されるキリスト教の歴史、今回は教皇権の衰退、異端、キリスト教文化についてまとめます。 共通テストは「史資料を使う」という強迫観念に駆られている(その割には読解よりもヒントの拾い読みだったりする)ためヨーロッパ史偏重になりがち、中世だと教会や封建領主の文書が多いのでその背景知識にしてください。 参考文献は初回参照。画像は断りがなければパブリックドメインのものです。過去回のリングは末尾にあります。 今回直接参考にしたもの 文献一覧が親切です。 中世の異端者たち (世界史リブレット) 作者:甚野 尚志 山川出版社 Amazon これも便利 西…
物語形式で各国の歴史を概観する中公文庫のシリーズは、読みやすくて重宝しています。先に『物語スペインの歴史 人物篇』を読んだ際に本編が未読であったことに気付いて、急ぎ読んでみました。8世紀のスペイン・ウマイヤ朝成立から、15世紀に完了するレコンキスタ、その後の植民地時代を経て18世紀初頭にスペイン・ハプスブルク朝が終焉を迎えるまでが中心です、 「第1章 スペイン・イスラムの誕生」 西ローマ帝国が滅亡する前からイベリア半島を実質支配していたのは西ゴート族でした。しかし8世紀に王位継承を巡って混乱に陥った際に、既に北アフリカまで進出していたイスラム勢力がジブラルタルから上陸してきます。キリスト教国は…
『物語スペインの歴史』の姉妹編です・・と書き始めて、本編が未読であったことに気付きました。そちらも読んでおかないといけませんね。ともあれ本書では、ほとんど戦争に関わる本史では欠落してしまった、「スペインの大地に花開いた中世以来の芳醇な文化の薫り」を伝えるべく、各時代の文化を代表する人物が紹介されています。6人に絞り込むことが至難の作業であったことは、想像に難くありません。 「騎士エル・シド」 スペイン・ウマイヤ朝が崩壊して30ものイスラム小王国に分裂した11世紀のスペインで、レコンキスタが本格化していきます。その時代に活躍して吟遊詩人の歌や叙事詩に名を遺す騎士「エル・シド」は、実在した人物です…
自分でいうのもなんだけど、正気を疑うほどのジェットコースター振り?
オルハン・パムクの『わたしの名は紅』を読んだ。 レパントの海戦に敗れたあとのオスマン帝国。細密画師たちは、ヴェネツィアからもたらされた西洋画の技法との接近に、葛藤する。それに接近して肖像画を描くことは、偶像を描いて信仰を曇らせることであるか。凡庸な市民や雑種犬さえ主題にする西洋の潮流は、アラーの栄光を描くほまれを曲げてまで従う価値のあるものか。絵画の技術的欠点のことを個性と言い換えて名声をあつめることは、欠点ひとつなく描いて伝統を守ることよりも栄誉あることか。目に見えるものを見ることは、暗闇のなかで見るよりも明らかであるといえるか。アラーはどのように見たか。アラーはなにを見せなかったか。 断章…
スペイン語由来の語句・成句。
Ⅰ.イタリア=ルネサンス Ⅱ.各国のルネサンス Ⅲ.ルネサンス期の技術・科学 はい、どうもです。 ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。 今回は「ルネサンス文化」編です。それでは見ていきましょう。 Ⅰ.イタリア=ルネサンス (1)発生の背景 ①東方貿易を通じてイタリアに富の蓄積→大商人らによる文芸活動の保護を可能にする ②イタリアの政治的分裂→思想・芸術活動の自由の可能とする ③ビザンツ帝国の衰退に従って古典学者(ギリシア文化などに精通した人)が、イタリアに流入し文化的な刺激を与える→古代ギリシアやローマの文化を模範とする ④特色:ヒューマニズム(人文主義)…
2023年7月 ベネチア この日のおおまかな予定 ホテル ↓ 駅 ↓電車 ベネチア ↓ ホテルにスーツケースを置く ↓ フェリー(ヴァポレット)乗り場 ↓ヴァポレット サン・マルコ広場 ↓ ドゥカーレ宮殿 ↓ 休憩・昼食 ↓ ホテル いよいよ今日は、水の都ベネチアへ向かう 2001年の夏、ヴェローナまでは来たが、ベネチアには行かなかった。 今思えばバカなことだが その頃は観光よりカルチョを見る方が大事だったのだ。 スケジュールも弾丸で、ミラノとブレシャとヴェローナしか行かなかった。 なんてもったいない。 そのため今回だけはどうしてもヴェネツィアを肉眼で目にしたかったのだ。 ホテルを早朝に出る …
みなさん、こんばんは。くにんです。 湿度と気温が高い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 僕は、晴れている日は日傘を使い始めました。 さて、今回は約460編のマイルストーンです。いつもの通り、肩の力を抜いた閑話です。(#^.^#) まずは、御礼を。 いつも長編物語「月の砂漠のかぐや姫」や短編・掌編小説等の創作物をお読みいただき、誠にありがとうございます! 現在、「月の砂漠のかぐや姫」は、第2幕の終盤を進んでいます。どうしても台詞や状況説明が多くなってしまう場面が続き、話があまり進んでおりません・・・・・・。ただ、第2幕の終わりまでは明確に道筋が見えているので、後は羽磋たちと共にそ…
マルタ騎士団 英語領土ローマ エルサレム、ロードス及びマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会[1] Sovrano Militare Ordine Ospedaliero di San Giovanni di Gerusalemme di Rhodi e di Malta (国旗) (国章) 国の標語:Tuitio Fidei et Obsequium Pauperum(ラテン語)(和訳例)「救貧と信仰の守護者」[1] 国歌:Ave Crux Alba(ラテン語) 公用語 イタリア語 首都 イタリア ローマ コンドッティ通り68[1](マルタ宮殿) 最大の都市 なし 政府 総長(英語版)…