Wieland Kuijken (1938-)
ブリュッセル近郊に生まれ、ブリュージュとブリュッセルの音楽院でチェロを学ぶ。18歳から独学でヴィオラ・ダ・ガンバを習得。兄弟であるシギスヴァルト・クイケン、バルトルド・クイケンの他、グスタフ・レオンハルト、フランス・ブリュッヘン、アルフレッド・デラーら巨匠と世界各地で演奏を行っている。
今週は先日投稿したカール・フリードリヒ・アーベルの生誕300年を記念して、彼の音盤・作品紹介とさせていただきます。 以前のブログで投稿した通り、彼はヴィオラ・ダ・ガンバ(イタリア語で、ドイツ語ではガンベ=Gambeとなるそうです)奏者として活躍をしておりました。 rochade.hatenablog.com 下はヴィオラ・ダ・ガンバと写るアーベルの肖像画 しかし、彼の時代はバロック時代が終焉となり、前古典派といわれる時代になっており、そのヴィオラ・ダ・ガンバという楽器廃れていく時期とも重なり、アーベルは最後のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者と言えるかも知れません(ある意味、絶滅危惧種のような存在だった…
【Samurai Baroque Project】 記念すべき始動‼ Vol.01『テレマンの宴』 出演者ご紹介 Flauto dolce 伊藤 粒太 Violino&Viola 廣海 史帆 Viola da gamba 藍原 ゆき Liuto 佐藤亜紀子 Samurai Baroque Project Vol.01 『テレマンの宴』出演者紹介 Samurai Baroque Projectの主宰者 縦笛侍こと伊藤粒太氏のプロフィール Samurai Baroque Project 主宰者:縦笛侍LyutaIto 伊藤粒太氏 伊藤粒太 Flauto dolce (リコーダー)麻布高校卒。 国内…
勝手な私的三大名曲を紹介するシリーズ! ホントに無知と偏見と独断に満ちたセレクションなので、怒らないでくださいね。 テレマンならまずコレか テレマン: ターフェルムジーク(食卓の音楽)TWV 53:F1 - アレグロOrchestra of the Golden Ageクラシック¥204provided courtesy of iTunes ITunesでは見つけられなかったけど、私は↓のが好き。ドライヴ感が素晴らしい。 テレマン:ターフェルムジーク(全曲) アーティスト:ニコラウス・アーノンクール ワーナーミュージック・ジャパン Amazon 続いて Quadri No. 1: Concer…
お題「聴くとテンションが上がる曲」 バッハは史上有数のメロディ・メーカーだから、ウキウキする曲もたくさん作曲してるよ! 今回は古楽器による演奏で まずはイタリア協奏曲(1988年録音) チェンバロはドイツ風17世紀Gräbnerモデル(Tucher製作1986) Italian Concerto, BWV 971: I. Allegro ケネス・ギルバート クラシック ¥153 provided courtesy of iTunes ちょうど同じ演奏者で、昔のチェンバロ(当時はモダンチェンバロと称していた)があったので聴き比べ。 Italian Concerto in F BWV 971: I…
2023-8-13はてブ公開 江古田で入手したこの一枚が古楽沼への入口でした… Die Kunst der Fuge, BWV 1080: Contrapunctus 1 グスタフ・レオンハルト クラシック ¥204 provided courtesy of iTunes それまでクラシック音楽というのはデカい演奏会場でオーケストラがグイグイいわせる大音量で文句あっか?西洋のありがた〜い音楽なんだぜえ、というイメージだったので、静かに一音一音を響かせる禅っぽい世界があるんだなあ、というのが第一印象でした(特にこの曲集は各曲の冒頭、テーマ提示部分がイイんです)。 それに1970年代の古楽界では、…
ヴェルサイユの礼装グラン・コール 女性を物理的にも束縛したコルセット 王太子妃マリー・アントワネットが、母帝マリア・テレジアの反対を押し切って乗馬に熱中したのは、最初は自分と距離をとっている王太子の狩りの趣味に付き合うためでした。 しかし、いざ始めてみると、ヨーロッパ一堅苦しく、衆人環視のもとエチケットやマナーを厳守しなければならない、ヴェルサイユの宮廷生活からの解放感に酔いしれるようになりました。 夫が狩りや趣味の錠前作りに熱中しているのも、必ずしも自分を避けているのではなく、彼も宮廷から、できる限り逃れたいからだ、と理解できてきました。 また、彼女を束縛しているのは「コルセット」でした。 …
ルイ・オーギュスト・ブラン『乗馬姿のマリー・アントワネット』1783年 不完全な夫婦 王太子ベリー公(のちのルイ16世)と王太子妃マリー・アントワネットは、1770年5月16日に結婚式を終え、国王ルイ15世、司祭と廷臣たちの衆人環視のもと、夫婦の寝室にて、新婚初夜を祝福する儀式が行われました。 王家の生活が公開されているヴェルサイユ宮殿にあっても、さすがに儀式が終われば皆退室し、天蓋つきベッドのベールが降ろされ、ふたりだけの空間となります。 しかし、新婚夫婦はそのまま寝てしまい、何もありませんでした。 翌朝、シーツを交換した女官が、国王に「何もなかった」ことを報告します。 それはすぐに、全宮廷…
アルトワ伯(のちのシャルル10世) もうひとりの義弟、アルトワ伯 マリー・アントワネットのふたりの義弟のうち、今回は下のアルトワ伯シャルル=フィリップ、のちのシャルル10世です。 フランス王太子ルイ・フェルディナンと王太子妃マリー=ジョゼフ・ド・サクスの第4子として、1757年に生まれました。 マリー・アントワネットとはふたつ年下であり、彼女も窮屈なヴェルサイユ宮殿にあって、堅苦しい夫との関係に悩んでいた頃、一番年も近く、気の置けない仲となりました。 前回取り上げた上の義弟、プロヴァンス伯は、兄ルイ16世に子供ができなかったら自分が国王になれる、と期待し、野心満々でしたが、アルトワ伯は順番から…
プロヴァンス伯(のちのルイ18世) ルイ16世の兄弟たち 前回はマリー・アントワネットの夫、ルイ16世の生い立ちについて取り上げましたが、今回から彼の弟たちについて見ていくことにします。 弟はふたりいて、両方とも、ルイ16世夫妻がフランス革命に倒れ、ナポレオンが登場しフランスのみならずヨーロッパを席巻したあげく退場したあと、ブルボン復古王朝の国王として相次いで即位しました。 5人兄弟を整理すると次のようになります。 長男 ブルゴーニュ公 ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ(9歳で逝去) 次男 アキテーヌ公 グザヴィエ・マリー・ジョゼフ(1歳で逝去) 三男 ベリー公 ルイ・オーギュスト(のちのルイ16世…