今回は京都府木津川市の海住山寺(かいじゅうせんじ)について。 海住山寺は市東部の山中に鎮座する真言宗智山派の寺院です。山号は補陀洛山。 創建は寺伝によると735年(天平七年)で、聖武天皇の勅願により、東大寺の初代別当・良弁が開いた藤尾山観音寺という寺院が前身とのこと。観音寺の規模様式は不明ですが、1137年(保延三年)に焼失し、荒廃しました。その後、1208年(承元二年)に貞慶によって再興・改宗され、現在の山号と寺号に改められました。貞慶の死後、弟子によって現在の五重塔が建てられています。室町時代には多数の塔頭があったようですが、桃山時代の太閤検地で寺領を没収され、明治の廃仏毀釈を経て、現在塔…