「岩波講座」は、岩波書店の専門叢書シリーズとして有名なものだが、「世界歴史」はその一つである。 この世界歴史は、元々1969年から71年にかけて全31巻(本編29巻+別巻+総目次・総索引)が刊行され、1997年から2000年に亘っては、構成を変えた新版全29巻が世に出て、さらに今年(2021年)の秋からはまた全24巻物が出版される予定のようだ。 私の所有するのは1969年に端を発する旧版で、初め各巻の標題を目にした時、これは通史を細部まで記述したシリーズであろうと考えて購入した。 実際、古代―中世―近代―現代というそれぞれの時代区分の中、世界の各地域およびそれらの間の交渉をテーマとして書かれて…