新堂 冬樹著・幻冬舎文庫 新堂冬樹作品は、純愛小説の「白新堂」と裏社会や悪人がこれでもかと出てくる「黒新堂」がありますが、この作品はそれが上手くミックスされています。コロナ禍で社会は停滞。それは出版界も一緒。出版社に勤める編集者の佐伯華は、No2クラスの優秀な編集者なのに出来の悪い後輩ではなく、自分が左遷の憂き目に遭う。実家の食堂もコロナの影響で売上が落ち、酒浸り、ギャンブル好きの父に金を無心されて苦しみは頂点に達し家を出ることにする。そんなとき親友に紹介されたのがマッチングアプリで、年商数百億円の財閥の御曹司と”マッチ”する。華は偽両親を創作し、御曹司との結婚で一発逆転〝上級国民〟入りを目指…