折れそうな心の鍛え方
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/09/28
- メディア: 新書
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- p20
3ー会社に行けずディズニーランドは楽しくても、自分を責めない
「精神的に具合が悪くて休んでいるなら、24時間家から出ずに、ふさぎ込んでいるはずだ」というのも、よくある誤解の1つです。
24時間、同じテンションの人は滅多にいません。会社ではキビキビしている人も、家に帰ればだらけていたりします。(中略)
落ち込みというのは、24時間、同じようには続かないと理解しておきましょう。
この点に関しては、私も09年8月に1ヶ月の長期休暇を取得する際に大いに悩んだ。
私の場合は、遊びにはいかなかったものの、勉強会やライフワークとブログを続け、あまつさえ会社に行って(人一倍)残業を続けていた。
本当に「まいって」いるなら、遊び(私にとって、読書・ブログ・ライフワークは「遊び」と同じことだ)はともかく、会社には行けなくなるはずだ、自分は甘えているのではないか、と。
だが、体は明らかに限界のサインを出していたし、医者にも「早晩ガス欠になるから補充した方がいいよ」と言われ、休みをとることを決意した。
「気分的な落ち込みによる、業務継続不可能」の典型に当てはまらないからといって、「自分は怠け者だ」「自分は甘えている」と無理をする必要はない。
- p26
5ーしんどくても、日常生活が破綻していないなら大丈夫
心の病気についてはさまざまな論争がありますが、誰にも迷惑をかけず、暮らしの中で折り合いをつけられるなら、相当しんどくても、「自分は病気だ」と判断しないほうがいいというのが、つらかったころに私がたどり着いた結論でした。
私の場合は、「薬なんか飲んでいるこの状態は異常だからどうにか薬を飲まないようにしなくては」という強迫観念に駆られていたが、今は、「薬を飲んでいればどうにかやっていけるなら、それはそれでいいのでは」と開き直るようになった。
- p35
9ー「ほかの人は平気でも自分には耐えられない」ことはあって当然
「人生いろいろあるんだから、それくらいのことで落ち込むなよ」と言われても、その人にとってしんどければ、しんどいのです。周りに理解されないことは、しんどさに拍車をかけてしまいます。
「アフリカで飢えて死んでいく子どもに比べたら幸せだ」「生きているんだから死ぬよりはまし」という類の「しんどさの相対化」は無理があります。
ストレスを値ではかるのは、いっそあきらめる。その方が、日常に溢れるストレスを解決する実際的な手段が見つかるのではないでしょうか。
「セカイ系」ではないが、自分にとってのショックは、その人にとっては、「世界の危機」と同列(以上)の問題なのである。
- p42
11-「時間の経過」だけに任せず、小さなガス抜きを繰り返す
喪失を埋め合わせる方法
- 時間の経過
- 自分が陥った状況を客観的に見る努力(人に言われる前に自分で分析してしまう)
- 周囲の力を借りること
- できるだけたくさん泣き、泣くことに罪悪感を抱かない
- 多少でも代償を求める
- 解決すること
この中で最良は、明らかに1.。2.はできれば苦労しない。5.はあまりお勧めしない。6.はアドバイスになっていない(一応網羅したかったのだろう)。4.は出来る人はやった方がいいが、私にはできない(出来る人がうらやましい)。3.は是非やるべきことで、こういうときは他人の迷惑など考えてはいけない。抱え込んで暴発or爆発された方が、返って迷惑になるのだから、ぐらいの開き直りで、素直に周囲の力を借りよう(これが出来る人もうらやましい)。
- p44
12ー話を聞いていくれる人の力を借りて、毒を吐き出す
(前略)すべての「しんどさ」は主観的であり、人と共有するのは難しいものです。(中略)理解力の問題などではなく、たぶん「そういうもの」なのです。あなただって、そうでしょう。他人の痛みを本気で同じだけ感じてしまったら、命がいくつあっても足りません。
GXのティファ・アディールのようになってしまうな。
- p45
12ー話を聞いていくれる人の力を借りて、毒を吐き出す
身近な人、話を聞いていくれる人の力を借りて、とにかく毒やつらさを吐き出してみましょう。1人で抱え込んではいけません。大きく膨らんで暴発する前に、少しずつ抜いていくのです。
私の場合は、自分のブログで、これでもかというぐらいに己の暗部を吐き出している。
読んでいる人は大いに迷惑だろうが、本人はたぶんこれで救われている部分があるのだろう。
悩ましいのは、調子に乗って徹夜で毒をはき続けると、寝不足で体調を崩して翌日さらに酷い目に遭う、という悪循環が生まれている、ということだが・・・。
- p52
16ー「自分のつらさは特別」という思いこみをぶち壊す
つらい気持ちは相対化できないものですから、これは自然な心の動きではあります。
しかし、「自分は誰にも理解されない、特殊な事態に陥っている」という思いは、奇妙な自己陶酔を生みます。悲劇の主人公のように自分の苦しみに自分で酔いしれ、自分の中でストレスという毒をいっそう増殖させてしまうのです。
周囲からどう思われるかなどしったこっちゃない。
こっちには余裕がないのだから。
- p57
18ー人は自分で越えられる悩みや落ち込みしか抱えない
しかし「絶対に底はある。しかもそれは自分の耐えうる<底>なのだ」と思っていれば、いさぎよく沈んでいくことができます。沈むのが怖いにしても、パンパンに張り詰めた心から、ほんの少し、ガス抜きすることくらいはできるでしょう。
(私の「どん底」はいつもブログを見れば解るように、それこそラグナロク級のどん底なのだが)
- p74
24ージャージで1日ゴロゴロしていいのは、元気な人だけ
「別に誰にも会わないから、Tシャツにすっぴんでいい」と思ったとたん、女性が何かを失っていくように、「具合が悪くて家にいるんだから、パジャマかジャージでいい」と決め込んだとたん、身のうちにわずかに残っていた覇気すら、すうっと抜けていくような気がします。
やはり最低限の緊張感はあった方が「元気」にはなる。
- p94
31ー「給料以外に稼ぐこと」がストレスを減らす鍵になる
この10年ほど、「お金さえあれば、なんでもできるのか?」という議論が、しきりになされました。しかしこの論は、土台にある「健康」が確保された上でしか成り立たないものです。
元気がなくなってしまえば、お金があってもなくても、なにもできません。仮に80億円あっても、心がふさぎ込んで体も言うことを聞かないのでは、お金はただの筋を記した紙切れでしかないでしょう。
「5キロ走るなら家の周りでもできる」とは、心が強靱な人の無神経な物言いともいえます。
「時は金」であるが、「モチベーションも金」なのである。
だから、「モチベーション」を買うためになら、少々贅沢しても良い。
「モチベーション」こそプライスレスである。
お金で買えるくらいなら、買ってしまおう。
- p104
35ーちょっと難しい課題を引き受けて「自分の器」を大きくする
課題を引き受ける時の3つの注意点
- あとで放り出すようなものは最初から引き受けない
- 引き受けてしまった以上は、楽しむ(そのストレスを育てない)
- ストレスのままだったとしても、その仕事に対する評価を確保する
賢い断り方は勝間さんの『断る力』で勉強しよう。
- p117
39ー自分への期待値が高すぎる人は挫けやすい
「一流の定義」について、私は何人かの人に聞いたことがあるのですが、「あることを一定のアベレージで1000回以上でも繰り返せる人」というのが結論のようです。簡単に言えば、成功の再現性ということだと思います。
本文にもあるように、若き日の(一発勝負の)トロフィーで「自分のハードル」を上げてしまうと、その先の人生が厳しくなる。
どんなに「優秀」で「実績」のある人でも、最初から「一流並みにできる」わけがないのである。
- p122
40ー「やればできるけど苦手なこと」は無理してやらない
やろうと思えばやれるようなことだからといって、無理をしてやらなくてもいいのです。仮にそんなkとでがんばっても、せいぜい100人中40番になれるくらいでしょう。
それなら、好きで楽しいこと、自分だけにできることにフォーカスしたほうが、よほど人生は楽しくなります。
器用貧乏は、文字通りの貧乏となる。
しかし、この国の職場は、「断れないこと」があまりにも多すぎる。