7月末〜8月上旬
1)某奨学金の申請書類を書きながら
ライティングの講義を履修しているBritish Councilの先生に無理を言って、一日で英語を添削してもらいつつ、7/31(日)、なんとか無事に某奨学金の申請書類を書きあげ、提出を済ませる。
書類審査の結果が出るのは10月最終週あたりだと思われるが、ゆるやかに希望を持ちつつ結果を待ちたい。
Research ObjectivesもStatement of Purposeも、去年よりは、自分なりに幾分かでも、納得のいくものが書けた。
一年前に書いたものを今年読んだとき、「なんだこの壮絶なゴミは」と驚いたのだが、そのことがとてもうれしい。今からちょうど一年後に、今年書いた書類を見たときに、同じように「なんだこの超絶なゴミは」と思えるようになっていたいと思う。
Personal Statementを書く際には、自分がいままで何を考えて行動してきたのかを振り返り、ある種就活のエントリーシート的に「私の物語」を作り上げることになる。もちろん、別に話を捏造したりでっちあげたりするとかいうことではなくて、どんなに真摯に過去と向き合っても、現在から遡及的に編集される過去は不可避的にフィクションだというような意味で「物語」なわけだが。今までの道程を振り返りながら、自分は何から強く影響を受けてきたのかな、ということを考える。
で、雑誌の特集なんかでありそうな、「人生を変えた三冊」みたいなものをあえてあげるなら、自分にとっての三冊はたぶんこうなるだろうな、と思った。
- 作者: 阿部謹也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/07/20
- メディア: 新書
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- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/06/20
- メディア: 新書
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The Gold Standard and the Logic of Naturalism (New Historicism: Studies in Cultural Poetics)
- 作者: Walter Michaels
- 出版社/メーカー: University of California Press
- 発売日: 1988/11/01
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三冊中二冊も新書なのはどうなんだとか、小説イッコもねえじゃんという指摘は鮮やかにスルーします。
学部4年、卒業論文を書くときに読んだ阿部謹也は、自分がなんとなく日本社会で感じていた生きづらさのようなものに言葉を与えてくれた。もういい年、21歳になっていたけど、遅まきながら目が開かれるような刺激を受けた。
社会人時代、昼休みの時間も惜しんで読みふけった内田樹は、いわゆる「現代思想」の奥深さを教えてくれた。構造主義の力を借りて、世の中をもう一度自分なりに深く見つめ直してみたい、と思った。多分この本がなければ、だましだまし三年間くらいは会社で働き続けたんじゃないか、という気がする。
Walter Benn Michaelsには、Theodore Dreiserの_Siter Carrie_(1900)の先行研究として出会った。
Sister Carrie (Norton Critical Editions)
- 作者: Theodore Dreiser,Donald Pizer
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2005/11/01
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それまで、どこか文学研究をナメていた。「それって、読書感想文と何か違うんですか」的な失礼千万なことを感じてさえいた。
が、目から鱗だった。この人、世界で一番頭がいいんじゃないのか、とさえ思った。この論があるおかげで小説が100倍面白いと思え、さらに小説にとどまらず社会や世界について多くを知ることができると思った。一文一文が刺さった。こういう文学研究なら確かに意味がある、と感じた。
ちなみに、Michaelsへのある種の応答として書かれたAmy Kaplanのデビュー作もたいへん感動的で、この二つがあるおかげで_Sister Carrie_はそのポテンシャルを存分に引き出されている。
The Social Construction of American Realism (Studies in Law and Economics (Paperback))
- 作者: Amy Kaplan
- 出版社/メーカー: University of Chicago Press
- 発売日: 1992/12/15
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そんなこんなで、自分の過去と向き合いながらの書類書きでありました。
2)Konono N°1 のライブ
8/1(月)、コンゴ共和国出身のアーティストKonono N°1のライブ@渋谷クアトロに、院の先輩たちと遊びに行く。
先輩がtwitterで紹介してくれていて、一聴するなり、行くしかないと思った。
とても楽しいライブで、帰りに足腰がしんどくなるほど、クネクネと楽しく踊ってきた。
久しぶりのライブだったけど、やっぱりいいもんですなあ、と実感。
ワガママをいえば、ハコのせいなのかPAのせいなのか、かなりドンシャリな音響で、エレクトロニカの肝であるはずの中域があまり聞こえず、聞えないパートがいっぱいあった。
しかし、得も言われぬ音階の怪しさ、複雑な腰の動き、深くうねるグルーブにあっさりと吸い込まれてしまった。
ここ数カ月音楽への情熱が冷めているのを感じていたけど、もう一度新規開拓したいと思わせられた。
ゲスト参加していたJuana Molinaみたいなアルゼンチン音響派にも最近興味があるし、近々お茶の水ジャニスでCDを借り漁ってこようと思う。
3)投稿論文
8/4(木)昼過ぎ、徹夜で投稿論文のファーストドラフトを書きあげ、指導教官にお送りする。
〆切が9/1、それまでにネイティブ・チェックも済ませる必要があるので、かなりカツカツながらがんばらねば。
singularityとuniversalityの間の関係性についての考察として、できればバデューを盛り込みたいところ。
Saint Paul: The Foundation of Universalism (Cultural Memory in the Present)
- 作者: Alain Badiou,Ray Brassier
- 出版社/メーカー: Stanford University Press
- 発売日: 2003/05/06
- メディア: ペーパーバック
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