「聖書をメガネに 桐生悠々の名を初めて聞いたあの時」の,小さくない恵みの波紋 その14 森弥栄子姉の第8話 イザヤ53:7−12

「聖書をメガネに 桐生悠々の名を初めて聞いたあの時」の,小さくない恵みの波紋 その14 森弥栄子姉の第8話 イザヤ53:7−12

第八話 子羊がもたらす光(イザヤ書 第五十三章七〜一二)
 苦役を課せられて、かがみ込み
 彼は口を開かなかった。
 屠り場に引かれる子羊のように
 毛を切る者の前に物を言わない羊のように
 彼は口を開かなかった。
 捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。
 彼の時代の誰が思い巡らしたであろうか
 わたしの民の背きのゆえに、彼が神の手にかかり
 命なる者の地から絶たれたことを。
 彼は不正を働かず
 その口に偽りもなかったのに
 その墓は神に逆らう者と共にされ
 富める者と共に葬られた。
 病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ
 彼は自らを償いの捧げ物とした。
 彼は、子孫が末永く続くのを見る。
 主が望まれることは
  彼の手によって成し遂げられる。
 彼は自らの苦しみの実りを見
 それを知って満足する。
 わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために
 彼らの罪を自ら負った。
 それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし
 彼は戦利品としておびただしい人を受ける。
 彼が自らをなげうち、死んで
 罪人のひとりに数えられたからだ。
 多くの人の過ちを担い
 背いた者のために執り成しをしたのは
 この人であった。

今朝、この部屋に入った人は、誰でもクリスマス・ツリーに気づいたことと思います。きれいに飾りつけをしたクリスマス・ツリーをみていますと、誰でも「クリスマス」が、待ち遠しくなってきますね。来月十二月二十五日金曜日には、吉祥寺教会でも、子供のクリスマス会を開きますから、首を長くして楽しみに待っていてください。

けれども、二十五日の五日前の十二月二十日の日曜日には、クリスマスの礼拝を教会でいたします。日曜日という日は、なんと言っても、イエスさまが三日目に蘇られた日、つまり復活された日、喜びの日だからです。ですから、日曜日は大切な日なのです。
キリスト教では、イエスさまが復活された春になると、お祝いをする大切な日がありましたっけ。みなさん、覚えていますか。そうです。イースターでしたね。復活祭です。イースターと並んで十二月二十五日のクリスマスも、教会では大切なうれしい日としてお祝いします。

寒い寒い冬が終わって、あたり一面に桜やチューリップやユリの花などが咲きはじめる、明るくて暖かい春のはじまりにイースターがあります。イエスさまがよみがえって、永遠の命の大切さを私たちに教えてくださるかのようにです。
イースターと比べて、クリスマスはどんな日でしょうか。次第に寒くなり北風が吹いてきて、夏のように長く外で遊べませんね。暗い夜が、かけ足ですぐにやって来てしまいます。冬の日です。「早く春が来てほしい」と、思う人が多いでしょう。
そんな暗く寒い夜の空に、一つの大きなお星さまが輝きました。今から二千年という気の遠くなるような昔のことです。
人間が、本当の幸せや平和がどのようなことか、まだ、何も知らなかったころ、人々の心に本物の幸せを知らせるために、神さまがイエスさまを贈ってくださいました。みんなの心に灯をともすようにと。
クリスマスとは、そのような日なのです。よーく考えてみますと、サンタクロースが運んでくるプレゼントより、それはそれは素晴らしいイエスさまというプレゼントを、神さまは人類のために贈ってくださったのです。

毎週、教会に礼拝のために集まるみなさんには、やがて、大人になるにつれて、イエスさまというプレゼントが、どんなに自分にとって素晴らしいものであるかが、分かってくるでしょう。「聖書」というご本の中には、実はイエスさまが「お父さま」と呼びかけられた神さまや、イエスさまからの贈り物が沢山つめこまれているのです。ですから、みなさんは「聖書」を大切にして、大きくなるにつれて、読み続けてください。
今朝、読みました旧約聖書の「イザヤ書」五十三章には、人々によって希望の星のようなイエスさまがどんなに辛い苦しい思いをしながら、沢山の人々の罪、苦しみを代わりに背負ってくださり、その代わりに私たちが本当の幸せや喜びを知るようにと、神さまにお願いしてくださいますということが書かれています。

この詩は、イエスさまがお生まれになる五七〇年も前に、イザヤという神さまの心を伝える役目をする人が書いたと言われています。そして、イザヤの預言のとおり、救い主イエスさまが私たちの世界に贈られたのです。
そして、イエスさまは、みなさんもよく知っているとおり、人々を罪の苦しみから助け出して、正しい人になるにはどうしたらよいか、永遠の命とは何かを教えてくださったのです。
エスさまに感謝してお祈りします。

主なる神さま。
神さまからいただいたクリスマスの日に、私たちも心にイエスさまという光をともすことが出来ますようにお導きください。アーメン。
一九八七・一一・二二