金庸 「秘曲 笑傲江湖 一 殺戮の序曲」 (徳間文庫)

一門を壊滅させた青城派に復讐を誓う若者・林平之。
悪漢にとらわれた少女を救うため命をかける好漢・令狐冲。
衡山城に武林各派が集い──かくて大活劇の幕が上がる。
 跳訳武侠小説)な「武林クロスロード」が楽しかったのと(感想はこちら
文庫化された「秘曲 笑傲江湖」の評判に後押しされて、はじめての金庸しました。
馴染みの薄い中国名がずらりと並び、武侠関連な専門用語がぽんぽん出てくるあたりに若干の敷居の高さを感じるものの、そこさえ慣れてしまえば後は一気呵成。
主人公格のふたりをはじめとして、健気な美少女僧におっかない女傑さま、色魔、チビ道士、などなど、一癖も二癖もあるキャラクターが大挙登場。
青城派の陰謀、林平之の受難と成長、令狐冲の奮闘、儀琳の可憐な乙女っぷりに武林各派の対立と分裂!? と……あまりの面白さにやめられないとまらない。
なるほど、これは確かにイラストつければ超一級品のライトノベルとしても通用しそうな気がするくらい、素晴らしいキャラクター小説ですね。
アタクシ様なぞ「儀琳たんの声は沢城みゆきだな!」という天啓まで降りてくる始末。
 武術の腕ではかなわぬ相手を口八丁・手八丁で自分のフィールドに引きずり込もうとする令狐冲の”カッコワルイ カッコヨサ”が素敵すぎ。
やんちゃな兄弟子のとばっちりを受けまくる労徳諾もいい味出してるぜ。
あと、最初っからなんだか片恋フラグ気味な儀琳たんに幸あれ・゚・(ノД`)・゚・。

秘曲 笑傲江湖〈1〉殺戮の序曲 金庸武侠小説集 (徳間文庫)

秘曲 笑傲江湖〈1〉殺戮の序曲 金庸武侠小説集 (徳間文庫)