本日の1枚 Astrud Gilberto
Astrud Gilberto / September 17, 1969 (CD)

- アーティスト: Astrud Gilberto
- 出版社/メーカー: Rev-Ola
- 発売日: 2007/02/20
- メディア: CD
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1969年に録音された、Verve在籍時代最後のアルバム。シカゴにビー・ジーズ、ビートルズ、ドアーズなどの楽曲を取り上げたカヴァー集です。
アストラッドの歌声はいつもどおり魅惑的なヘタウマ・ウィスパー・ヴォイスなんですけど、楽曲のアレンジがとても面白いアルバムです。
どことなく場末な雰囲気も漂う、どうにもいかがわしいラウンジ調な色彩のサイケ・ポップなアレンジが施されているのです。
アストラッドの歌声の魅力と相俟って、絶妙な脱力感のソフト・サイケなアルバムに完成されています。
冒頭のシカゴのカヴァー『Beginnings』は、ソフト・ロッキンなアレンジながら重く響くベースがサイケな味付けを付していて、緩やかなグルーヴィさが素敵な逸品。
ビー・ジーズの『Holiday』は、高速ファンキーに始まって低速イージーなサイケ・ポップに転調するなど、カッコいいのか間抜けなのか判別しにくい、これまた名カヴァー。
ビートルズの『Here, There And Everywhere』は、ストリングスのアレンジなどは普通にソフト・ロックしてると思いきや、そっと鳴り響くオルガンの音色などはやはりサイケな味わいを。
ゆるゆるなドアーズ『Light My Fire』、呑気にファンキーなバーデン・パウエル『Let Go』、ゴージャスにソフト・ロッキンなマーゴ・ガーヤン『Think Of Rain』など、いい調子で続きます。
お気に入りはニルソンのカヴァー『Don't Leave Me Baby』。フォーキー・ソウル風に始まり、軽やかで色彩豊かなソフト・ロックに展開していくんですけど、抑揚なく歌詞をつむぎ出すヴォーカルがとにかく素敵なんです。
Beginnings