高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 修行コースを走りきり、無事100km完走!

3月29日5時40分、OSAKA淀川ウルトラマラソン、スタート。
まずは、スタート地点の淀川河川公園を淀川上流に5km走って折り返す。
早速始まった殺風景な河川敷コース。華やかな色があったのは、時折見られた菜の花くらい。
これ以外は、無色で無機質な景色ばかり。
先週走った大阪城公園の色とりどりの春らしい光景とはすごい違いだ。


夜が明け始めた。淀川の河川敷で走りながら見る朝陽は初めてだ。
我々と同じようにこんな時間に朝陽を浴びて土手の上をランニングしているランナーがいて、気持ち良さそうだった。

10km走って、スタート地点の淀川河川公園に戻ってきた。
ここまでは単なる距離調整のコース。残り90km、ここからが本番だ。
そして、この先、沿道から盛大な応援があったのは、こことゴールに戻ってきた時くらい。
長い長い自分との闘いが始まり。



これ以降は、変わり映えのしない景色が続き、撮るべき写真が何も無かったので、淀川に架かる橋をくぐる度に撮影。
スタート直後にあった枚方大橋の次に架かる寝屋川市高槻市を繋ぐ淀川新橋をくぐる。

次に、寝屋川市摂津市を繋ぐ鳥飼仁和寺大橋をくぐる。

守口市摂津市を繋ぎ、大阪モノレール近畿自動車道が走る鳥飼大橋

大阪市に入って、東淀川区の豊里と旭区の太子橋今市を繋ぐ、豊里大橋

東淀川区と旭区を繋ぐ、菅原城北大橋
かつて朝ランで、この橋を走って渡り、東淀川区から旭区に行った事があるのを思い出す。

次に、JR東海道線吹田駅とJR片町線の鴫野駅を結ぶ貨物専用の城東貨物線が走る、城東貨物線淀川橋梁(赤川仮橋)だ。
過去に、別のマラソンでこの橋を渡った事があって、貨物列車が橋の歩道のすぐそばを走るので、一度、ゆっくり渡ってみたいと思っていたが、現在、久宝寺駅から放出駅を運行している「おおさか東線」の延伸化の工事のために、2013年10月31日で歩道が閉鎖になってしまったそうだ。残念。

眼前に梅田の高層ビル群と共に、淀川の対岸に渡るための淀川大堰(おおぜき)が見えてきた。

土手の上に上がって、お馴染みの毛馬閘門(こうもん)を過ぎ、この日だけ人が入る事が許可された、この大会のハイライトである淀川大堰を走る。
普段は立ち入り禁止で、今日しか走る事はできないレアさにテンションが上がる。




ようやく淀川の対岸にやって来たが、この時点で25km。まだまだ序盤で、先は長い。
そして、自分にとって一番馴染み深くて繁用している、阪急千里線が走る橋とその横に架かる長柄橋の下で折り返し。



対岸のコースに入って以降、相変わらず変わり映えの無い景色の河川敷コースな上に、序盤パラパラと降っていた雨が本降りになり始め、更にコース沿いの人気がなくなって、より一層、厳しいコンディションに。
孤独に黙々と先を目指して走り続ける。自分との闘いだ。
そして、40km手前ではこれまでで最も大規模なフードエイドが登場。
大阪らしく、お好み焼きや焼きそばがランナーに振舞われていた。
とても珍しい。こんなエイドステーションは初めて見た。
是非食べてみたかったけど、自分は走っている間は固形物は食さないスタイルだし、おこのみソースの味が口の中に残ったまま走る事だけは避けたかったので、ここは見るだけ。
泣く泣く諦めて通り過ぎ、

100km走った後に、このお好み焼きや焼きそば以上にハイカロリーで美味しい食べ物を、思う存分、たらふく食べてやる!

と心に誓って先を急ぐ。

枚方大橋を再びくぐると、対岸にはスタート地点の淀川河川公園にある、尖った塔の水位観測所が見えた。
あそこからスタートして約45km。まだまだ折り返しまであと約10kmある。
はてさて、どこまで行くのやら、と途方に暮れる。

ペースも維持出来ていて調子は良いのだが、退屈で変わり映えのない景色と人気の無さが雨により増長され、もうウンザリ。やはり、覚悟していた通り、精神的に応えるコースだ。
半分の50km到達。あと5km走れば折り返しだ。

やっと、大阪府の外れの京都府との県境にある大阪府三島郡島本町サントリーの山崎蒸留所があるところ)にある淀川河川敷のレストステーション、55km地点に到達。
ここは100kmのコース上で最も大きなエイドステーションで、100kmではお馴染みの着替えなどをする場所だ。
ここに到着するように荷物を預けていたのだが、雨の中、ボランティアの方々がドタバタしていて、自分の荷物がなかなか見つからず。
過去に参加してきたウルトラマラソンで、ここまで要領が悪い大会は無かった。
「あぁ、時間をロスしているなぁ。第1回大会だから仕方ないか・・・」と諦め、気長に荷物が出てくるのを待った後、天気が良ければ広い芝生の上でゆっくりくつろいで着替えたりするだが、この日は雨なので、渋々、着替え用のテントに行くと、テントの中はまさに地獄絵図。
たくさんのズブ濡れのウルトラランナーが、狭いテントの中で疲れから唸りながら着替えているさまはもう見ていられず、早々に着替えて出発する事に決めた。
それほど疲れていないし、ゆっくり休憩などせず、先を急ぐとしよう。
これも第1回大会だから仕方がないのであろうが、通常のウルトラマラソンであれば、前半用と後半用のゼッケン2枚が用意されているのに、本大会は1枚しか用意されていなかった事もあって、着替えはせずに100kmを走りきろうとしていたのだが、雨により低体温症になるのではないかと心配になるくらい濡れ鼠になっていたので、ゼッケンをわざわざ新しいウェアに付け替え、ウェアだけ着替えたら寒さもなくなった。
これで後半も万全の体調で闘えそうだ。

思えば遠くまで来たものだ。
こんな遠くまで来てしまったからには、朝にいた場所に帰らなくてはいけない。
そんな帰巣本能も働かせて、後半戦スタート。
三度、枚方大橋の下をくぐる。
枚方大橋の下には、こんな雨の中に盛大な応援をしてくれる方々いて、元気に応える。
ほぼ応援が無い大会だけに、ここは大変貴重な応援で、本当に有難かった。応援に応えている間は、疲れなどが忘れられるし、元気をもらえる。応援の大切さを再認識。

スタートからゴールまでほぼフラットなコースだけに飽きが来てしまうのだが、ごく稀にあるこうした堤防に上がる際の登り坂と堤防から降りる際の下り坂が良い刺激になった。やっぱりアップダウンのあるコースの方が楽しいな。

ウルトラマラソンに出場するといつもそうなのだが、まだまだゴールが見えない、60kmから80km辺りの約20kmが一番辛い。
今回も、60kmを超えてくると、どこも痛みはないのだが、下半身に疲れが溜まり始めて力が入らなくなり、徐々にペースが保てなくなってきた。
そんな時は立ち止まって屈伸などのストレッチをして疲れをほぐし、10km毎にエナジージェルを補給しながら走っていると、パワーが回復してきて再びペースを上げて走る事が出来た。
長い距離を走っていれば、当然、不調な時間もあるが、そこで苦しいながらも諦めず走り続けていると、そのうち必ず復調してまたペースを上げて走る事ができる。なので、苦しいからといって、絶対に歩いてしまってはダメだ。
ウルトラには、好調と不調の波が何度もやって来て、毎回、何かしらのドラマがある。
これこそ、まさに人生の縮図だ。
それを実感できて、苦しいながらも本当に楽しかった。
好調と不調の波を繰り返しながら、70km地点到達。

おぉ、こんな雨の中に、わざわざコスプレをして橋の下で応援してくれる方々が。疲れているランナーに笑顔を与えてくれる。雨の中に本当に有難い。

ようやく80km地点に到達。よし、残り20km。
20kmなんて、毎週末に走っている距離なので、だいたいどれくらいか予想が出来るので、楽勝だ。
ここまで来れば、ゴールは見えてきた!

80kmを越えてゴールが見えてきた事で気分は楽になり、安定したペースで走る事が出来るようになった。
眼前に淀川大堰が見えてきた。

本日2度目、今日しか入る事ができない淀川大堰を走る。

右手には、梅田の高層ビル群。

左手には、さっきまで苦労して雨の中に往復してきた淀川の対岸。
「もう2度と対岸には走りに来ないからな!」と心に誓う。

今日だけしか入る事ができない淀川大堰なので、走り終えてしまうのはちょっと名残惜しい。


後半になると、雨も止み、涼しくて俄然走りやすくなってきた。
80km過ぎからゴールまでは、前半と全く同じ写真の撮りがいの無い景色ばかりなので、撮った写真は、何故か細かい距離刻みの距離表示板だけ。
80km以降、ペースを上げて走った事もあって、90km以降は、ガス欠気味だったが、何とか歩かずに走りきれた。



そして、4度目の枚方大橋をくぐって、ゴール地点の淀川河川公園が近づいてきた。
最後くらいは、盛大な応援が待っていた。

無事、100km完走のゴール!!!!!

3月末で見頃の桜も何も無い殺風景で退屈な景色が延々と続く淀川河川敷コース、沿道の応援ほぼゼロ、そして極めつけの雨という三重苦を何とか耐えて100km完走。
まさに「修行」という言葉がピッタリなレースで、当分、淀川には近づきたくないくらいの辛さだったが、終始フラットなコースのおかげもあって、ウルトラマラソンの自己ベストの11時間28分
2015年1月の宮古島100kmワイドーマラソンの12時間22分を1時間近く更新だ!!
ここまで更新できるとは思っていなかったので、これは嬉しい。
完走しただけではなく、自己記録更新という出来過ぎた結果を得られた達成感と充実感がたまらなかった。
図らずも中間地点で、お気に入りのこの四万十川ウルトラマラソン2013の大会Tシャツに着替えることなったが、四万十川ウルトラマラソン完走者として恥じない走りが出来た。

しかし、せっかく100kmを完走したのに、完走メダルがあまりに小さくてかなり貧相な代物だった。
自分は100km完走が初めてではないので、この大会にそれほど思い入れはないのだが、そうではないランナーにとって、完走した勲章がこれでは相当がっかりだ。他のウルトラマラソンの完走メダルを見倣って欲しいくらいだ。

RUNNETの参加ランナーのレポートを見ると、第1回大会なだけもあって、大会側の行き届いていない点が多々あったようで、かなり不評だったみたい。
ここまでに記載した他にも、このご時世に参加賞Tシャツが綿100%のショボさ、距離表示が少なくて曖昧、当日の完走証の発行無し、案内が届いたのが大会直前、などなど。
でも、あの雨の中でボランティアの方々は我々の走りに長時間付き合ってサポートしてくれたし、エイドもそれなりに充実していたので、自分も言いたいことはあったものの、まぁこんなものだろうと満足。ただ、今回完走出来たので、今後、出場する事はないだろうけど・・・
ゴール後は、汗で濡れたウェアを着ている事で冷えた身体を温める為に、無料提供されたうどんを食す。
17時を過ぎて、この日初となる固形物だ。ゴール後に食べるものは、何でも美味しい。

帰宅する頃には、日が暮れ始めた。大きな夕陽がくっきり見えて、とてもきれいだった。
良かった、日が暮れて真っ暗になる前に帰ってこられて。

今回、100kmを通して、作戦通り、前半6分/km、中盤6分30秒/km、後半7分/km、全体平均7分/km以内のペースで走る事が出来て大満足。
来たる6月28日開催のサロマ湖100kmウルトラマラソンの前哨戦として、かなり自信がついた。
もう、1年前の自分とは違って、100kmという距離は怖くはない!
あとは、サロマ特有の「暑さ対策」だけだ。