SL貴婦人にのったよ

長州推しのこのブログ(?)最終回はやはり山口に来たらということで乗ったSLやまぐち号について報告です。このSLやまぐち号、C571号は貴婦人と呼ばれる優雅な車体で有名。もう33年前から走っていてSLの代名詞にもなっています。

山陽新幹線新山口駅到着後、みどりの窓口で丁寧に駅員さんから走行日や時刻を教わりました。その結果、旅程から考えて、新山口方面から乗るのではなく、逆の津和野方面から乗ることにして、レンタカーがあるため、途中で戻りの在来線の時間を見計らって引き返すことにしました。津和野乗車15:20,長門峡到着16:06(ここまでSL)、そして津和野方面に向かう在来線に乗り換えて津和野で再度レンタカーに乗る、ような乗車券を家族分買いました。約30分のSL乗車ですが、雰囲気がわかればそれでよいかな、というせっかちな自分にぴったりプランです。これで3人往復で5,000円くらい。

さて津和野駅にまず到着しました。ふむふむ、観光地然としたところがなく落ち着いたいい街です。絵本作家の「安野光雅」美術館にまずは入りました。ここは絵本や本の装丁になった原画を眺めるだけではなく、プラネタリウムが併設されていて、入館料で両方見れてしまう。しかもSLの切符を見せると、割引も、もっといえば駅前の駐車場代も無料になる特典付きと、お得感満載な美術館です。
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そしてお昼を兼ねてふらりと入ったところは手打ちパスタのお店「アルチジャーノ」。なんの予備知識もなく入ったのですが、ここが大当たりの抜群のお店でした。ランチ1,300円でサラダ、パスタ、ドリンクということで、息子と注文した「サーモンのクリームパスタ」が絶品。3テーブルと5席のカウンターだけの小さなお店はすぐに満席になって、多くのお客さんが満席をみて残念そうに帰って行ったところをみると有名なお店だったのだと後から知りました。パスタは腰があって、バランスのよい味でした。いいね、津和野。
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そんなこんな、街を散策して時間をつぶしながらようやく乗車時刻です。多くの人でにぎわう津和野駅の改札を抜けて、あらかじめ予約してあった「明治時代の客車」を再現した4号車へ。それぞれの客車が昭和、大正、欧風、展望風とそれぞれ内装が異なる工夫がしてありました。

f:id:koikesumito:20120801151031j:image:medium:left記念撮影をして、いよいよ発車。あの情感たっぷりの汽笛の音色を聴きながら、感激のスタートです。このご時世にどうよ、とこちらが心配するほどの大量の黒煙をまき散らして貴婦人は走って行きます。意外と乗り心地は悪くない。また室内は空調が効いているのでそれなりに快適です。でももっとシュシュ!とかボーとかうるさいのかと思っていたら4号車ということもあって、やや物足りないところも正直な感想です。それにもっと注目されて走るのかと思っていたら、まぁこちら方面ではいつも走っているからでしょうか、あまりギャラリーもいなくて、ちょっと拍子抜けでした。もっと九州新幹線のCMみたく大勢の人が手を振ってくれることを想像していたので。。。でもときどき聞こえる汽笛やあの独特の石炭の匂いが風に乗って客室に飛び込んでくるだけで十分満足でした。ちょうど乗車日はイベントをおこなっていて、乗車記念に小さなガラスのこびんに燃料となっている石炭を入れたものをプレゼントとして1日車掌の小学校の男の子が配ってくれていました。
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そんなこんなであっという間のSL乗車でした。ずっと前から乗ってみたかったSLやまぐち号。乗ってしまうと意外とSL感がなく、外から眺めるべきだったかも、と思いましたが、それでも一緒に走ったことが嬉しく、長門峡で見送るときには何故かじーんとしました。青い空に蝉の鳴き声とSLと。いい山口の夏でした。