Travelling Riverside Blues

Words & Music by Robert Johnson.
(1937年録音)*1






(原題直訳 「河岸を旅するブルース」)







歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricsfreak.com/e/eric+clapton/traveling+riverside+blues_20328823.html






From Robert Johnson compilation album, "King of the Delta Blues Singers".


推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆




「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ」 (ロバート・ジョンソン






Also on the Eric Clapton album, "Me And Mr.Johnson".


名作アルバム度 ☆☆☆



「ミー・アンド・ミスター・ジョンソン」 (エリック・クラプトン





Also on Led Zeppelin studio live album, "BBC Sessions".


推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆



「BBCライヴ」 (レッド・ツェッペリン









名曲度 ☆☆☆








邦題「川辺を旅するブルーズ」 (ロバート・ジョンソン









If your man get personal,
もしも、あんたの男が
自分の好き勝手をしていたら
Won't you have your fun
あんただって いい思いをしたくなるんじゃないのかい?
If your man get personal,
もしも、あんたの男が自分の好き勝手していたら
Want to have your fun
あんただって、いい思いをしたくなるだろ?
Just come on back to Friars Point, mama, *2
ちょっとばかし、
フラアイーズ・ポイントに戻ってくりゃあいいじゃないか、なあ
Barrelhouse all night long
それであそこの安宿酒場で一晩中、バカ騒ぎしようぜ *3




I got womens in Vicksburg, *4
おれはヴィクスバーグに女がいてな
Clean on into Tennessee
テネシーにズラかりやがったよ*5
I got womens in Vicksburg,
おれはヴィクスバーグに女がいてな
Clean on into Tennessee
テネシーにズラかりやがったよ
But my Friars Point rider, now,
けどよ、フライアーズ・ポイントのおれの乗り役が、いま、*6
Hops all over me
おれの上で跳ねまわってるってわけさ




I ain't gon' to state no color,
おれは黒人にしんどいとこには行く気はないぜ *7
But her front teeth crowned with gold
なのに、あいつの前歯には金歯が冠さってる
I ain't gon' to state no color,
おれは黒人にしんどいとこには行く気はないぜ
But her front teeth is crowned with gold
なのに、あいつの前歯には金歯が冠さってる
She got a mortgage on my body, now,
あいつはおれのからだを抵当に入れやがったのさ、まったくよお
And a lien on my soul
そう、おれの魂を担保にしてやがるんだ




Lord, I'm goin' to Rosedale,*8
主よ、おれはローズデールに行くことにしたよ
Gon' take my rider by my side
よこにおれの乗り役を連れてな
Lord, I'm goin' to Rosedale,
主よ、おれはローズデールに行くことにしたよ
Gon' take my rider by my side
よこにおれの乗り役を連れてさ
We can still barrelhouse baby,
おれたちは安宿酒場でバカ騒ぎができるだろう、
Cos it's on the riverside
まだ、あの河岸にあるってことだからな




Now you can squeeze my lemon
さあ、おれのレモンを絞っていいぜ
'Til the juice run down my...
ジュースがこぼれてくるまでな、おれの・・・


(spoken)
(しゃべりで)
'Til the juice rune down my leg, baby, you know what I'm talkin' about
「おれの脚にジュースがこぼれてくまでな、
ベイビー、おれが言ってることはわかるよな」


Now you can squeeze my lemon
さあ、おれのレモンを絞っていいぜ
'Til the juice run down my...
ジュースがこぼれてくまでな、おれの・・・


(spoken)
(しゃべりで)
That's what I'm talkin' 'bout, now
「おれが言ってるのはそういうことさ、つまりな」


But I'm goin' back to Friars Point,
だが、おれはフライアーズ・ポイントに戻っていのさ
if I be rockin'to my head
おれがあたまをスッキリさせたくなったらな









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 052909










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では、つづけて同じこの歌をレッド・ゼプリンで聴いてみましょう。

*1:ロバート・ジョンソンが生前レコーディングした自作のブルース・ナンバー、29タイトルのうちの16曲が1961年に発売された「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ」で初めて広く(陽の目ならぬ)陽の耳を聞くことになった。その後、「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ第2集」も出て、現在では生前のレコーディングの全テイクを集めたボックス・セット「コンプリート・レコーディングス」も容易く入手できる。

*2:ミシシッピ州西部の河岸の小さな町

*3:この「バレルハウス」は、まあ安酒場のことであり、踊るスペースもあって、ときには安宿もついていて、また、あるときあるところではそれは売春宿だったりもするわけで、ラウンジには(エルトン・ジョンの「Don't Shoot Me, I'm Only A Pianno Player」(撃たないでくれ、おれはただのピアノ弾きだよ)ではないが)アップライトなボロいピアノがあって2ビートのウギウギ・ソロがアップテンポで酔漢たちの喚声を誘うように演奏されていたのでしょう。ロック・ファンなら、この「バレルハウス」という語からキース・エマーソンの(全然らしからぬ)ゴキゲンなホンキ・トンクなブギウギ・ピアノを全編にフィーチャーしたエマーソン・レイク&パーマーの「バレルハウス・シェイク・ダウン」(アルバム「ワークス?」収録)なんて曲が突如として耳の奥から聴こえてきたりするヒトもいらっしゃるのではないでしょうか。)

*4:同じくミシシッピ州西部の大きな都市。先のフライアーズ・ポイントよりも南にある。

*5:テネシー州ミシシッピ州のまあ北東。

*6:「乗り役」という日本語は競馬の世界で「騎手」を意味するコトバだそうだが、これを「rider」の訳語に今回初めてここでいただいてみることにする。ブルース英語で「rider」といったら、わたしの心得るところでは、それは性行為の相手の女、もしくは(いわゆる)肉体関係にある女のことで(とくに女性上位にこだわるわけではないがw)(あ、アレは騎乗位ってゆうんだったナw)「乗り役」というコトバはなかなかいいのではないだろうか、たとえ、あなたが馬並みwなどではないにしても、結局はオンナに御せられてしまうというそういう意味でもネ

*7:と訳したけど、これは意味がよくわからない。黒人のいない州も黒人にしんどくない州もそんなところはないだろうし、まあ、まっとうな英語的には(冠詞も定冠詞もないのだから)「state」は「述べる」とゆーよーな動詞として聞くべきなのだろうが、しかし、1930年代の南部の黒人が「state」なんてコトバを使っただろうか? という疑問も出てきたりするのだが、かりにこれを正しい英語に基づいて動詞の「state」とするならば、その訳は(わたしなら、たぶん)「べつにおれは悪く言うつもりはないんだが」とでもするだろうが、ここはひとつ、この歌のタイトルにある「traveling」という語を重視して、「移動」のテーマが生きてくるほうの解釈を選んでみた。わたしのここは ひとつの公開作業場なのでブルース英語に強いかたがいらしたら、どうぞ何らかのご教示を願いたい。

*8:やはりミシシッピ州西部の河岸の小さな町、先に出て来たフラアーズ・ポイントからは南、ヴィクスバーグからは北西にあたる。伝説によると、この町の南の外れにある州道ハイウェー1と8が交わる十字路(=クロスロード)でジョンソンは1930年に悪魔に魂を売り渡し、あのギターの奏法を手に入れたと伝えられている。

Travelling Riverside Blues

Words & Music by Robert Johnson, Jimmy Page and Robert Plant.
(1969年発表)*1






(原題直訳 「河岸を旅するブルース」)







歌詞は、次のURLから、
http://www.lyricsfreak.com/l/led+zeppelin/travelling+riverside+blues_20081862.html






From Led Zeppelin studio live album, "BBC Sessions".


推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆



「BBCライヴ」 (レッド・ツェッぺリン)






名曲度 ☆☆☆








邦題「トラヴェリング・リヴァーサイド・ブルース」 (レッド・ツェッペリン







Asked sweet mama, let me be her kid
イカした姐さんに頼んだのさ
おれを彼女の坊やにしてくれよって
She said, you might get hurt if you don't keep it hid
彼女に言われたよ
あんた、ちゃんと内緒にしとかないとひどい目に遭わされるわよって
Well I know my baby, if I see her in the dark
あはん、おれにはかわいいあいつがわかるのさ、
真暗闇で彼女に会ったとしてもな
I said I know my rider, if I see her in the dark
いいかい、おれにはおれの乗り役さんはわかるのさ
真暗闇で彼女に会ってもな




Now, I goin to Rosedale,
さて、おれはローズデールに行くとこだ
Take my rider by my side
おれの乗り役をよこにつれてな
Still barrelhouse, if it's on the riverside, yeah
あの河岸にまだ安宿があるといいがな、うん
I know my baby, lord,
おれには、おれのかわいいやつがわかってるんだ、主よ
I said, is really sloppy drunk
そうさ、あいつはがさつな酔っ払い
I know my mama, lord,
おれはおれの姐さんがわかるんだ、主よ
A brownskin, but she ain't no plum
あいつの肌は黒いけど、でも、あそこはすももの色じゃない




See my baby,
おれのベイビーに会ったら
Tell her, tell her hurry home
彼女に言ってやってくれ、
急いで家に帰って来いよって、彼女に言ってやってくれ
Had no lovin, since my baby been gone *2
全然、愛がなくなった、おれのベイビーがいなくなっちまったもんでさ
See my baby, tell hurry on home
おれのベイビーを見かけたら
急いで帰ってくるようにあいつに言ってやってくれ
I ain't had, lord, my right mind,
おれは、主よ、頭の中がまともじゃないんだ
Since my rider's been gone
おれの乗り役がいなくなってしまってからはな




Hey, she promises, she's my rider
よお、彼女は約束してくれたんだ
あいつはおれの乗り役だって
I wanna tell you, she's my rider
おれはおまえに教えてやりたい
あいつはおれの乗り役なんだ
I know you're mine, she's my rider
おれはおまえがおれのもんだってわかってる
あいつはおれの乗り役だ
She ain't but sixteen, but she's my rider
あいつは16歳でしかないけれど、だけど、あいつはおれの乗り役




I'm goin to Rosedale, take my rider by side
おれはローズデールに行くとこなのさ
かたわらにおれの乗り役さんを連れてな
Anybody argue with me man, I'll keep them satisfied
おれに文句をつけてくるやつがいたら、なあ、
相手が誰でもおれはそいつらを納得させてやるだろう
Well, see my baby, tell her, tell her the shape I'm in
そうさ、おれのベイビーを見かけたら
彼女に言ってやってくれ、
あいつはおれにぴったりの女なんだと伝えてやってくれ
Ain't had no lovin, lord, since you know when
全然、愛をしてねんだよ、主よ、いつからなのかはおわかでっしゃろ




Spoken:
(セリフで)
Why don't you come into my kitchen *3
入って来なよ、うちのキッチンに



She's a kindhearted lady. she studies evil all the time *4
彼女は親切な心をした女性なんだ、
彼女はしょっちゅういけないことばかり考えてる
She's a kindhearted woman. she studies evil all the time
彼女は親切な心をした女性なんだ、
彼女はしょっちゅういけないことばかり考えてる




Squeeze my lemon til the juice runs down my leg *5
おれのレモンを絞ってくれよ
おれの脚にそのジュースがこぼれ落ちてくるまでな
Squeeze it so hard, I'll fall right out of bed
そいつをうんときつく締め付けてくれ
おれはベッドから転がり落ちてしまうだろう
Squeeze my lemon, til the juice runs down my leg
おれのレモンを絞ってくれよ
ジュースがおれの脚を流れ落ちてくるほどにな




Spoken:
I wonder if you know what I'm talkin about
おまえにおれが言ってることがわかるかどうかはわからないがな



Oh, but the way that you squeeze it girl
あゝ、でも、おまえがそいつを締め付けるそのやり方ときたら、おまえ
I swear I'm gonna fall right out of bed
おれは間違いなく、このベッドから転け落ちてしまうほどだぜ



Oh, She's a good rider
あゝ、彼女はいい乗り役だ
She's my kindhearted lady
彼女はおれの親切な心の貴婦人だ
I'm gonna take my rider by my side
おれはおれの乗り役をおれの脇に連れてくぜ
I said her front teeth are lined with gold
そうさ、あいつの前歯には金冠がかぶせてある
She's gotta mortgage on my body, got a lien on my soul
彼女、おれのからだを抵当に入れやがったのさ
おれの魂を担保にしてるんだ
She's my brownskin sugar plum...
やつはおいらの黒い肌をした甘いご褒美のすももなのさ・・・









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 052909










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ということでZepに絡めて、ブルースの偉人たち3人の歌を紹介する小特集のようになったこの4日間ほどでしたが、明日からは、また、もっと簡単な歌に戻りましょう。


それにしても、ロバート・プラントのブルースの歌は、あんまり筋を追ったりせずに、そのとき、その瞬間の(一種の巫女とかシャーマンみたいな)(あるいは (お筆先ならぬ)お舌先、お唇先みたいなものとして、いま、そのときの "音" としての歌=詞として聴くのがよいみたいですね。
歌詞は、詩とちがって、本来は、(歌われているその時間に)いつも つねに現=在としてある、きわめてスキゾフレニックな(=「統合失調症」的な)ものとしてあるものもアリなのですね。これまでここでけっこう歌詞についていろいろと新しい考えを教えられてきましたが、これはまたわたしの(歌詞にまつわる)一種の新たな発見のようなものであり、また、新たな認識の一面でもあるように思います。


それにしても、ブルースが歌うセックスは、
(たとえ大法螺めいたものであっても)
やはり、どうしても(わたしには)どこかで(いわゆる)"貧乏人の子沢山" みたいなことに通じるものがあって、どこかダウナー(= downer )なものが残りますネ。
もっとも、それがまたブルースのブルースたる所=以なのでしょうけれども。







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【Years Ago−Go!】







(1年前のエントリーを Playback♪)





・ 「バック・イン・ザ・USA」 (チャック・ベリー

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060405







(2年前のエントリーも Playback♪)





「仕事」と「世の中」についての(もしかしたらちょっと気づかされるところがあるかもしれない)歌です。
(わたしのうるさくてくどい御託もたっぷりとくっついちゃってますよー、それでもよろしければどぞーーー)




・「ガッタ・サーブ・サムバディ」 (ボブ・ディラン

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050405

*1:この1969年というのは単にBBCで収録された日というにすぎません。アルバム「BBCセッションズ」の発売は1997年、ジョンソンの原曲のレコーディングは1937年。

*2:この歌詞はB・B・キングの「Woke Up This Morning (My Baby Was Gone)」の一節。

*3:明らかにロバート・ジョンソンの名曲「Come On In My Kitchen」(邦題「台所に入ってきなよ」)を想起させるフレーズになっている。

*4:同じくロバート・ジョンソンの名曲「Kindheated Woman Blues」(邦題「心やさしい女のブルース」)を想起させる。

*5:ロバート・ジョンソンのこのフレーズをハウリン・ウルフの「キリング・フロアー」にインサートしたのがレド・ゼプリンの「レモン・ソング」だ。http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070404#p2