真空管アンプが見直されてるって?
東京MXテレビ「ワールドダンディニュース」の中で、プレイバック☆DANDY世代(エイジ)のコーナーがあります。
昨日月曜日のこのコーナーで「真空管アンプ」の特集がありました。
昭和世代の私にとって、これはなかなか楽しいコーナーです。
月曜日のコメンテーター、プロレスラーの高山善廣氏も百獣の王を目指している武井壮氏も、真空管アンプに興味をもたれたようでした。
私が40年以上前に秋葉原にアルバイトに行った時に、秋葉原は「コンポーネント・ステレオ」の最盛期でした。
そこで出会ったのが「真空管アンプのカリスマ」茂木邦宏さんでした。
今は「オーディオのモテギ」として、秋葉原はヨドバシカメラのすぐとなりにお店を構えています。
40年前も真空管アンプは高価で高嶺の花でした。
少し余裕がある人は、ラックスマンのSQ38を購入してましたね。
または姉妹機のトランジスタ仕様のものを買い、真空管アンプに近い音に魅力を感じていました。
しかし真空管とトランジスタアンプを比べて、操作性などを考えてこちらの方が人気がありました。
その頃は「ハイファイ」という言葉で表された、忠実な音の再生のスローガンのもと、日本のメーカーは競っていたように思います。
トランジスタと真空管を聴き比べると、誰でもその差は歴然です。
真空管アンプは深みがあるとか温かみがあるとか、真空管そのものの特性が音となって現れるようです。
比べてトランジスタアンプは、機械的とか冷たい感じが当時はありました。
しかしどちらが原音に忠実だったか、私には厳密なところでは判別できませんでした。
茂木さんの接客を見ていると、お客さんお好みの音楽に適したアンプを、時間をかけて選んでもらっています。
このことから未だにアンプの機械特性で、これはジャズに良いこれはクラシック向きとか、大きな変化はしていないようです。
昨日の放送では、中国で生産することで価格破壊のアンプができたと、日本のメーカーが紹介されていました。
真空管そのものが日本では生産されていないのでほとんどが中国産です。
しかし輸入品は品質に難があり、50本仕入れても使えるレベルは2、3本しかないということです。
その上どうも生産コントロールをしているらしくいつも品薄状態が続く上に、いざ輸入されると買い占めに走る者がいるので、常に高額な商品になっているようなのです。
日本の会社が指導しながら製品管理すれば、高品質の真空管ができるはずです。
このことは鍼灸治療の鍼が、最初は輸入品でしたが品質にばらつきがありました。
それが中国に進出して現地で指導して輸入された鍼は、高品質で安価なため今ではほとんどが中国製品になりました。
同じことが音響製品の世界にもあったわけです。
さて私も茂木さんに勧められたアンプを使っていますが、トランジスタのものと比べやはり特別な思いで聞いています。
どちらが上ということではなく、気分や曲によって使い分けしています。
私が購入できるギリギリの予算内で揃えたものなので、やはり慎重に選びました。
茂木さんが提示してくれたいくつかのアンプを聴き比べました。
スピーカーを変えて音の聴き比べもしなくてはなりません。
試聴室は自宅とは違います。反響音や振動なども試聴室とは異なります。
それを含めて慎重に選別しないと、ベストチョイスはできません。
それにしても、ブームなのか一時は火の消えたような秋葉原の真空管アンプも、ネットで検索すると燎原の火のように燃え盛ってきたようですね。
アナログレコードの生産もほとんどなく、レコードプレーヤーとベストマッチングしていた真空管アンプを、アナログ環境の中でどの程度まで、その性能を引き出してくれる装置の組み合わせを提案できる店があるのか、少々心配しています。
ターンテーブルなど微妙なところで音が出なくなるものなので、どこに問題が発生しているのか分かるような職人は、やはり昭和が遠くなっていくのと並行していくのでしょうね。
予算が許せばあこがれの、マッキントッシュのアンプが手に入ればなあ。
でも一生の夢ですね!