小林信彦と片岡義男の対談集「星条旗と青春と」(副題が、「対談:ぼくらの個人史」)を読む。
目次
はじめに 小林信彦
一九四〇年代 大いなる幻影
一九五〇年代 蜜月の終り
一九六〇年代 根こそぎの十年
一九七〇年代 昨日を超えて
おわりに 片岡義男
戦後史略年表
解説 河村要助
「はじめに」の冒頭から一部引用すると、
《こういう書物をいっしょにつくる気がありませんか、という計画を、ぼくが片岡さんにしたのは、昨年(一九七九年)の暮れ、植草甚一氏が亡くなったお通夜の席であった。
こう書くと、はなはだ不謹慎にきこえるかも知れないが、その直前に、片岡さんがDJを担当しているFM番組に招かれ、二人で一九四〇年代の話をして、たのしかった気分がぼくのなかに残っていたことと、さらにいえば、ぼくは片岡さんに電話で気軽に語りかけるほどには親しくなく、こうした機会がなかったら、声をかけにくい事情もあった。》