ミーハー的映画評/ナスターシャ・キンスキー

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ポランスキー『テス』は三時間近い大作で、『戦場のピアニスト』まで、ポランスキー映画は180分前後が多いのかとちょいと調べたくなりましたが、『ぴぴさんのシネマ日記』によると、テスは映像の美しさとナスターシャ・キンスキーのたおやかな乙女ぶりに惹かれてやっとこ鑑賞出来たとの批評でした。
◆実は映画の内容よりは、監督よりは女優を優先してミーハー的感性でB級であろうとも端役であろうとも、半人半熊役(ホテル・ニューハンプシャー)であろうとも、意識して追いかけたのは“ナスターシャ・キンスキー”なのです。その出演作の中で、もっとも、美しさが映画を支え何回観ても飽きないのはマストロヤンニとの共演『今のままでいて』です。
◆でもこの感想は非常に個人的な好みで、自信を持ってオススメ出来ませんが、“父?と娘”の近親相姦ではないかと微妙な境界線で演じるマストロヤンニにと絡む演技は他の俳優なら破綻して滑稽さを感じるであろう二流のシナリオを二人の俳優の特異なキャラで説得力を持ったラブロマンスとして見事な映画に仕上がったと言えます。俳優で魅せる映画です。こんな映画はファンにとって堪えられないですね。
◆『テス』のキャラはナスターシャ・キンスキーにもっとも、似合わないと思う。『ホテル・ニューハンプシャー』の半人半熊役にしろ、ヴィム・ヴェンダースパリ、テキサス』の“風俗の女”役にしろ、その存在感は圧倒的で、「清純さ」とはほど遠い美女なのだと思う。まあ、この映画そのものも、ポランスキー映画の中で違和を感じるし、ナスターシャでなく、例えば年齢は離れているが、オードリーヘップーバンの方が適役ではないかと、他の女優を思い浮かべることが出来るが、『今のままでいて』はキンスキーしか考えられないですね。勿論、マストロヤンニも…。
◆そうそう、『キャット・ピープル』からナスターシャー・キンスキーは性格俳優的な役がまわってきたのでしょうか、オヤジのキンスキーは怪優の典型でしたね。下でエントリーした「オペラ座の怪人」にぴったりな怪優でしょう。しかし、映画史の文脈で残る名作は『パリ、テキサス』でしょう。
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