「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」3D字幕版


去年からずっと見に行きたいと思ってた「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」を見に行ってきました! 公開から結構時間が経っちゃったのでもうバルト9でも上映が終了していまいしたっていうね!おまけに私の地元じゃ3Dも2Dも吹き替え版しか来ないし……。

公開から結構時間が経っちゃったからか、平日夜の回だけど客はおらず……。てか、249人入る会場で見てるの、友達4人(私を含む)で見に行って、後はカップルが一組だけっていうね。カップル一組いなかったら私らだけだったのかよ! ある意味貴重な体験でした。同じ会場で「GANTZ」「借りぐらしのアリエッティ」も、公開から時間がそれなりの時間が経っているというある意味で同じ状況の中で見に行ったんですが、それでも最低でも3分の1は入っていましたよ。
まぁ、「タンタン」というキャラクターはヨーロッパでは広く知られているのに対し、日本での知名度はそこまで高くはないですからね。確かベルンハルト・シュリンクの「朗読者」の中でミヒャエルがハンナに読み聞かせする本の中に、「タンタンの冒険旅行」が入っていたりしますからねー。
で、感想。


ベルギーのエルジェという作家が描いたバンド・デシネ(漫画)「タンタンの冒険旅行」は私は一冊も原作を読んではおらず、
ついでにピーター・ジャクソンスティーブン・スピルバーグっていうのもいまいちピンと来ず、
「犬つき少年記者&中の人はジェイミー・ベル」ということだけに釣られた人間です。
なので、原作に一切触れずに前情報だけで見に行った人間としての感想は、

面白かった。
ストーリーはサクサクとテンポよく進んでったし、要するに「インディ・ジョーンズを子供向けにしたら、主人公タンタンが思いのほかジョン・マクレーンになった」ということなんじゃないでしょうか。タンタン強すぎだろwwwどんだけダイ・ハードな男なんだよwww絶対数回死んでてもおかしくねー。
スノーウィ可愛いwwwてかスノーウィタンタンより活躍してね??
後、見せ方(演出?)とか映像はすごかった。この見せ方はテンポよく進んで言ったストーリーに相乗効果をしていたんじゃないかと思います。船から脱出→カーチェイスまでの演出は特によかった。なんというか、スピルバーグとジャクソンさんは犬が好きなんですかね。スノーウィを使ったところは全体的に犬の目線になっていいなぁと思っていたり。このスノーウィがいるかいないかで相当話は違っていたと思う。
ハドック船長の酒のネタは酷すぎ!
この映画で3D初めて見たんですが、3Dって慣れるまでが長い、っつーことが本当にわかりました。


ただ、完全に弱い部分がない、ということではなく。
一番感じたのはタンタンのキャラクター。今回の映画だけではタンタンが「新聞記者で冒険しまくっている」「無駄に強い」「目的のために突っ走れる」というところは見えては来る。(タンタンが楽観主義か現実主義者かっていう議論が映画内でもありましたが、少なくとも「大昔に消えたユニコーン号の秘密を追う少年記者」っていう時点で、たとえそれが仕事の一部になっていても完全な現実主義者じゃないよね)ただ、それ以外の「タンタンはどういった人間なのか」という部分はあまり見えてこないので、それがキャラクターとしての魅力を損なわせてしまっているのではないかと思いました。原作ではどうなんでしょう? こればっかりはワタクシは原作を読んでみない限りわかりません。
でもまぁ、このタンタンの「前向きすぎるぐらい前向きで折れないところ」っていうのは、嫌いじゃないんですよね。。。困った。個人的に、タンタンのキャラクターの個性がいまひとつ感じられなかったのがちょっと痛かった。


原作タンタンと映画タンタンの顔があまりにも違いすぎる、と、見に行く前に友人から言われたのですが、映画タンタンの顔がああなったのは、モーションキャプチャした中の人(ジェイミー・ベル)の顔と原作タンタンの顔を足して2で割ったら映画タンタンの顔になった、と私は思います。原作タンタンって、顔だけ見れば「この愛嬌の塊のような顔でどんな大冒険するんだ」っていうぐらいプリミティブですけど、映画タンタンの顔面って変なところで妙に綺麗だったりするからなー。
てことはトーマス・サングスターが降板しなかったら、この子の顔がモーションキャプチャされてたのか?
タンタンの予定だったトーマス・サングスター君の顔面↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:ThomasSangsterJuly06.jpg


あとよかった、と思ったのは、
吹き替えじゃなくてよかった! ということ!


いや、浪川大輔は嫌いじゃない。……嫌いじゃないんだけどね、
ジェイミー・ベル浪川大輔は「最も合わない声優と俳優の組み合わせ」だと思ってるので(その割りに多いんだよなぁ。ジェイミーの声は伊岡丸篤じゃなきゃ嫌だ)、本当に字幕でよかったです。ぶっちゃけこの映画で浪川に声当てられたら、皆も言っていたとおり気の抜けたっていうか、映画全体が緊張感のない感じに出来上がっていたと思うので。。ジェイミーは相変わらずイケメンボイスだったしね!(苦笑)


そんなわけで面白かったです。結構劇場でも笑った部分もあり(特に犬!かみ過ぎ!)。。

これから「源氏物語 千年の謎」とか「怪物くん」を見に行くよりも「タンタン」を見に行くほうが2000円は無駄にならないと断言します。(「けいおん」とか「リアル・スティール」だったらわかんないなー)