暴走少女と妄想症年 2

著/木野裕喜 イラスト/コバシコ レーベル/このライトノベルがすごい!文庫

CLOWNさんに借りました。
一巻の感想で暴走少女じゃなくてただの暴力少女でしょこれじゃ・・・とマイナスな感想を書いたんですが、二巻ではその暴力シーンがほとんどなくて個人的に非常に読みやすくなってて面白かった。
主人公が武瑠に告白して、杏子(新キャラ)に告白された主人公がきっぱりそれを断って振って武瑠ルートを選択したのに、終わってみればなぜか三角関係でした・・・な最後の展開は、過程も納得できたしキャラの行動も自然だったしで非常に上手だったと思います。
主人公が(可愛い女の子と友達になるために)一生懸命頑張ったり相手の気持ちを考えて優しい態度を取るのを見て杏子が好意をもって行く過程は、王道だけど不自然なところもなく丁寧に描写されてて非常にこそばゆかったです。料理できない女の子2人が、主人公に手作り料理を食べてもらうために練習して、少しだけど上達したりと、料理下手で殺人料理食わすみたいなありえないテンプレキャラ描写をしなかったのも高評価。
あとえろい。例えば小さい体操服でぱっつんぱっつんになったFカップ美少女がお尻に食い込んだブルマを直したりってのを事細かに描写する作品で、非常にフェチズムに溢れています。
このラノ文庫やるじゃん。とても見直しました。

夏海紗音と不思議な世界 1

著/直江ヒロト イラスト/水沢深森 レーベル/富士見ファンタジア文庫

「あなた、うちの隊員にならない?なりましょうよ―ていうか、なれ!探検隊員ただ今、ホジュー中。未経験者OKよ」恐ろしく下手くそな字で“探検隊、幕集中!”と書かれた看板を掲げて意味不明な勧誘をしてる夏海紗音。これが彼女との初めての出会い。第一印象は…変な女、だった。幕集中って…。このときは思いもしなかったさ、すでに僕は彼女の能力によって重複世界に誘拐されていたなんて。紗音によって僕のちっぽけな常識が粉々に破壊され、ゲシュタルト崩壊した世界観。信じられないことばかりだったけど、僕は紗音と一緒に世界を破滅の危機から救ったんだ。第21回ファンタジア大賞、読者賞受賞作。

CLOWNさんに借りました。でもよく見たら積読もしてた・・・・・・
夏海紗音がその孤独から求めるものを呼び寄せてしまう「夏海引力」。それによって重複世界に引き込まれた主人公が元の世界に戻るために紗音たちと太平洋にある幽霊島を探して海洋冒険に出て――ってなお話。いわゆるセカイ系SF。ラノベでは珍しい幽霊島を探す海洋冒険ものです。
ヒロインの夏海紗音が最初凄く涼宮ハルヒっぽいんだけど、読み終えると全然違うキャラでした。でも序盤をチラ読みして決める人は劣化ハルヒと思ってスルーしちゃうんじゃなイカ?と心配してしまう今日この頃。
めちゃくちゃ面白い!ってわけではないんだけれど、古き良きボーイ・ミーツ・ガールというか児童文学みたいな安心感のようなものを感じました。少年少女の切ない恋物語を上手に書ききったというか。


以下、結末についての重度のネタバレがあるので読む予定の人はスルーして下さいね。


物語の鍵である夏海引力が彼女の孤独な心を引き金にしていて、主人公と心を通わせる中で孤独感が失われた事で、主人公をこの世界に引き寄せ続けることができなくなってしまうって最後のが切なかったです。どっちに転んでもハッピーエンドを迎えられない悲しいジレンマ。多分頭良い人は序盤の夏海引力の設定を見て悲恋が想像できてしまうんだろうな、とちょっと思ったものの、凡百なぱにーに(=゚ω゚)ノはそこまで思い至ることもなくつつがなく読み終えました。
あと物語の随所で出てきた謎の老婆、主人公には分ったみたいなんですがボクには誰だか真剣に分かりませんでした。教えてえろい人!(>_<)

精霊使いの剣舞(ブレイドダンス) 1 剣と学院と火猫少女

著/志端祐 イラスト/桜はんぺん レーベル/MF文庫J

やってきたよ、ドルイドさん!の作者の新シリーズ。CLOWNさんに借りました。
目的意識が高く状況認識力もあり合理的判断のできる主人公が非常に魅力的だったのに対し、馬鹿で無知蒙昧でプライドだけ高くて判断能力の低いテンプレツンデレヒロインが果てしなくウザかった作品。主人公の精神年齢がかなり大人びてるのに、あまりにヒロインがお子様過ぎて作品のまとまりの無さを感じました。
精霊魔法が発達したファンタジー世界の舞台設定、心身ともに大人のかっこいい主人公、そんな主人公の抱える心の闇なんかは非常に好みだっただけに、もう少しヒロインを魅力的に描いて欲しかった。それだけ残念。