やがて魔剱のアリスベル 1

著/赤松中学 イラスト/閏月戈 レーベル/電撃文庫

作者とイラストレーター見るとMF文庫Jにしか見えないですが実は電撃文庫、そして緋弾のアリアの外伝(ってほどではないですが同じ世界観を有した)な異能力バトルもの。
緋弾のアリアの銃器要素を減らして異能力要素を増やした感じ。
魔法少女やメカ少女、先天的能力者、超能力者、近接戦闘に特化した日本刀の使い手etc...がバトルしたら?という何でもアリ系コンセプト。どんな願いでも叶うという「鳳の欠片」を巡って激しく戦います。
アリアが好きな人は、そのまま楽しく読めると思います。
面白かった。
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メインヒロインのお嬢様魔女アリスベルと主人公・原田静刀の義理妹超能力者が、静刀の前では可愛く振舞いながら見てない所では火花散らせて口汚くののしり合ったり土粥たべさせようとしたりetc...黒さ満点だったのがとても好みでした。
セカンドヒロインはツンデレ魔法使い、3番手にインフィニット・ストラトス無口系メカ少女など受けそうな要素も満載
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主人公・原田静刀は緋弾のアリアのキンジをちょっと積極的にしたようなキャラ。
「バーミリオンの瞳」と呼ばれる能力持ちで、愛刀を抜くと人が変わります。キンジのうじうじウザいところと寒いヒステリアモードスタイルがスポイルされてかなり熱血主人公っぽくなっていました。
男の異能力者は珍しいためヒロインたちは1巻から胸きゅんラブラブモードなんだけど、その恋心が余所に奪われてしまって主人公には届かないって設定で、主人公が鈍感なのではなく強制的に鈍感にされていて、それによってハーレムもので指摘されることが多い「ありえない鈍感主人公」という批判をかわしています。
個人的にこの鈍感設定のところをなるべく合理的に説明するべく力を入れる作品が増えてきて(しゅらばら!、俺修羅、中妹など)結構ラノベ界も頑張ってるなと思う今日この頃。「好き」を「鋤」と勘違いするキ○ガイ主人公とかさすがにどうかと思いますから!
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アリアの世界観なので、藍幇や武偵といった単語や平賀文、八九藻という固有名詞、「――私は一発の銃弾」という言葉などなどクロスオーバーしてる箇所がちらほら。
リアファンはニヤッとできること請け合いです。
おすすめ。

ゴールデンタイム 5 ONRYOの夏 日本の夏

著/竹宮ゆゆこ イラスト/駒都えーじ レーベル/電撃文庫

リア充も人間関係が大変ですね、的なお話。
万里が橋から落ちて入院してすぐリンダと会っていた過去回想のお話から始まって、後半は受験勉強から解放され楽しいこといっぱいの大学1年生夏休み編(ただし微妙な距離感のある三角関係的な人間関係は除く)。
サークルの発表会でハッスルしちゃったり、自宅で嬉し恥ずかし彼女の手作り(?)晩ご飯デートしたり、岡ちゃんハウスへ突撃訪問したり、最後はみんなで日帰り海旅行。
いいな、いいな、リア充っていいなー\(^o^)/
もちろんイベントの至ること頃にラブコメやシリアス、擦れ違いetc...思春期ラブコメ展開が投入してあって、ニヤニヤしながら読めました。
この人の作品は漫画原作のエバーグリーン含めて全部読んでますが、どれもこれもほんと滅茶苦茶好みです。
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最後のシーンは色々解釈はあると思いますが、香子が車の扱いがかなり上手(香子は緊張さえしなければ得意なことは絶対にミスしないタイプ)だったので、万里が寝入ってしまった間に元人格の旧万里の意識が表に出てきて、それが寝言で出てしまったんだと思います。とりあえずおそらく一番普通の解釈かと。
(6巻で単に居眠り運転だと書いてありました。-2013/4/16訂正)
ちなみにボクは海が苦手です。
プールとは異次元の真っ黒な海に対する根源的恐怖心から浮き輪が必須の上、サメとかいう魚類がとても怖いです。だって瀬戸内海でも毎年サメに漁師さんが噛まれてニュースになってるやん!!

やってきたよ、ドルイドさん! 2

著/志瑞祐 イラスト/絶叫 レーベル/MF文庫J

「精霊使いの剣舞」の作者さんのデビュー作。
その昔に1巻を読んだのち絶賛積読放置中だったのを、ブレイドダンスがかなり好みなので崩してみました。
アイルランドからやってきた美少女ドルイド・シャレイリアと、日本人の小娘の百合っ子物語。
全体的にのっぺりしてると言うか盛り上がりが無いというか、いまいち話にメリハリが無く、ダラダラと続く感じでした。
美少女が温泉行ってうんこまみれになったり、裏山で下着ドロボーと戦ったり、食べ物を粗末にしまくりの闇鍋バトルやったりとかそんな感じ。
やや微妙。
精霊使いの剣舞は中身も文章もデビュー当時から大きく成長したなと思いました。