NokiaがMicrosoftと提携
予想通り、NokiaはスマートフォンをめぐってMicrosoftと提携を発表した。両者ともiPhoneとAndroidに押されてきている市場に生き残りの手を打ったと言えそうだ。
Nokia、Microsoftと提携 Windows Phoneを..(ITmedia) ノキア・マイクロソフト提携Q&A:Android不採用の..(Engadget)
AndroidかWindows Phone 7の採用か、あるいはGoogleかMicrosoftのどちらと提携するかだったが、Nokiaの選択はMicrosftだった。だがNokiaは、フィンランドの企業であり続けるという。これまでも「Office Mobile」の導入などMicrosoftとの提携はあったようだが、Bingの導入を含め、プラットフォームがWindows Phoneとなっていくことで、NokiaのMicrosoft化が進んでいきそうだ。
なぜWindows Phoneを採用したかよりも、なぜAndroidを採用しなかったかの方が気になる。結局、オープンソースのAndroidを採用してしまえば、Nokia自身が数あるAndroid製品のメーカーの1つに過ぎなくなるということだろう。そこでは差別化が難しく(コモディティ化)、価格の叩き合いにしかならなくなる。Nokiaのブランドを保ちつつAndroidとiPhoneと対抗するためのプラットフォームとしては、iPhoneと同様にクローズトのOSであるWindows Phoneしか選択肢が残らなかったということだろう。Windows Phoneが現状でスマートフォンOSとしてそれほど優れているとは思えないが、そこにNokiaの携帯電話メーカーとしての技術が加わり、シェアも高くなれば、スマートフォンOSとして進化していく可能性はある。PCのWindowsのときと同様で、優秀なOSにユーザが付くのではなく、ユーザが増えたOSが進化するのである。
これでスマートフォン分野は現状のシェアで見る限り、Android、iPhone、Windows Phoneの3極が形成されていきそうだ。Microsoftとしては、このジャンルで生き残る大きな足がかりを得たともいえそうだ。スマートフォンのみならず、タブレットPCの情勢にも影響してくるかもしれない。