谷根千の「古本屋ごっこ」

 本日付の読売新聞27面に、4月に谷根千でおこなわれた「一箱古本市」に関する記事が、かなり大きく掲載されていました。
 見出しのみ取りあげると、「楽しい“古本屋ごっこ”」「素人がイベント」「ネット普及で根付け簡単」といった感じ。当日の様子や南陀楼綾繁さんのコメントなどもあります。
 記事の最後に、「本の世界では、『読むこと』だけにとどまらない楽しみもたくさん見つかりそうだ」とあるが、まったくそのとおりだと思います。

 本とイベントを連動することにより、「こんな本、でていたのか」という未知の本への気づきが生まれます。「こんな著者、いたのか」という未知の著者への気づきもあります。さらには「こうやって売るのか、売れるのか」など、イベントにより、売る側のみならず買う側にも作る側にも、さまざまな気づきを与えてくれますよね。
 気づくことって、楽しいじゃありませんか。とりわけ忙しい日常を送っている人ほど、ちょっとした気づきに胸が弾むことでしょう。私が著者と書店でイベントをやる大きな理由も、このへんにあったりします。

 それにしても、読売新聞の生活面と国際面は、よく取材しているし、興味深い内容の記事が多い。昔は朝日的なものにカブレていましたが、カンボジアで各紙の記者に会い、海外の新聞を読んでいるうちに、記者クラブ制度に支えられている日本の大新聞の論調は、けっきょくどこも変わらないということに「気づき」ました。
 産経が弾けているようですが、論調が好きではない。ほかの大新聞は、記事の内容がほとんど変わらない。もっとも読むのはテレビ番組表なので、あとは生活面と国際面を比較して、他紙よりも充実している新聞をとろう……。そういうことで、読売新聞を購読しています。ときおり読売版憲法改正案などというギャグ記事が掲載されて、けっこう楽しめますし。