入院しました その3(ステロイドパルス 副作用)

入院-14日。3月の末に、駆け込み需要で自転車を買う。というか正確には、初診を受けた日の前日にロードバイクを予約していたんだけど、自分の平衡感覚がいつ失われるか分からなかったので、もっと乗りやすい自転車とした。歩くより自転車に乗っている方が楽だ。その後、この自転車は入院物資や病気の本、役所への届け出などに活躍することとなる。

入院6日目。ステロイドパルス3日目で1クールの最終日。午後は特に何もないのだが、副作用が出ると厄介なので翌日朝まで待機することとする。貰ったDVDを見ない訳にいかないと思い、映画を1本見る。この日は睡眠が割と取れる。
前日まで悩んでいた注射部位の痛み。右手の柔らかい部分に刺し直し、嘘みたいに消える。普通パルスは痛くないもの。痒み発作のある左手、手の外側の骨ばった部位だったのが悪かったようだ。

入院7日目。パルスの翌日朝に、顔面紅潮、ムーンフェイス、動悸という副作用があるのが分かっていたため、昼食まで病院にいることにする。マッサージしていると顔の横のリンパが痛い。昼食後、外泊に出かけるが、足の痺れが治療前よりも不愉快で、治る経過として痺れが取れる過程なのか、ステロイドの副作用なのかわからない。さらに手の痒みと目眩まであり、正直治療前よりも具合が悪い。それでも家に帰って自転車を引っ張りだし、自転車屋と本屋をはしごしたあと、家族と会食し家に戻る。自転車に乗っている間は壮快で目眩など気にならない。自宅に戻り10時から5時頃まで寝る。

入院8日目。この日は午前中を雑務に追われ、その後保健所へ。家に帰って久々のバスタブに浸かり、17時半の夕食に間に合うよう病院に帰還。病院までの電車の1時間、座れなかったのもあるのだが、足の痺れ、目眩、手の痒みが気になって仕方がない。帰ってすぐにナースに申告するが主治医には会えず。さらに眠れず0時頃中途覚醒する。夜起きても良いように自転車用のライトを持ってきて、ハンカチを掛けて蛍雪の代わりとする。

入院9日目。午前は心理検査があり、鬱や統合失調に該当しないか色々と質問を受ける。これは診断に必要なものではなく病態の研究への協力。明日からまたパルスであるが、症状がパルス前よりも悪くなっていることを朝も夕もしきりに訴える。この日は昼食時に過去最大の目眩が来て、地震でもあるのかというような横揺れ。昼食後は眠りが浅かったため昼寝の気分になり、気持ちよく寝る。午後に家族が面会に来たためお茶をしながら雑談し、気も紛れるが、目眩と痺れは少し軽くなった程度。夕方ようやく主治医が来る。MRIの結果をみて病気が急速に進行しているからこのようにパルスをしても具合が悪くなっているのではないか、という疑問をぶつけたところ、新規病変はないという。単純にステロイドが合わないのかもしれないし、治療過程なのかもしれない。とりあえず翌日のパルスは行うこととなり、自分もそれに同意する。また知能テストの結果に問題がなかったことを知らされるが、自分としては名前が出てこないことが(前からだが)結構ある印象。知能指数について色々と話し合いをし興味を惹かれる。しかし医師や看護師になるという選択は尊いなぁ。自分が潰れそうでなかなか難しそうだ。

入院10日目。パルス2クール目開始。この日の昼以降、目眩が消える。足はややしびれており、手はほんの少し痒いがようやく回復の糸口が掴めてきた。主治医は朝、点滴の針を刺しに来たが、具合が良いことを伝える。「一番何が良くなりました?」「力は戻ってると思います。膝が折れなくなりました。」「一番何が気になります?」「目眩、痺れ、かゆみ。とくに目眩と痺れは前より強いし、目眩は生活に影響があるレベルで一番困ってます。」それでも、主治医は昨晩もう一度MRIを見てやはり悪化しているわけではないことを確認してくれたらしい。午後には下半身のMRI、これは念のため撮ったらしく問題はない。体重が2キロ増える。翌日朝トイレに行けないというので、わざと12時に寝るが1時まで寝付けず、かつ6時過ぎには起きる。

入院11日目。パルス通算5日目。私の場合2クール目は不眠以外副作用なし。動悸も顔の膨張も紅潮もなくなった。筋肉痛のようなものもあったんだが、実はこれはステロイドが筋肉を増強させると勘違いして筋トレをした所為である可能性大。実際には別の種類のステロイドでないと筋肉は増えない。朝は腹部エコー、その後パルス、そして背中のMRIパート1。主治医とすれ違い退院日が1週伸びることを知らされる。脳の病変が多いのと、背中のMRIに病変があったためである。臨床症状から予測はしていたがショックである。自分の病名(ブログでは知人の検索避けのため公開していない)が大体確定してきた。最も軽いものだと言って良く、幸運なのか不幸なのか解らない。他の病気の人の気持ちを思うと何とも言えない。足が軽くしびれているだけで極めて好調。2km軽いジョギングに出かけるがやや足がつっかえたのでやめる。主治医には夜もう1度呼び出され、解る限りの診断結果を告げられ今後の治療方針を説明される。総括は入院15日目に行われる予定。走ったと言ってもそうですか、というだけで全く動じない。話が通じるし自分とは違う意見を言ってくれるので有り難い。来週から経口ステロイドも開始。食事如何に関わらず糖尿になるリスクがあるが、糖尿病になったほうがまだマシで、今は付き合っていける病気らしい。11時に寝て5時に自然と起床。朝食を抜いたためか体重が2キロ落ちる。

入院12日目。パルス2クール目終了日。1クール目の1、2日目は骨張った部位に点滴されズキズキ痛かったが、その後はそんなことはなし。副作用も和らぎ、治療の結果も足の痺れを残すのみ、目眩はほぼ完全に消えた。素晴らしい。午後、MRIパート2。この結果は知らない。会社の人が見舞いに来てくれて有り難い。主治医には会うことなく週末に入ることとなった。体重は更に0.6キロ落ち、正直史上最強痩せ状態。

全体として、パルスの効果がようやく見えてきた2週目だった。