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一日一冊一感動!小野塚 輝の『感動の仕入れ!』日記

2017-01-20 「考えの整頓」(佐藤雅彦)

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考えの整頓


私が、毎朝楽しみにしている番組がNHK「0655」。とくに「おれ、ねこ」「わたし、ねこ」のコーナーがタマラナイっ!!!(・∀・)


その生みの親であり、ポリンキー」「だんご3兄弟」「バザールでござーるをも創りだした佐藤雅彦氏。その目のつけドコロと発想には感心している。(・∀・)


暮しの手帖大人気連載「考えの整とん」が単行本になりました。 ともすると見過ごしがちな、日々の不可解なことを独自の分析で考察した27篇です。 誰も考えもしなかった物事の本質にじっくりと迫り、思いもよらない考え方をハッと気づかせてくれる、面白くて鋭い名文の数々。そのエッセンスを紹介しよう。


projectという言葉は、pro+ject つまり前に(=pro)投げかける(=ject)ということを語源として、一般的には「企て」とか「計画」とかという意味で使われている。私は、その根源的な意味をもう一度追加させて、「未来に投げかけること」という意味合いで、自分やスタッフに対してこの語を使うことがある。別の言い方をすれば、将来に、その価値が発現されることを強く意識した活動を、自分たちの『プロジェクト』として定義したのである。それは、自分たちの目線がどうしても目先のことだけに向けられ、スポーツで言うルックアップができていない状態になるのを防ぐためでもあった。確かに、「未来に投げかける」ということを意識すると、自分のまわりに次元がひとつ増えたような感覚が生まれ、地面に何かの種を埋めた時のような期待と希望が生まれたりするのだった。


ICレコーダーをメモ代わりに使っていた時期がしばらくあった。ある深夜、いつものように声のメモをデスクの女性に残そうと覆った私は、ふいにある事(=いたずら)を思いついてしまった。そしていつものように連絡事項を吹き込む前に、「ある事」をまず吹き込み、録音の済んだICレコーダーをなんと事務所の冷蔵庫に中に入れておいた。そして翌朝、いつもは机の上にあるICレコーダーを、なぜか冷蔵庫で発見した彼女は、どうしてこんなところに?と〈再生〉のボタンをピッと押す。すると、すっかり冷えたICレコーダーは叫んだのである。「あ〜、さぶかった」


その他、「おまわりさん10人に聞きました」「物語を発見する力」「中田のスルーパスと芦雪」「もう一人の佐藤雅彦」「想像料理法」「この深さの付き合い」「無意識の引き算」「絶対、船酔いをしない方法ー佐藤方式」「耳は口ほどにものを言い〜空き巣の方は読むのを禁止します」「一敗は三人になりました」「「差」という情報」など。

マジで、おまわりさん100人に聞いてみたい!オススメです。(・∀・)!


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考えの整頓

2017-01-19 「依頼と説得の心理学 人は他者にどう影響を与えるか」(今井芳昭)

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依頼と説得の心理学―人は他者にどう影響を与えるか (セレクション社会心理学)


結論。この本は役に立ちます、使えます。(・∀・)


本書では対人的影響のうち「意図的な対人的影響」についてより焦点を絞り、日常的によく起こりがちな依頼・要請、説得を主なテーマとして論じている。どのように相手に働きかけると、相手はこちらの望むように行動してくれるのか?働きかけられた相手はどのようなプロセスで自分の反応を決めるのか?こういった具体的な働きかけ方や、働きかけの効果性、また、働きかけられる相手の反応過程などについて解説した。そのエッセンスを紹介しましょう。



・本書では、コミュニケーションの中でも人に働きかける、働きかけられるという対人的影響に焦点をしぼり、社会心理学観点からまとめたものです。キーワードは、対人影響力、依頼・要請、説得、コミュニケーションです。


私たちが他の人達とコミュニケーションをする目的は、自分の考えを表明すること、他者から情報を得ること、他者に影響を与えること、そして他者との対人関係を維持することです。このうちの他者に影響を与えること」についていろいろな側面から見ていきます。その理由は、私たち各人がいろいろな意見や考え、欲求をもっており、それらを実現するために他者の協力を必要とする場合があり、その時の働きかけ方について明らかにすることが重要と考えられるからです。


他者に働きかけるという場合の与え手の目標


1 許可を得る 2 支援を求める 3 アドバイスをもらう 4 意見を変える 5 一緒に行動する 6 第三者からの支援を引き出す 7 ものを打ったり買ったりする 8 法を破る 9 義務の遂行を求める 10 自分の権利を守る 11 対人関係の質を変える


・私たちの行動に影響を与えている大きな要因の一つは、賞と罰です。ヒトを含め動物は、ある行動をとった後、自分にとって賞(望ましいもの、手に入れたいもの、報酬)を得ることができた場合、その行動を繰り返すようになります。逆に、罰(望ましくないもの、回避したいもの、コスト)を得た場合、その行動を繰り返そうとはしなくなります。私たちは、できるだけ賞を獲得し、罰を回避するように行動しているということです。


・悲しい気分のときの方が幸せな気分のときよりも、判断すべき内容をよく吟味して、慎重に物事を判断するようです。逆に幸せな気分のときは、あまり内容の吟味はせずに、短絡的に安易に判断してしまうようです。


・どうやら人を説得する一つの策略的な方法は、とくに受け手が関心をもっているテーマの場合には、受け手に直接働きかけるよりも、誰か他の人に働きかけているところを偶然を装って受け手に観察させる(漏れ聞きさせる)ことのようです。


その他、「社会的手抜き」「社会的促進」「漏れ聞き効果」「行動感染モデリング」「情動感染」「栄光浴」「フット・イン・ザ・ドア法(段階的依頼法)」「ドア・イン・ザ・フェイス法(譲歩的依頼法)」「ロー・ボール法(特典除去法)」「ザッツ・ノット・オール法(特典付加法)」など。


さまざまなテクニックを実例を交えていて、すぐに現場で役に立ちます。オススメです。(・∀・)


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依頼と説得の心理学―人は他者にどう影響を与えるか (セレクション社会心理学)


 

2017-01-18 「法華経」ってそういうことだったんだ。(新現代語訳 正木晃)

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「法華経」って、そういうことだったんだ。


お経ってよくわからないよね。いったい何が書かれているのか?どういう意味なのか?(・o・)

さて、名前は聞いたことがあるけど、果たしてどういう内容なのかわからない法華経これを、誰でも理解できる読みやすい現代語訳にしたのがこの本なのだ。スゴイよ〜〜!壮大な大スペクタクルなドラマだったのだ〜!そのエッセンスを紹介しましょう。


・すると釈迦如来は眉間の白毫から光をお放ちになり、東の方向にある一万八千の世界を、下は最低の無間地獄から、上は最上の有頂天(シキクキョウテン)まで、くまなく照らしだしたのです。そこにつどっていた者たちは、それぞれの世界で神々、人間、阿修羅、畜生、餓鬼、地獄の六種類の生きとし生けるものがいるのを見ました。


霊鷲山(りょうじゅせん)は、そのかたちがちょうど鷲が翼を広げたすがたに似ているので、こう呼ばれました。ただし、けっして風光明媚なところではなく、むしろ荒漠たる岩山です。遺体を鷲に食わせる鳥葬場だったという説すらあるくらいです。そんな霊鷲山がなぜ説法の場所に選ばれたのか。一つは首都の中心には旧来の伝統がまだ根強く残っていたので、ブッダのような革新的な宗教者は入り込めなかったらしいのです。もう一つは、自分の説法には、鳥葬場のような、この世の無常を感じさせる場所がふさわしいと、ブッダが考えた可能性です。


聴衆はたくさんいます。四衆とよばれるお坊さん・尼さん・男女の在家修行者、菩薩たち、神々、国王、龍王とその従者たちです。もちろん、マガダ国王の阿闍世王とその母もいます。ざっと合計すると、聴衆の数は数十万どころではありません。


法華経はいま初めて説かれるのではなく、ほとんど無限の過去からずっと説かれていた、いわば永遠の真理である。ただし、その法華経を説く如来に出会えるチャンスは、かぎりなくゼロに近い。ところが、いままさにその法華経が説かれようとしている。だから心してお聞きなさいということです。


法然親鸞一遍にとって、信仰の核心は、救いはもっぱら阿弥陀如来からもたらされるという「他力」でした。法華経は自分を自分の努力で救うという「自力」の信仰ですから、百八十度、考え方がちがっていたのです。


まさに、この本のタイトルどおり。へー〜そういうことだったんだ〜〜!?だよねえ。オススメです。(・∀・)


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「法華経」って、そういうことだったんだ。

2017-01-17 「オニのサラリーマン」(富安陽子・大島妙子)

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オニのサラリーマン (日本傑作絵本シリーズ)


いや〜!ケッサク、傑作っ!思わず、笑っちゃうなあ!(・∀・) 多かれ少なかれ、地獄ってこんな風になっているのかも!?


「赤鬼のオニガワラ・ケンは、地獄カンパニーの平社員。一男一女あり。朝は早起きゴハンもしっかり、びしっとスーツで決め、愛妻弁当と金棒持って、満員バス(通勤“地獄"?)で出勤です。社長然とした閻魔大王の指示で、今日は血の池地獄の見張りにつくことになりました。釜ゆで地獄の火の番を言いつかっ た同僚のオニジマからは「ええなぁ。らくちんやんか」と羨ましがられますが、なんのなんの、亡者どもはさっぱり言うことを聞かず決まりも守らず、仕事熱心 なオニガワラは声をからしてヘトヘトです。そして、ちょっと油断したすきに、大変なことが起きてしまいました!どうするオニガワラ!」

そのエッセンスを紹介しよう。



わし、オニでんねん。すんません。

じごくづとめの サラリーマン「オニガワラ・ケン」

きょうも げんきに おはようさん。


じごくへ ついたら まず じゅんばんに

えんまだいおうさまに ごあいさつ


「えんまさま、おはようございます」

「うん。オニガワラくん、おはようさん。きみ、きょう、ちのいけじごくの かんし たのむわ」

「へーい、かしこまりました」


「オニジマ、おまえ きょう、どこの とうばんや?」

かまゆでじごくの 火の ばんや。 あつうて あつうて かなわんわ。オニガワラ、おまえ、きょうは、なんの かかりや?」

「ちのいけじごくの みはりやねん」

「ええなぁ。らくちんやんか。かわってほしいわ」


芥川龍之介蜘蛛の糸の裏側ってこんな風になっているんだ。

もちろん飲むお酒は鬼ころし。料理は、「『オニ』オンスライス」「マカロ『オニ』サラダ」「『おに』ぎり」だったして。(笑)親子で楽しめる本。超オススメです。(・∀・)


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オニのサラリーマン (日本傑作絵本シリーズ)

2017-01-16 「津山三十人殺し 日本犯罪史上空前の惨劇」(筑波昭)

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津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)


この本は、読みたくなかった。しかし、最後まで読まずにいられなかった……。今から80年近く前にこんな事件があったなんて知らなかった……。横溝正史八つ墓村』、松本清張『闇に駆ける猟銃』、名だたる作家たちが、幾度となくこの事件の真相に迫ろうとした!


一夜のうちに、村人30人を殺害──。昭和13年岡山県内の農村で起こった津山事件」。小説八つ墓村」のモデルにもなった大量殺人事件の真相とは!?漆黒の晩、日本刀一振と匕首二口、そして猟銃をぶら下げ襲撃を遂行し、その後、自らも果てた男の抱える闇とは何だったのか?丹念な取材と豊富な捜査資料をもとに再現される、戦慄の惨劇。日本犯罪史に暗い影を落とす“大量殺人の記録”に迫る。不朽のノンフィクション」そのエッセンスを紹介しよう。



・事件ルポに携わるライターや編集者が集まると、「これまで最もショッキングだった殺人事件は何か?」などのランキングが話題になる。己が取材した事件だけだでなく、見聞きしたもの、生まれる前のものもある。帝銀事件、吉展ちゃん誘拐殺害、赤軍派粛清連続殺人、幼女連続猟奇殺人酒鬼薔薇事件、池田小無差別児童殺傷……「しかし、あれには負けるよな。岡山のーー」途端に座が静まり返る。誰もが言葉を失い、顔を見合わせる。「まあ、遥か昔の事件だからな」70年近く前に起きた事件でありながら、それを口の端に載せた途端、忌まわしいタブーの数々と漆黒の闇が迫り、口を噤まさせてしまう。


・昭和13年5月、中国山地の人口110人余りの集落を舞台に、一夜にして30人が殺された事件は、そのスケール、爆発力、そして流された鮮血と臓物の量、すべて桁外れである。世界に目を移せば50人、100人の犠牲者を出した大量殺人事件もあるが、長期に亙ったものばかりだ。一夜にして、それも二時間足らずの間にひとりで30人を惨殺した事件は、世界でも空前絶後である。この未曾有の大事件の全貌に、当時の警察・検察資料、証言等から迫った、質量ともにヘヴィなルポルタージュである。


・深夜、22歳の都井睦雄は愛する祖母の首を斧で叩き切り、それを狼煙(のろし)とばかりに、恨みを持つ村人を猟銃と日本刀で殺しまくり、自らも心臓を撃ち抜いて果ててしまう。都井は遺書に村人への呪詛の言葉を綴った後、こう記す。

僕が此の書物を残すのは自分が精神異常者ではなくて前持って覚悟の死であることを世の人にみてもらいたいためである〉ただひとりの肉親である姉宛の遺書では、殺人鬼らしからぬ配慮も見せる。〈ああ僕も死にたくはないけれど、家のことを思わぬではないけれど、このまま活かしていたらどうせ結核にやられるげきだろう。そうしたら、近隣の鬼のような奴等は喜ぼうけれど僕はとてもうかばれぬ。どうか姉さんは病気を一日も早く治して強く強く此の世を生きて下さい。僕は地下にて姉さんの多幸なるべきを常に祈って居ます


犯行のキーワードは3つ。両親との死別、結核、それにセックスだ。事件当時タブーとされた、蛇の群れが絡み合うような村のセックスを生々しく描くと同時に、昭和11年(都井20歳)5月の阿部定事件が影響を与えている。本書は優れた事件ルポであると同時に、人間が本物の悪魔へと堕していく様を克明に記した、極めてまれな記録である。


阿部定は好き勝手なことをやって、日本中の話題になった。わしがどうせ肺病で死ぬなら、阿部定に負けんような、どえらいことをやって死にたいもんじゃ」もしこれが事実とするならば、都井の凶行の動機には、結核による絶望と部落民への憎悪のほかに、強烈な自己顕示欲があずかっていたにちがいない。西加茂尋常小学校始まって以来の秀才と目された彼の意識は不条理な屈折の果てに、空前絶後の大量殺人というかたちにおいて、はじめて自己顕示の完成を遂げたのかもしれない。


スゴイ……どうやって取材したんだろう……「事実は小説より奇なり」hが、このことを言うのだろう。小説でもここまで書けないし、ここまでの事件は起こさないだろう…スゴイ、スゴすぎる……。あまりに生々しすぎるけど、興味ある方のみ、お読み下さい。

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津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)