私がiPhoneアプリ開発で使う10の書籍

というタイトルで先日、(財)ふくい産業支援センター主催イベント「アップグレードふくいVol.26」にて発表を行いました。
ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。


(※追記:2012年度版のおすすめiPhoneアプリ開発書籍記事を書きました!→「iPhoneアプリ開発10冊のおすすめ書籍 -2012- - モノバイトとスマートフォンアプリと他何か」)


さて…イベントから10日以上経過しまして、主催者の方からイベントのアンケート結果をいただきました。
私の発表に「満足」と回答していただいた皆様、ありがとうございます!
私の発表に「不満」と回答していただいた皆様、本当にすみませんでした!


で、一番不満点で多かったご意見…それは…

スライドのページをめくるのが速すぎて書籍名がメモれません

本当にすみませんでした!
スライドの下部にも常時、書籍名は出していたのですが文字が小さかったとのこと…


ということで改めまして…ここに書きます…私がiPhoneアプリ開発で使う10の書籍を!
(スライドほぼそのままの内容ですが。。。)

入門編

まずは、最初に読むと良さそうな本からどうぞ。

詳解 Objective-C 2.0 (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)

  • Objective-Cの言語内容に関する解説
  • C言語の基礎は知っていることを前提とされている
  • 著者の荻原剛志氏はNeXTコンピュータ(現在のMacの基盤)による教育用計算機システム導入などの実績がある
  • 基本的にMacアプリ開発用の本の為、iPhoneアプリの開発方法については書かれていない

iPhone Developer Programに置いてあるサンプルコードを見ながら内容を照らし合わせて読み進めると良いかと思います。

iPhone SDKプログラミング大全 (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • Objective-Cの基礎
  • Xcodeの基本的な使い方
  • iPhone API(UIKit)の基礎(画面構成・文字列表示・タッチイベント・加速度センサ・ネットワーク・グラフィック・音声etc)
  • 著者の木下誠氏はMacアプリ開発の著名人、iPhoneアプリを当初から開発・販売(駅探エクスプレスをAppStore開始と同時にリリース)

iPhoneでどういうことができるかを知る、とにかくまず作って動かしてみる場合に最初に読むと良いかと思います。

現在ではiPhone SDK3改訂版も出てます。
iPhone SDK 3 プログラミング大全 実践プログラミング (MacPeople Books) (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)

中級編

次のステップはこちらの本から!

はじめてのiPhoneプログラミング (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • amazonにて最も売れた(らしい)iPhoneプログラミング書籍の和訳本
  • iPhoneAPIを手広く紹介
  • ただしObjective-Cの解説はほとんど無いので注意

現在ではiPhone SDK3改訂版も出てます。
はじめてのiPhone3プログラミング (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)

iPhone デベロッパーズ クックブック (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • iPhoneハックで有名な、エリカ女史が著者の和訳本
  • iPhoneAPIを手広く紹介
  • ただしObjective-Cの解説はほとんど無いので注意

実践編

中級編までの本を読めば、ツール系や動きの少ないゲームであれば開発が可能だと思います。
しかし弊社はゲーム開発がメイン…激しい動きにはOpenGLOpenALが必須!…そしてiPhoneAPIに関してももっと細かい情報が欲しい!
というわけでこちらの3冊!

iPhone SDK アプリケーション開発ガイド (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • 技術者の皆さんが大好きなオライリー
  • iPhoneAPIを手広く紹介
  • 部分的ではなく、アプリとして使えるサンプルコードが多め
  • ただしObjective-Cの解説はほとんど無いので注意
  • AudioUnit、OpenALの情報がある(サンプルコード付き)
OpenGLで作るiPhone SDKゲームプログラミング (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • 米国AppStoreで1位を獲得したアプリ「LightBike」の開発者による著書
  • OpenGL Esでのグラフィック描画方法を紹介(2D・3D共に)
  • パーティクル描画・衝突判定・制限時間判定などゲーム作成時に役立つコーディングテクニックも紹介

iPhoneでのゲームを作りたいならば必読!

iPhoneプログラミングUIKit詳解リファレンス (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


iPhone開発時、手元に置いておきたい一冊です。

専門編

さらに奥深い知識が欲しい方はこちらの本をどうぞ!

iPhoneゲーム開発ワークショップ (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • ゲーム開発者による翻訳本
  • 書かれた内容がバラバラ…しかし内容は濃い
  • RailsWebサービスを使ったハイスコアサーバなど、ネットワークを使ったサービスの作り方
  • C言語(またはC++)で書いたほうが良いと力説…速い・他プラットフォームへの移植性が高くなるため(iPhone独自のAPIを使う部分以外はC言語で記述した方が良い…らしい)
  • その他にもiPhoneアプリ高速化のノウハウが色々
  • ユーザインタフェース論などの読み物的な記事も多い
iPhone Core Audioプログラミング (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • サウンドに関する詳細記事のみの本(サウンド関連プロパティ、マナーモードでも音を鳴らす方法など)
  • 音声の再生・録音(リニアPCMだけでなく、リニアじゃないPCMについても)
  • 波形処理、エフェクト合成処理などの記事
  • iPodライブラリに関する処理の記事
  • iPhoneアプリサウンド関連はほぼ網羅されている

楽器アプリなど、サウンド中心のアプリを作りたい方にはとても参考になると思います。

iPhoneアプリネットワーク+GPSプログラミング (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


  • ネットワーク・GPSに関する詳細記事が書かれている
  • ネットワーク系iPhoneアプリで有名な会社(ニュートンジャパン)の方が著者(昔販売されたApplePDA「Newton MessagePad」のアプレット開発を行っていたらしい)
  • ネットワークを絡めたサービスを実際に作るまでの解説がされた実践的な本
  • WordPressと連携したWEBサービスの作り方
  • GoogleMAPを使ったWEBサービスの作り方
  • iPhoneをWEBサーバにする
  • カメラとWEBを連動させたサービスの作り方…ARも
  • XCodeのツール(デバッガなど)の使い方が書かれている
  • 開発者向けのアプリの配布方法(Adhoc)が書かれている

タイトルの内容以上に色々書かれていて、なかなか良い本だと思います。

おまけ

発表は開発者向けに行っていたのですが、どうもイベントにはWebデザイナーさん達も多かったらしく…上記10冊のお話は畑違いだったかもしれません。
というわけで私の持っている11冊目の本を紹介します。

iPhoneサイト制作ハンドブック (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)


更なるおまけ

当日の発表では

書籍をネットで買うのもいいけど、地元のお店で買って地元貢献しましょう!

ということで福井県内北側*1おすすめのお店を発表しましたが、本記事ではAmazonアフィリエイトをバンバン貼っております…。
アフィリエイト福井県外の方が本記事を読んだ時のためのものですので、福井県の方は下記店よりお買い求めください…!

勝木書店の、新二の宮店

福井県の書店で(おそらく)一番有名だと思われる勝木書店。その中でも新二の宮店が一番ラインアップが豊富です。
イスに座ってしばらく読むこともできるので、じっくり選びたい方には特におすすめです。


あと、私が毎回購入している「パズルコレクション」なる本を県内で安心して購入できる書店は、知る限りではここだけ…!

http://www.100mv.com/top.htmlの、福井本店

こちらは基本的に家電屋なのですが、福井本店では書籍も販売されています。
そしてこれは個人的な感想なのですが…書籍のラインアップが県内の他書店に比べ「わかってる感」があります。
iPhoneアプリだけではなく、FlashAndroidなどの書籍に関してもトレンドを押さえたラインアップだな、と。
こういう空間を彷徨うだけでテンションがあがる理工学系男子*2でございます。

おわりに

私が使う書籍ということで紹介させていただきましたが、もちろんこれ以外にも素晴らしい書籍は多く存在しているはずです。


特に入門系の書籍は、開発を開始してしばらくしたころの私にはもう必要がなかった*3ためほとんど購入しなかったのですが、かなり多くのものが発売されています。
例えばObjective-Cの入門書籍として「詳解 Objective-C 2.0」を紹介しましたが、今ではより入門向けの入門 Objective-C 2.0 (Programmer’s SELECTION) (クリックでAmazon.co.jpへ移動します)のような書籍も発売されています。


これから開発を始めようと思っている方、現在開発を行っている方、iPhoneアプリ開発者の皆様が良書に出会えることを願っております!

良書な予感…!

「おわりに」…と書いておいて恐縮ですが、知人が現在iPhoneアプリ開発本を鋭意執筆中です。
ちなみに福井県出身でiPhoneの「あんなゲーム」や「こんなゲーム」に係わった方でございます。
現時点でどこまでネタバレをして良いのかわからないので…とりあえず書籍に掲載予定のサンプルアプリを見せていただいたのですが…


よさげです…すごくよさげです!
「この本があれば開発がまた一歩楽になりそう」という感じでした!
また情報が入り次第、本ブログで紹介します。


[2010/09/28追記]こちらの書籍です!
書籍「そのまま使える iPhoneアプリプログラム」を福井の本屋はもっと仕入れるべき - モノバイトとスマートフォンアプリと他何か

*1:嶺北地方といいます

*2:今年で32ですけどね…

*3:最初のアプリ完成後に和書がたくさん発売されたのです。。。