超WONDERFUL!⑥〜その先の℃-uteを見に〜

いまさら感はありますが、どうしても書いておきたかったことに触れてみようと思います。

℃-ute 6thアルバムについて。

このアルバムは震災の影響もあって当初より発売日が延期になりましたが、それでももうリリースされてから4ヶ月近くになります。
このリリースから間もなくして合同紺、そしてアルバムを引っ提げての春ツアーに突入していきました。そんな事もあって結局書けずじまいだったアルバムの感想を書いてみようと思いました。
それもどうせこの時期に書くのだからライブの思い出なんかも少し織り交ぜてみようと思います。

超WONDERFUL!(6)(初回限定盤)(DVD付)

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M-1 超WONDERFUL!

イントロから16ビートのブラッシングと、ノリノリギターも印象的な元気一杯のロックナンバー。
アルバムの表題曲でハロ紺でもいち早く披露されました。
℃-ute的というよりは、非常にハロプロ的だなって感じる1曲です。ロックの基本要素でもある縦ノリにアイドル的な横ノリをミックスさせると。。それは縦横縦横無尽とも呼べるノリ、楽しさを生みだします。
ハロプロつんくが斜に構えない分、この手の楽曲はダイレクトで非常にパワーがあります。今作もその例に漏れず、さらに℃-uteのパワーヴォイスとも相まって、抜群のパワーと楽しさを生み出しています。
歌詞も「ライブに行きたいな」「旅行に行きたいな」とか無邪気でメチャクチャ可愛いし、間奏の「三拍子!」やギターソロと、その後の「℃-ute!」の掛け声では、℃-ute全員がエアギターやってる情景が浮かび上がってきたり、本当に楽しい1曲です。
唯一春ツアーのあの間奏部だけが残念なことになっていましたが(^_^;)

アルバムの曲目を見た時、ハロコンで聴いた時、このアルバムを聴くまでは間違いなくこの曲がリードトラックだと思っていたのですが。。



M-2 Midnight Temptation

このアルバムのリードトラックでもあり、4thの表題曲でもある「憧れ My STAR」以来のセンセーショナルな1曲でした。
とはいえ初聴きの時は、ああいい曲だな!って程度の感覚だったのですが、聴き込む内に、そしてライブを観ている内に、℃-uteでも屈指の楽曲に変わってきました。
オリエンタルチックの特徴的なイントロから一転、ウィスパーヴォイスを織り交ぜた追いかけで構成されるA,Bメロはヒリヒリとしたスピード感がとても心地良い。このクールなウィスパーヴォイスは今作の聴き所の1つです。
実はこのウィスパーヴォイスについて愛理はいくつかのインタビューでその秘話を紹介しています。
「レコーディングの時に風邪をひいてて、鼻声とガラガラ声のWパンチで。高い声が出辛くて、どうしようかと思っていたら、「この曲はウィスパーが多めでいい」と言われて。逆に、いつも出ない低い声が出ました。」(ヤンヤン Vol.19)

この曲全体を支配するクールさは、曲の1つのテーマでもある「夜」を表現していますが、この曲はそういったクールさと背反する激しいビートも特徴です。
静かなA,Bメロから徐々に盛り上がっていく、Cメロ。特にちっさーの2番での破壊力は凄まじい。まるで44マグナムが火を噴くような音圧です。
初めてCDを聴いた時ですらその迫力には驚きましたが、ライブではよりテンションが高かったのでしょう、さらにギアを一段あげてきて、もうシャウトのような歌声。本当にちっさーの声には快感を覚えました。
そこからの勢いにのったサビでのクールで激しいビートと畳みかけるような歌声は、この曲の肝でもある、情熱的な夜を表現しています。

と、静と動の切り替わりがとても特徴的な楽曲ですが、特に間奏からオチサビに突入する部分は圧巻です。
静かなメロディから、徐々にチョーキングを織り交ぜて激しさを増していくギターソロとビート、最後は急激にその度合いを強めて、まるでレーシングカーがエンジンの回転数をあげて加速した時に吐き出されるエギゾーストノートのような迫力です。

このテンションに呼応するように、ビートに合わせて怒号のoiコールをかぶせる光景は1曲目ながら春ツアーを代表するシーンの1つ、本当に凄まじかった。

℃-uteの得意とするスピード感とクール系、そして初期℃-uteの代名詞だったエキセントリックさ、この相反するようなテンションの衝突が、この楽曲のタイトルでもある「真夜中の誘惑」を見事に表現していたと思います。

小悪魔℃-uteが魅せたクールで情熱的な誘惑に、ネクストの℃-ute像を見た気がしました。

個人的には「憧れ My STAR」「Danceでバコーン!」と並ぶ近年の℃-uteにおける最高傑作と言える一曲だと思います。



M-3 Kiss me 愛してる

Midnight Temptationで最高潮に達したテンション、そのテンションを全く落とさずに繋げられるのは℃-uteの数ある楽曲の中でもこの曲だけでしょう。
この1〜3の曲順は本当に奇跡だと思います。

℃-uteの持つスピード感と歌唱力によって、クールでカッコイイ、そしてセクシーな℃-uteをとことん洗練させたサウンドは本当に痺れます。
スピードスター℃-uteの真骨頂を感じらる1曲です。

ガッツリした感想はこちらに書いています。
Kiss me 愛してる〜高速ビートが奏でる焦燥感〜



M-4 いざ、進め! Steady go!

メンバーソロではなく各メンバーをフィーチャーしたトラックが今回のアルバムの特徴です。
やっぱりファンとしては各メンバーの歌声も聴きたいけど℃-uteが聴きたい訳で、ソロによって℃-uteとしての楽曲が減ってしまうのは辛いところ。その為この企画は素晴らしいなって思いました。(ももクロちゃんのようにソロを別CDに収めるってのもかなりありだと思います。)

先陣をきるのはなっきぃ。この曲はライブ前と後では印象は全く変わりませんでした。

ザ・クソ曲!ww

申し訳ない、クールでもないし曲が洗練されている訳でもない、ハッキリ言ってクソ曲です(^_^;)

ただ、クソ曲という負のオーラを全く感じさせないパワーがこの曲にはあります。
いや、洗練されていないからこそ、とにかくハチャメチャにやってやるぜ!という前のめりさも感じます。
なんというかクソ曲ならではの反骨精神が、なっきぃにピッタリで!w

この曲の持つ反骨的なオーラと、ライブ終盤での℃-ute、そしてオーディエンスの「やってやるぜ!」という気持ちとの化学反応の結果が。。。
あの春ツアーでの壮絶と形容できるアクトを生み出したんだと思います。

見方を変えれば、もはや曲の善し悪しに左右されない、℃-uteというグループの凄さを思い知らされる1曲です。



M-5 ルルルルル

今まで℃-uteのアルバムと言えば、その曲順の無計画さがとにかく残念でした。が、今回は似たような曲をまとめることで、色々な℃-uteを感じられるように工夫が凝らされています。

4曲目まではとにかくアッパーで激しい系。
そしてこのトラックから会いロンまでは、しっとりと聴かせる系のトラックが集まっています。
(CDでーたのように、「別れたくない」〜「サークル」を切ない系と分けるのもナルホド!って思います)

℃-uteでは珍しいスローバラードですが、愛理が歌うと本当に様になる。ゆっくりとしたメロディに、愛理の一切淀みの無い歌声が胸の奥にまでスッと沁み渡って、とても癒されます。

ただ初聴きの時は、やっぱり退屈な曲という印象はぬぐえなかったのですが、春ツアーを見た後、この曲を聴く度に愛理の幸せそうな顔が浮かび上がってきて、一層癒されていますw

愛理は普通に歌っていますが、「これはキーが高くて、レコーディングでは一番苦戦した曲で」(「BIG ONE GIRLS No.005」(以下BOG))と愛理自身も苦戦したと語るように、実はかなりの難曲。
それでもライブ中でも決して高音がブレない愛理の安定感には本当に脱帽です。



M-6 別れたくない…

この曲は初聴きから今までで一番評価の変わった曲です。
元気さや力強さが特徴的だったちっさーのイメージを一新させるこれまでにない艶っぽい声に驚かされます。
その歌声が、クールなサウンドに本当に映えます。
最初この曲の歌謡曲らしいチープさが好きになれなかったのですが、聴いたりライブを観ている内に、ちっさーの歌声を通す事で、R&Bのようなクールなサウンドに感じられるようになりました。

他のメンバーの歌声も、特になっきぃなんか結構ハマっていて、やっぱり℃-uteってカッコイイ曲が似合うし、本人達も好きなんだろうなって感じました。

とにかくも、昨年の℃-ute楽曲躍進の象徴でもあるちっさーの歌声の魅力が存分に発揮されている1曲です。



M-7 会いたいロンリークリスマス

℃-uteでは初といってもいい冬の楽曲。
この曲はなんといっても、Bメロの愛理、ちっさー、それに舞美嬢というボーカリストの共演が聴き所です。
愛理、ちっさーは勿論ですが、前作の「Lonely girls night」でも魅せた切ない系の舞美嬢は絶品です。

この3人に限らず、サビで存在感を魅せるハギちゃん、なっきぃもそうですが、℃-uteの歌い手達は、元気で明るいユニットのイメージとは対照的に、クールで切ない系、しっとり目の曲の方が映えるんですよね。

季節色が強いせいで、ライブでも中々聴けない(それだけにキュースマ合同紺はビビりましたが)だけに、ライブでもっと酔いしれたい1曲ですね。

詳しくはこちらで書きました!
会いたいロンリークリスマス〜A-BOX〜



M-8 サークル

ここからは℃-uteでは珍しいカワイイ系の曲が集まるゾーンに突入します。
舞ちゃんフィーチャリングの曲です。
冒頭の「振られたのかな きっと 私」という歌詞に代表されるように、この曲は全編を通してともて切ない曲です。
ちっさーはこの曲を初めて聴いた時、「これ絶対に舞は好き」って思ったそうですが、℃-uteの妄想姫舞ちゃんに正にピッタリの曲。
とても可愛い歌声で、ある意味とても等身大とも言えるんですが、これまで℃-uteでは異色のアンニュイさで℃-uteの楽曲にアクセントを与えてきた舞ちゃんだけに、この可愛さはとても新鮮です。

ヤンヤン誌のインタビューでも
「「サークル」の舞ちゃんの歌声がキュンときます」(ちっさー)
「出だしからかわいくて!」(愛理)
「守ってあげたくなるような声だよね。」(舞美嬢)
とメンバーも大絶賛。当の舞ちゃんも「(歌詞を)読んでみただけでドストライクで」(BOG)だったそうで、気持ちをタップリ込めて歌ったんでしょうね!



M-9 Danceでバコーン!

カッコイイ系、聴かせる系、カワイイ系と系統を揃えた中で、やはりこの楽曲だけは異色、その存在感も絶大です。
この曲の持つファンキーなカッコ良さと、℃-uteの持つパワーと歌唱力、とりわけ愛理のセンスが高次元で融合した奇跡的なトラック。
℃-ute歴代シングルでも屈指の名曲だと思います。
そして、もはや℃-uteというよりは、ハロプロを代表する1曲だと思います。

この曲の感想はこちらでこってりと書きましたw
Danceでバコーン!〜おかえり、ファンキー姉ちゃん!!〜



M-10 3番ホーム 3両目

この曲は一言で言うと、ハイパーにカワイイ(≧∇≦)b
挨拶もできないくらい内気な女の子が、一人で色々盛り上がって最後は奇跡の瞬間を迎えるというストーリーが本当に可愛いです!
「わ〜なんだかやばいな」「わ〜なんか話してる」「わ〜ケイタイ取られた」って勝手にテンパッテるのも凄くカワイイ!
この曲は舞美嬢も含めて、なっきぃフィーチャリングだと思ったそうで、CDでーた誌のレビューでも「矢島の声は、これまでの印象を覆すほどイメージが異なるのだ。」と書かれています。確かに舞美嬢は激しい系のイメージが強いのかもしれませんが、個人的にはこのテンパり方は何だか舞美嬢を連想してしまうし、それに実は舞美嬢の歌声ってメチャクチャカワイイんですよ!
だから、この曲は本当舞美嬢にピッタリだと思います。

BOGのアンケートで、「アルバムでお気に入りの曲は?」という質問に対して、何と3人もがこの曲を選んだくらい、℃-ute内でも圧倒的に支持の高い曲で、℃-uteメンバーもカワイイ系の楽曲に飢えていたのかなって思います。
(ちなみにこの曲を選ばなかったのは℃-uteの2大エース愛理(Midnight Temptaion)とちっさー(別れたくない)というのは面白いですねw)

アイドルなのに、カワイイ楽曲が新鮮っていうのも何だか℃-uteらしいですが、本当、歴代℃-uteソングでも可愛さは断トツのNo.1!とことんカワイイ℃-uteと舞美嬢に癒される一曲です。



M-11 キャンパスライフ〜生まれて来てよかった〜

ラストは12thシングル。℃-uteメジャーデビュー以降では「桜チラリ」以来のカワイイ系路線ですが、個人的には完全にこけたかなってリリース時は思いました。
その理由は、前曲の「3番ホーム 3両目」なんかと比べるとより明白なのですが、「3番ホーム」の底抜けの可愛さに比べると、この曲は妙な力強さがあってイマイチ可愛くなりきれてない印象を受けるからです。
ライブでの激しいノリも個人的にはあまり好きではなくて、この曲の印象はあまりよくありませんでした。

ただこうやってアルバムの最後として登場すると、とてもキャッチーだし、力強い歌声もとても心地良くて、結構いいなって感じられます。
それとこの曲をライブでやる時は是非フルでやって欲しい。なっきぃのスキスキスキだけカットされるのはやっぱり寂しいから。。

特典DVD

℃-uteのアルバム特典DVDはかなり凝っていますが、今回はジャケ写撮影に加えてPVの別Ver、さらに特筆すべきはダンスの練習風景とその後の座談会みたいなものまで収められていて、とても豪華な内容になっています。











練習風景では、メンバー間で色々と確認し合ったり、笑いがあったり、とにかくレッスン場の雰囲気が最高です!!
こんな活気のある職場で仕事したいものですね!







座談会は、何だかんだで話題の中心のちっさーに、やっぱりここでも悪者のなっきぃ、のんびりし過ぎて話を飛ばされて、でもボソっと「話させろよ!」とつぶやく愛理ww
愛理はチョイチョイネタを入れてるんだけど、誰も見向きもしないのが受けますwww
やっぱりこの子達は楽し過ぎるわww


総括

今回のアルバムについて、CDでーた誌のレビューページで、メンバーのコメントなんですが、このアルバムを端的に表しているなっていう、とても印象的なコピーがありました。

「予想したのが見事に外れたんですよ!」

メンバーのフィーチャリング曲がメンバーの予想と全く違う人にアサインされた時の言葉ですが、今回のフィーチャリングトラックは、メンバーのそれまでのイメージをいい意味で裏切ったり、新たな魅力に気付かせてくれました。

確かに、正直楽曲1つ1つを吟味すれば、1stや2nd、4thには及ばないかもしれません。

ただフィーチャリングトラックに加えて、これまでの℃-uteではなかった「夜」を描いた「Midnight Temptation」など、新しい℃-ute像が垣間見えたんじゃないかなって思います。

個人的には初聴きは微妙でしたが、今ではバラエティに富んでいてバランスもいいし、シングル曲はハイレベルだし、何だかんだで今年一番ヘビロテしたアルバムです。


以上、超!超今さらなアルバムレビューでした。

そういえば桃スパの感想もまだだったorz