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2015-06-14 私立リリアン女学園日記

[]リアルとファンタジーのバランス調整の取り方を、『あの花』から学んでみる

先日は「よもやま語りラジオ『なまたまご。』」聞いてくださった方ありがとうございました。

テーマは『あの花』でした。改めて「岡田麿里祭り」だったなあと感じました。

 

さて、アニメやマンガでは「ここからここまでがリアル・ここからはファンタジー」という線引がだいたいあります。

100%ファンタジー(空想・妄想)というのもあるけどね。

リアルなものを作りたい場合、1割くらい現実的な感覚を喚起させるものを入れると、生々しくなります。

たとえば、「血が出た」という描写で、どばーっと出ているだけならファンタジー寄せ。針が指に食い込んでぷちゅっと血が出る瞬間を描いたら、リアル寄せ。

表現の細かさのみならず、感覚(五感)にくるか否か。

あと、表現が現実かどうかだけではなく、「その世界」において正しいか否か。

 

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2011年に放送された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、長井龍雪・岡田麿里・田中将賀の『とらドラ!』チームが作ったアニメ。

岡田麿里さんが、人間の「生」のリアルの入れ方のバランスがうまい。人によっては「どぎつい」「シモネタっぽい」という方もいるようです。でもそれは、生々しいって感じるからなんだよねえ。

『とらドラ!』も女の子がどろりとした感情を抱え込み、時に殴り合う、生々しい作品でした。あれはジュブナイルだった。

 

とはいえ、絵がヤスさんでかわいいので、やっぱり「アニメ」ファン向け。

じゃあ「あの花」は? というと、やっぱり作っている対象は「アニメファン」だったようです。

 

今でこそ、オタク・ヤンキー・サブカルが融合している時代です。

『あの花』はアニメを普段見ない層が最初に触れる作品として、よく使われます。

つうても、映画見に行った時はカップル数人、あとオタク、って感じだったけど(初回だったからかな

 

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『あの花』の劇場版で、ぼくが感心したのは、ミニスカートのあなるが、しゃがんだときにスッとパンツ見えないように隠すシーン。

じんたんと二人しかいないし、角度的には見えないけど。

その仕草をとることで「あなるならやるよね!」というリアリティを共有した感覚に陥りました。

実際はしらんよ。でも「この世界におけるリアル」であり「あなるというキャラクター」がそれなんですよ。

こういうのって、細くてもやたら印象に残る。そういうのが多い『あの花』。

 

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たとえばゆきあつの女装の話。

どうしてもギャグにされがちな彼のこのシーンです。でも響く人にはゴリゴリ響くと思うのよ。

なんといっても、彼めんまワンピースにするために、

つるこを買い物に行く時連れて行って、「彼女のため」とか言ってワンピを探していた。

 バレるだろそれ。でもここで言い訳するのが、ゆきあつのキャラを象徴づけています。

 マラソンが「めんまのこと忘れるための枷」みたいな言い訳だったのと同じ。

・めんまの服を着る時はすね毛を剃っている

 涙ぐましい努力すぎる。

 別に「すね毛剃り」の情報なんていらんわけですよ、ストーリー的には。

 けれどこの情報がはいったことで、彼は生身の高校生であり、やるなら完璧派。

 没入して何も見えなくなって迷走している、というリアリティが出ました。

 

じんたんのひきこもり描写もそうですね。うまく調節されている。

放映当初は、人前でしゃべれなくなっちゃうじんたんの表現に、生々しすぎると多くの声があがったものです。

しかし、今あらためて見ると、「引きこもりって、もっと引きこもるよね?」という気がする。

部屋の中もこざっぱりしてるし、一応昼間に買い物に行くし。

 

また、学校に行くことに関しても「すぐには毎日は行けない」「だいぶ慣れてきてもたまに休む」のような絶妙なあたりで調節。

単語に引っ張られた「引きこもり」のテンプレートには乗っかっていません。

「じんたんの精神状態がどのくらいだから、このくらいならできるだろう」という描写。

 

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性の描写バランスはさらに気を使うところでしょうね。

あなるが、援交おじさんに迫られるシーン。

いやあ、ここは攻めに攻めてました。

でもこの援交おじさん慣れてるのかなあ?「真っ黒なんでしょ」とか言って女の子ついてこないやろ。

あ、そうか。あんま慣れてないから誘い方下手だし、ゆきあつきたあとショボショボ帰っていったのか。

彼が何も出来ないままヒョコヒョコ、カラオケに戻るか、家に帰るか考えているシーンを頭に浮かべるとちょっと面白い。

 

そもそも「ラブホテル」自体が、あまりアニメに出てこないというか、タブー視されているとこはあります。

俺妹」みたいな入り方はマレです。

ラブホ自体は、じんたんの「ラブホ顔」発言で、否定はしていない。ここは重要。性的な場所がNGなわけではない。

問題なのは「援交」という行為で、それを象徴する場所としてここではラブホを出さねばいけなかった。

 

じんたんやあなるたちの「秘密基地」の真逆だったんだろうと思います。

「ラブホ」は生々しかった。

「秘密基地」はファンタジー化しつつある。

 

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めんまのキャラクターデザインは、初期は今とずいぶん違うものでした。

アニメスタイルより。

右が、めんまの初期デザインなんですが……これは「少女」だ。少女している。

赤です赤。赤がまずい。エロい。生きているものの色だ。

 

「めんま」というキャラクターはわりと学生がリアルに描かれたあの世界において、お前本当に高校生レベルなのっていう妖精みたいな立ち位置になっています。

幽霊だからとはいえ、幼すぎる。

たとえばこのシーン。

現状の絵だと、めんまが子供のようなので、それほどエロティックではありません。

しかし先程の赤スカートの頭身高いめんまだったら、やべえっすよ。

ワンピースじゃなく、スカートは重めで足が隠れているってのもまたね。

 

岡田麿里さんや田中将賀さんとしては「耐え難いエロス」はアニメ表現でカットしたそうです。

たとえばあなるのビッチ風スタイル。一話ではビッチめいていましたが、二話であっというまにデレた。昔のあなるになった。あれが限界。もっと引っ張ると別の作品になっちゃう。

でも生きている限りエロスはある。そこで「無邪気なエロス」にシフト。

こどもっぽいめんまのはだしや、ぱんつ隠すあなるなどの表現にスライドさせて、リアル(こちらの世界で捉えられる生々しさの方)からうまく乖離させています。

 

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……という話をラジオではしていました。

どの作品でも「どこにリアリティラインをおくか」「そこからどのくらいキャラの位置を調整するか」は行っています。

現実味のあるドラマの方が、その調節は微妙なバランスを有する、んじゃないかなあ。現実そのものを模写するんじゃだめなんだよ。アニメにしないと。

 

たとえば『響け!ユーフォニアム』は、リアルよりドラマ。音はかなり生々しい方向に振り切って(下手は下手、という演奏)、キャラはみどりちゃんたちを軸にして基本アニメっぽくしつつ、ヒロイン久美子に時折毒を垂らして味を出している。すごくうまい。

一方『SHOW BY ROCK』は何もかも「むこうの世界のルール」で動いているので、基本生々しさはない。しかし向こうの世界のルール内での「音楽の上手い・下手」の表現はかなりユニーク。現実味として、ロム兄さんが社会人で働いている、というエッセンス山椒みたいな乗せ方なのですごく好きです。

 

最近はリアリティのバランスがパッと見ても分かりやすくなってきているので、あえて古い作品で、どこまでがファンタジーで、どこにリアルを潜ませているのか、あるいはリアルを隠すことで読者・視聴者をどうだましているのか、探してみたら面白そうです。

 

 

 

 

 

 

終わり

2015-05-25 私立リリアン女学園日記

[]「作る覚悟」と「消費する覚悟」。『げんしけん』初代が描いていた、2つの分かれ目

先日はよもやま語りラジオ『なまたまご。』#03「げんしけん(初代)」聞いてくださった方ありがとうございました。

 

げんしけん(1)

二代目はともかく、初代の頃はブログでの論戦さが大変盛んで、ぼくなんか今更アレコレ言うことはこれっぽっちもないわけですが。

ただ、二代目とテーマを異にする『げんしけん』初代。改めてもう一度見ておきたい。

時代や「オタク」の語のあり方は変わっても、生き方は変わらないわけだから。

 

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ラジオで題材にしたのは「消費者クリエイター」の話です。

具体的に言うと。

 

消費者→斑目、くがぴー、くっちー

クリエイター→コーサカ、笹原、荻上、田中、大野

 

大野さんはどっちかなあと思いつつも、コスプレは表現だと思うので、こちらで。

コーサカ、笹原、荻上、田中は、ものづくりを仕事にしてしまっていますね。

 

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今回比較したいのは、漫画家になるためしがみついて「クリエイターになる覚悟を決めた荻上」と、斑目……じゃなくて、「すっぱりやめて就職し、消費者になったくがぴーの覚悟」

 

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はじまりは、げんしけんが「くじびきアンバランス」の同人誌を作って、コミフェス(コミケみたいの)に出ると決めた時でした。

この時点での荻上とくがぴーの「活動」を比べます。

 

荻上→絵が描ける。そこそこうまい。ただしマンガ類はそこまでガチで描いていない。漫研で騒動を起こし、逃げ出している。

くがぴー→絵が描ける。そこそこうまい。ただし自分の実力を理解していて、趣味の範囲に留めようと考えている。

 

程度の差はあれ、両者実はここではあんまり変わらない。

まあ荻上は家でシャカシャカ描いたり、落書きしたりの時間長いです。その分「上手い」かもしれない。でも「マンガの上達」はしていない。

くがぴーは完全に趣味書き。落書き。そこから「完成」させないので、上手いうまくないの判定にそもそも入りません。

 

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よくある、合同誌空中分解寸前問題。

あるよね。大人になるとさらによくある。

まとめ役が胃をいためても、作家が逃げ出すことは多々ある。

逆にまとめ役が逃げ出すこともある。

 

くがぴーはこの時点で、はっきりと「だから就職活動してる」と、絵を描かない、マンガを描かない宣言をしています。

同人誌を「やろう」と決めた後に、この言い分はズルいのは百も承知です。

ただ、実際に動いた時に彼は悟りました。

「できない」

忙しい。作れない。

自分は、絵を描くのは好きだけど。

漫画家にはなれない。

 

笹原の言い分は全くもって仰るとおりだけど、ちょっときついよね。

 

この問題は、じゃあくがぴーが謝れば済むのかとか、笹原が妥協すればいいのかとか、そういう問題じゃない。

咲ちゃんの制裁で本自体はできました。

そして、くがぴーは趣味も含めて、クリエイターの道を「歩まない」という覚悟が、この瞬間に完全に決まりました。

 

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一方、荻上。

彼女は、4年生じゃないということだけじゃなく、初めての同人誌に情熱を傾けて、本気の「マンガ」を描きました。

だからこそ、彼女は空中分解しそうになった時。

荻上には、泣く権利があった。

「女の涙はずるい」とかそんな問題じゃないんだよ。

彼女は、「クリエイター」として一歩ちゃんと踏み出しているんです、すでに。

それは完成させたから

だから、「完成」させた覚悟を踏みにじられようとしている今、彼女は泣いていい。

この涙は、ただの感情の昂ぶりではない。荻上が「ものを作りたい」「完成させたい」という渇望の現れ。

ただし、まだ「覚悟」までいっていません。

 

「覚悟」の一歩手前にあったのが、トラウマ問題と、自分の心の壁でした。

「表現する」ということは、自分をさらけ出すことです。

(表現活動の全てではないですよ)

荻上は極度に自己肯定力の低い子です。

絵とマンガへの自信はちょっとあるとは思う(だから笹原とケンカする)。

ただ「自分」を表現すること、好きなモノを好きだということに、極度に怯える。

だけど彼女は、嫌われ、叩かれ、潰され、消されても、やめない。

やめられない。

荻上千佳は、気づかないうちに「クリエイター」になる覚悟を決めていました。

 

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「消費者になる覚悟」

「クリエイターになる覚悟」

どちらも、大きな決断です。

絵を描くのが好きで、吃音気味のくがぴー。彼は医療機器メーカーで、よりにもよって営業に回されました。

楽しいわけはない。仕事だ。

もちろんオタク趣味はやめない。好きなモノを買うために、働く。

よくぞ決意したと思いますよ。半端にならなかった。

 

荻上も同様に、半端にはならなかった。

というかなれない体質だった。好きで、描きたくて、止められない。

ぼくは、天性の才能なんて言葉はあんまり信じません。

ただ、天性の「好き」は、呪いのようにあると思う。

 

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二代目の子たちは、明るく楽しく、初代のよどみがほとんどありません。

けれど、波戸くんが卒業し、「クリエイター(女装家として生きる表現者)」になるか、消費者としてたまに遊ぶ程度に留めるのかは、いつか決めないといけない。

 

同人誌も同じです。

同人誌を作り続けている人は、クリエイター。

クリエイターとしてどこまで同人誌を作り続けるんだろうか。

コスプレも同様。

大野さんは「コスプレ」という作品のクリエイターとして、いつまで続けるのだろうか。

コンプレックス・エイジ(4) (モーニング KC)

こっちの話になるよね。4巻最高に酷かった(キャラクターのドロドロが)。

 

大人になって社会人になって、どこまで「好き」を貫けるのか。

コスプレ好きが高じて、仕事にした田中は上手いところに収まったと思います。

大野さんどうするんだろう?

ぼくは「覚悟」できていない彼女が一番心配です。

田中が守ってくれると、言っているとはいえども。

 

「二代目」の話は金曜日のラジオでまたやります。

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり。

2015-05-15 私立リリアン女学園日記

[]なぜ放送準備室には『究極超人あ〜る』が多く置かれていたのか

先ほどラジオ「なまたまご。」お聞き頂いた方ありがとうございました。

 

今回のテーマは「究極超人あ〜る」。

2000年代、「げんしけん」が始まった時は「あ〜ると似ている」「似ていない」「オタクとはなにか」論争が盛んでしたが、今それらの記事は、ことごとくブログごとなくなっていました。

寂しいですね。

でも「究極超人あ〜る」も卒業していきますから、そんなもんです。

 

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さて、『究極超人あ〜る』は大変奇妙な作品です。

「あらすじ」らしいあらすじはまず、基本的にない。

ギャグ漫画であることは間違いないけど、ちょっと人気の度合いが半端じゃなかった。

(マジで当時文化部はみんな持ってた)

 

当時、運動部系のマンガが多い中、非常に珍しい「文化部」マンガだったから、とか、オタクの原型になる第一世代オタクのファンロード気質(好きなモノを共有する相手が見つからない渇望)があったから、など色々理由はありますが……まーよくわかんないよね、形がないし。

けど、傑作と言われるのにはやっぱり理由がある。面白いのには理由がある。

 

そのヒントは、ラジオでいただいた「放送部に多く置かれていた」というコメント。

 

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まず、光画部文化的活動をしています

モラトリアムな空間なのは間違いない。

「暇つぶしの合間に人生を送っている」のも間違いない。そこが楽しい。

ただ「人生」はちゃんと送っている。

ここが大事。

モラトリアムに逃げ込んで何もしないわけじゃない。

ちゃんとクリエイティブな活動を、暇つぶしの合間にやっています。

それも「楽しみながら」。

 

ぼくの大好きな一枚です。

そもそも「究極超人あ〜る」は恋愛沙汰が一切ない。片想いをほのめかすのはあっても、主要キャラの恋愛関係がない。

だから輝くこの一枚。これも青春といえるのではないでせうか?

 

撮影者は堀川椎子。

しいちゃんは目立たないキャラですが、このめちゃくちゃな光画部をまとめる枠組み・囲いだったりします。

鳥坂先輩やあ〜るの暴走も、彼女の手のひらの上。意外にしたたかで、賢い子です。

彼女の撮ったこの一枚、すごくよく出来ていると思うんですよね。

というか「究極超人あ〜るという作品」を表現していると思います。

こじんまりとした空間で、何かをしている若い人々。

汗にはまみれていないけど。

 

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「究極超人あ〜る」というか、ゆうきまさみの経緯に大きく関係してきます。

ゆうきまさみは、みのり書房OUTや、ラポートアニメック、アニパロコミックスの持ち込み連載者。

ガンダムパロディ「ざ・ライバル」でデビューしました。

77年の劇場版ヤマトを見たゆうきまさみ。アニメファンの憩いの場、江古田のまんが画廊に通います。ネットのない時代の、数少ない「趣味人」の集まる場でした。

ここでヤマトのパロディ同人誌をに出会います。

 

衝撃だったでしょうね。これ見た時の話をぜひ聞いてみたい。

「アニメのパロディ」というものに出会い、それが仕事になったゆうきまさみ。

友人の川村万梨阿、とまとあきと、ノートにネタづくりをして楽しむようになります。

 

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この「閉じた空間」で何かをわいわい楽しみながら作る楽しさ。「あ〜る」の空間、光画部にとても似ている。

光画部も場所を追われて苦労する話がありました。あれは共感した人多いんじゃないかな。

どこか、趣味のあう仲間が「集まる場所」がある、というのは非常に重要。

だべるのメインで、遊びながらクリエイティブなことをする。実にする。

同人誌みたいなものだと思います(っていうかゆうきまさみのは、ほとんど同人誌ですね)

ちなみに、このネタ作りノートは出渕裕の目に止まり、「機動警察パトレイバー」になっていきます。

 

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この光画部のポスターも良く出来ている。てか大戸島さんごの存在が光画部そのものですね。

「うまい写真」を撮りたいんじゃない。自分たちにとっての「いい写真」が撮りたい。

場所は、もちろん部室。

そしてせまい暗室。今使わないねー。

 

この閉じた個室というのが、「放送部」の人の心に刺さったんじゃないかと感じたのね。

同じような現象は「図書室」でも起きていましたし、「美術室」でも起きていました。

写真部は……写真部見たこと無いからよくわかんないなあ。

 

放送部は本当に隔離された「閉じた部屋」。

中には、ポットやお茶菓子を持ち込んでのんびり放課後ティータイムな放送部も多かったとか。学校によるよ。

やっているフリーダムな行動の上に、後に「オタク気質」と呼ばれるようになる感覚が、趣味の共有が、狭い世界の中で行われる。

その上でみんな作品を、ある意味そこそこに作り、次々と卒業していく。

 

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光画部のハイテンションな面白さ。

「終わる文化祭」のいちまつの寂しさ。

適度なリアリティと適度なウソのバランス。

マニア趣味やパロディの、押し付けない盛り込み方。

 

無理やりいうなら、「究極超人あ〜る」は「バランスのいい作品」「欲しかったものが、そこそこに満ち足りている作品」

 

ネットのない時代の、オタク気質が眠る人間にヒットするわけです。

女の子もかわいいしな!

やはりゆうきまさみの、ショートカット貧乳っ子は最高だぜ。

大戸島さんごと並んで、ぼくは天野小夜子派です。

序盤は「幽霊」だから「幽霊部員」というしょーもないノリで、アンドロイドと幽霊のいる非日常を適度につくっていました。

しかし後半になって、しいちゃんが卒業してからは彼女があらゆるものを掌握する強い女になるんですよね。

熊耳武緒と香貫花・クランシーを足して二で割ってマイルドにした感じ。

しいちゃんと小夜子がいることで、この部が「だらしない」部ではないことが、「究極超人あ〜る」のバランスの良さの一つでもあると思います。

あとは、しつこいけど、恋愛沙汰がないことね。

 

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鳥坂先輩は人気キャラです。でも00年代は鬱陶しがる人もいました。

まあ、やかましい先輩だしね。

今の子があ〜るを読んだら、どう見えるんだろう?

最近はネットの関係もあり、年齢差を気にせず趣味人は仲良くなるようになったので、ひょっとしたら鳥坂先輩は「面白い人」と受け入れられるんじゃないかなあ?

だがな。

中学生の久美子との関係は、ぼくは嫉妬するぞ!!!

彼女とは書いてないんですがこれは、ねえ、これはねえ!

今思えば、かっこいい先輩が小中学生相手に仲良くしているなんて面白い、というギャグなんですよ。

けどさ、今見たら事案でしかないじゃん。

美少女中学生とイチャイチャしている、公務員

くそっ、鳥坂先輩勝ち組すぎる。

……この二人がどういう関係なのかも描かない。

あくまでもエッセンス。この不安定な世界は絶対に壊れない。

「究極超人あ〜る」は、究極に研ぎ澄まされたバランス感覚のとれた作品です。

 

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次回22日のよもやまがたりラジオ「なまたまご。」は「げんしけん(初代)」を予定しています。

よろしくお願いしますー。

たまごまごごはん出張所-ニコニコミュニティ

 

 

それでも、それでも、光画部はパラダイス。 - たまごまごごはん

 

終わり。

2015-05-12 私立リリアン女学園日記

[]よもやまラジオ番組「なまたまご。」はじめました

突然ですが、ニコ生で個人定期ラジオ番組はじめました。

タイトルはよもやま語りラジオ「なまたまご。」

 

アニメ・マンガ・小説・音楽・映画・芸術・おもちゃ・ゲーム……その他なんでかんでも、ひとつのテーマに絞って、30分から1時間、たまごまごが独断と偏見で語ります。

(つまりこのブログと同じです)

メジャーカルチャーからサブカルチャーまで、境界線なく雑多にしゃべっていきます。

 

放送は毎週金曜日の夜10時

(理由は0時からアイマス、9時からSideMのラジオがあるから)。

基本的に時間帯は変わりませんが、体調、及び金ロージブリやるときは時間が変更になります。

 

たまごまごごはん出張所-ニコニコミュニティ

ここから聞けるようになっています。

前回第一回は、テーマは「天空の城ラピュタ」でした。まだタイムシフトで聞けると思うのでよろしければぜひ。

 

有名ドコロからマニアックなところまで。

より聴きやすく、より楽しく、でもあんま役に立たない番組を目指していこうと思います。

個人の番組なので、音質などお聞き苦しいところもあると思いますが、そこはご了承ください。

何卒よろしくお願い致します。

 

今後の放送予定です。

5月15日 #2「究極超人あ〜る

5月22日 #3「げんしけん(初代)」

5月29日 #4「げんしけん(二代目)」

6月5日  #5「サムライスピリッツ

 

予定なので未定です。

そのうち、ゲストも呼びたいですね。

どうぞよろしくお願いしますー。

 

2015-05-05 私立リリアン女学園日記

[][]早坂美玲が、ただひたすらに愛しくて

早坂美玲が好きです。

早坂美玲が、どうしようもなく好きです。

好きになってしまったんです!

ありがとう、ありがとうアイプロ!

 

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「なぜこのキャラが人気なんだろう?」

言葉で説明が出来ないキャラ、あるいは本当に理解ができていないキャラっているんですよ。

その代表が、早坂美玲という女の子でした。

魅力がわからなかった頃はずっと「タオカカ」って呼んでましたごめんね。

 

爪があるのにツメが甘いアイドル、なんて言われていることもあった早坂美玲。

好きな人に魅力を聞くと「かわいいじゃん!」。

そう、「かわいい」のだ。

全身ピンクの衣装。缶バッジグルーミーみたいなフード、そこからのびるツメ、黒長袖Tに赤ジャケット、パンキッシュなベルトにシマシマニーハイソックス

そして眼帯と首輪。

キュート・ポップ・パンクを地で行くようなこの衣装、死ぬほどかわいい。

 

新しい時代だと思った。

シンデレラガールズが始まった時って、渋谷凛という「今どきの女子高生」がいること、城ヶ崎姉妹という「ギャル」がいることにスゴイ驚いた。杏よりも驚いた。

ああ、これはギャルゲーの新時代だと。今までギャルゲーで出したらいけないキャラを多人数にまぎれこませて、しかもアニメ・ゲームファン向けにうまくアレンジしている。

やられたなと。衝撃でした。

 

で、早坂美玲はそのもうワンランク上に見えたんですよ。

ビジュアル面での、かわいさ、わからなさを基調とした奇抜なキャラクター。

ただもう見た目がひたすらにかわいい。「かわいい」という言葉以外彼女を表現できない。

これはすげえなと。

Pを「オマエ」呼ばわりで、ちょっと粗暴で「ひっかくぞ!」とはいうものの、ひっかくもなにもねえ。他のアイドルは働かなかったりボンバーだったり25歳児だったりドーナッツだったりする修羅道ですよ。何の武器にもならない。

 

「かわいい」が何よりも強いキャラクター。

まるでpixivの上手い人の絵から生まれたようなキャラクター、だけどいてもおかしくない、というのがぼくの最初の印象でした。

 

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しかし、人気の程がいまいちわからなかったのです。

かわいい。

でもみんなかわいいだろうよ。早坂美玲ほどビジュアルすごくなくても。

このへんがぼくの混乱の元でした。

「パンキッシュかわいい」。いやそうだよ。

でもそれだけにしか見えない。

んー……??? いや「かわいい」よ。だがそれだけで十分か?

 

早坂美玲はずっと人気キャラ。

イラストも多くあがるし、人気投票でもランクインしている。

なぜだ。

 

ぼくがシンデレラガールズにもとめているのは「人間性」でした。

渋谷凛がどんなに見た目が今どきで衝撃を受けても、彼女が真摯で、でも幼いから好きだったわけで。

早坂美玲は、なんだ? なにものなんだ?

「ガオー」とか「ガルルー」とか言われてもわかんないよ。

 

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しかし、最近になってあらゆるものがカチっとはまりました。

少女は、安定しないから少女なんだ。

 

早坂美玲を読み解くときに必要なキーワードを幾つか並べてみます。

・一匹狼

彼女は事あるごとにこの言葉を出します。特に初期は、孤独であろうと格好をつけます。

Pはそんな彼女に対して、アプローチをかけ続けるわけです。すると、「あぁもう!オマエといるとウチのペースが乱される!」と怒鳴ります。

ツンデレ? いや、ちょっと違うんだよ。これは孤高であろうとする自分と、アイドルとしてデビューし、プロデューサーといることに対する戸惑いなんだよ。

 

・センス

彼女、自分の着ている服装へのこだわりが尋常じゃないです。

まあここまでキュートパンクな衣装を着続けているとなると、そうだよね。

多分既成品じゃない。

今回のアイプロでも、ホームセンターの利便性のいい似たようなお皿ばっかり並んでいるのを見て文句を言っていました。なんで同じのばっかりなんだ、センスのいいのはないのか。

彼女のセンスはある意味、蘭子の「かっこいい!」に近い物があると思います。

生き方を守るための装甲ではない。だから割りと他の衣装も着ることが出来る。Pに「今度着る服、どんな感じがいいと思う?」なんて聞いちゃう。

ただ、その「かっこいい!」は譲れない一線。彼女のアイデンティティの一部です。

今は「センス」という言葉しか使いませんが、歳を経た時に、彼女は「センス」以外の言葉を使ってファッションブランド立ち上げるだけの信念があります。

 

・気配り

彼女は非常に周囲のことに気を配れる子です。

普段はガオーとか言ってます。でも他の誰かが困っている時、頑張っている時、力を貸します。

その最たるものが、インディヴィジュアルズだよね。

森久保乃々と星輝子。個性の面ではもう手に負えないような子たちを、早坂美玲がいることでまとめてしまっている。

早坂美玲だっていわゆる「イロモノ」枠なはずだったのだろう。でもこの子すごい良心的。とにかく優しい。とにかく気配りができる。そしてそれを苦だと思っていない。

今回のアイプロでも、プロデューサーがお弁当作ったのを聞いて「大変だな」とさらっと言ったり、アルパカの掃除という罰ゲームも「あいつら掃除できないもんな」と答えたり。

あとこずえちゃんへの思いやりが半端じゃないです。これはアイプロやりなせえ。

 

・子供らしさ

芯が通っていて優しくて……なんていうと大人っぽく見えますが、彼女すげー子供です。

とにかく見ることすべて純粋に楽しんでいる。

「おっ、あれは○○だな!すごいな!」

「たまには、こういうのもいいな!」

彼女、裏表というものが一切ない。

だからあの派手な衣装も「彼女」だし、優しい気配りも「彼女」だし、一匹狼気取りも「彼女」。

バラバラなんだけど、全部彼女で、そのバラバラな自分に今ちょっとだけ戸惑うこともある。

この絵は非常に、人間「早坂美玲」を表現していると思います。

どんなに激しいレッスンでも、自分のセンスは崩さない。

でもきちんとレッスンはするし、楽しそうだ。

 

少女は、甘いものだけでなんてできていない。

少女は、バラバラでグチャグチャで混沌としたものでできている。

早坂美玲は、孤独と誰かといたい気持ち、芯の強さと優しさ、楽しい物を楽しいと思える素直さ、それに対する批判……もうめちゃくちゃな二律背反を全部抱えている一人の少女でした。

この混沌を、そこまで苦ともしていない。

ありのままに生きる子。それが早坂美玲です。

 

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今回のアイプロは、早坂美玲について「ぼくは何を見ていたんだ」とショックの連続。

さっきも書いたけど、ツンデレじゃないのよ。反抗期なのよ。

だから本人も戸惑いがあるけど、まあ親しいやつ(プロデューサー)には許してやろうと。

 

で、セリフの一つ一つはホームセンターでもアルパカ牧場でも、先ほどのキーワード「センス」「一匹狼」「気遣い」がアンバランスに交じり合っていて面白い。

中でも、注目したいのはこれ。

このセリフ見た時ちょっと衝撃だった。テキスト考えた人すごいと思った。

一匹狼なのに、寂しがり屋でみんなといるのが楽しい、というアンヴィヴァレンツを表現している部分もあります。

でもね、後半おかしくない?

「遠足に来たみたい…あッ! そんな感じがしたんだ!」

これは、なんだ?

すごい情報量ですよ。

彼女が今までこのキュートパンクにたどり着くまで、学校でどんな生活を送ってきたのか(遠足って言ってるしね)。

インドア派の彼女にとって遠足はいやな行事のはず。これが楽しくなっているというのはなんなのか。

素直に「美味しいな!」といえる彼女。「遠足」も素直に出てきている言葉のはず。これは何を指しているのか。

「そんな感じ」の「そんな」は一体彼女にとって、どのような感情をさすのか。

 

早坂美玲という子が抱える多様すぎる思いが、たまにこうやってポロリともれます。

カードだと漏れないけど、今回のアイプロはすごい。

彼女は、自分でもわかってないくらい、あまりにも複雑で、同時にあまりにもシンプルなんだ。

 

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彼女のゴテゴテの衣装も、「かわいい」だけじゃない。

早坂美玲という、混沌とした少女の内面が全部表に出ている。

優しさ、一匹狼、思いやり、センスへのこだわり、芯の強さ、気遣い、孤独。

もしかしたら、二律背反でも、裏表でもなく、全部並列しているのかもしれない。

 

もう、あらゆる自分を素直に受け入れている早坂美玲のことが、愛しくて仕方なくなっちゃったのよ。

抱きしめて頭なでて、で「うるさいな!ひっかくぞ!」って言われたくなったのよ。

眼帯のこと? いいじゃない。理由はいらない、これが彼女なんだよ。

 

「かわいい」

シンプルな褒め言葉。

でも「かわいい」って何さ。「KAWAII」って何さ。

「かわいい」の語のもつ、複雑さを、少女であり、人間である、早坂美玲は体現しているとおもう。

「かわいい」は混沌なのだ。

 

だから、改めて言いたい。

早坂美玲は、かわいい。

 

 

 

 

おわり。