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2015-05-15 私立リリアン女学園日記

[]なぜ放送準備室には『究極超人あ〜る』が多く置かれていたのか

先ほどラジオ「なまたまご。」お聞き頂いた方ありがとうございました。

 

今回のテーマは「究極超人あ〜る」。

2000年代、「げんしけん」が始まった時は「あ〜ると似ている」「似ていない」「オタクとはなにか」論争が盛んでしたが、今それらの記事は、ことごとくブログごとなくなっていました。

寂しいですね。

でも「究極超人あ〜る」も卒業していきますから、そんなもんです。

 

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さて、『究極超人あ〜る』は大変奇妙な作品です。

「あらすじ」らしいあらすじはまず、基本的にない。

ギャグ漫画であることは間違いないけど、ちょっと人気の度合いが半端じゃなかった。

(マジで当時文化部はみんな持ってた)

 

当時、運動部系のマンガが多い中、非常に珍しい「文化部」マンガだったから、とか、オタクの原型になる第一世代オタクのファンロード気質(好きなモノを共有する相手が見つからない渇望)があったから、など色々理由はありますが……まーよくわかんないよね、形がないし。

けど、傑作と言われるのにはやっぱり理由がある。面白いのには理由がある。

 

そのヒントは、ラジオでいただいた「放送部に多く置かれていた」というコメント。

 

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まず、光画部文化的活動をしています

モラトリアムな空間なのは間違いない。

「暇つぶしの合間に人生を送っている」のも間違いない。そこが楽しい。

ただ「人生」はちゃんと送っている。

ここが大事。

モラトリアムに逃げ込んで何もしないわけじゃない。

ちゃんとクリエイティブな活動を、暇つぶしの合間にやっています。

それも「楽しみながら」。

 

ぼくの大好きな一枚です。

そもそも「究極超人あ〜る」は恋愛沙汰が一切ない。片想いをほのめかすのはあっても、主要キャラの恋愛関係がない。

だから輝くこの一枚。これも青春といえるのではないでせうか?

 

撮影者は堀川椎子。

しいちゃんは目立たないキャラですが、このめちゃくちゃな光画部をまとめる枠組み・囲いだったりします。

鳥坂先輩やあ〜るの暴走も、彼女の手のひらの上。意外にしたたかで、賢い子です。

彼女の撮ったこの一枚、すごくよく出来ていると思うんですよね。

というか「究極超人あ〜るという作品」を表現していると思います。

こじんまりとした空間で、何かをしている若い人々。

汗にはまみれていないけど。

 

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「究極超人あ〜る」というか、ゆうきまさみの経緯に大きく関係してきます。

ゆうきまさみは、みのり書房OUTや、ラポートアニメック、アニパロコミックスの持ち込み連載者。

ガンダムパロディ「ざ・ライバル」でデビューしました。

77年の劇場版ヤマトを見たゆうきまさみ。アニメファンの憩いの場、江古田のまんが画廊に通います。ネットのない時代の、数少ない「趣味人」の集まる場でした。

ここでヤマトのパロディ同人誌をに出会います。

 

衝撃だったでしょうね。これ見た時の話をぜひ聞いてみたい。

「アニメのパロディ」というものに出会い、それが仕事になったゆうきまさみ。

友人の川村万梨阿、とまとあきと、ノートにネタづくりをして楽しむようになります。

 

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この「閉じた空間」で何かをわいわい楽しみながら作る楽しさ。「あ〜る」の空間、光画部にとても似ている。

光画部も場所を追われて苦労する話がありました。あれは共感した人多いんじゃないかな。

どこか、趣味のあう仲間が「集まる場所」がある、というのは非常に重要。

だべるのメインで、遊びながらクリエイティブなことをする。実にする。

同人誌みたいなものだと思います(っていうかゆうきまさみのは、ほとんど同人誌ですね)

ちなみに、このネタ作りノートは出渕裕の目に止まり、「機動警察パトレイバー」になっていきます。

 

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この光画部のポスターも良く出来ている。てか大戸島さんごの存在が光画部そのものですね。

「うまい写真」を撮りたいんじゃない。自分たちにとっての「いい写真」が撮りたい。

場所は、もちろん部室。

そしてせまい暗室。今使わないねー。

 

この閉じた個室というのが、「放送部」の人の心に刺さったんじゃないかと感じたのね。

同じような現象は「図書室」でも起きていましたし、「美術室」でも起きていました。

写真部は……写真部見たこと無いからよくわかんないなあ。

 

放送部は本当に隔離された「閉じた部屋」。

中には、ポットやお茶菓子を持ち込んでのんびり放課後ティータイムな放送部も多かったとか。学校によるよ。

やっているフリーダムな行動の上に、後に「オタク気質」と呼ばれるようになる感覚が、趣味の共有が、狭い世界の中で行われる。

その上でみんな作品を、ある意味そこそこに作り、次々と卒業していく。

 

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光画部のハイテンションな面白さ。

「終わる文化祭」のいちまつの寂しさ。

適度なリアリティと適度なウソのバランス。

マニア趣味やパロディの、押し付けない盛り込み方。

 

無理やりいうなら、「究極超人あ〜る」は「バランスのいい作品」「欲しかったものが、そこそこに満ち足りている作品」

 

ネットのない時代の、オタク気質が眠る人間にヒットするわけです。

女の子もかわいいしな!

やはりゆうきまさみの、ショートカット貧乳っ子は最高だぜ。

大戸島さんごと並んで、ぼくは天野小夜子派です。

序盤は「幽霊」だから「幽霊部員」というしょーもないノリで、アンドロイドと幽霊のいる非日常を適度につくっていました。

しかし後半になって、しいちゃんが卒業してからは彼女があらゆるものを掌握する強い女になるんですよね。

熊耳武緒と香貫花・クランシーを足して二で割ってマイルドにした感じ。

しいちゃんと小夜子がいることで、この部が「だらしない」部ではないことが、「究極超人あ〜る」のバランスの良さの一つでもあると思います。

あとは、しつこいけど、恋愛沙汰がないことね。

 

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鳥坂先輩は人気キャラです。でも00年代は鬱陶しがる人もいました。

まあ、やかましい先輩だしね。

今の子があ〜るを読んだら、どう見えるんだろう?

最近はネットの関係もあり、年齢差を気にせず趣味人は仲良くなるようになったので、ひょっとしたら鳥坂先輩は「面白い人」と受け入れられるんじゃないかなあ?

だがな。

中学生の久美子との関係は、ぼくは嫉妬するぞ!!!

彼女とは書いてないんですがこれは、ねえ、これはねえ!

今思えば、かっこいい先輩が小中学生相手に仲良くしているなんて面白い、というギャグなんですよ。

けどさ、今見たら事案でしかないじゃん。

美少女中学生とイチャイチャしている、公務員

くそっ、鳥坂先輩勝ち組すぎる。

……この二人がどういう関係なのかも描かない。

あくまでもエッセンス。この不安定な世界は絶対に壊れない。

「究極超人あ〜る」は、究極に研ぎ澄まされたバランス感覚のとれた作品です。

 

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次回22日のよもやまがたりラジオ「なまたまご。」は「げんしけん(初代)」を予定しています。

よろしくお願いしますー。

たまごまごごはん出張所-ニコニコミュニティ

 

 

それでも、それでも、光画部はパラダイス。 - たまごまごごはん

 

終わり。

2015-05-12 私立リリアン女学園日記

[]よもやまラジオ番組「なまたまご。」はじめました

突然ですが、ニコ生で個人定期ラジオ番組はじめました。

タイトルはよもやま語りラジオ「なまたまご。」

 

アニメ・マンガ・小説・音楽・映画・芸術・おもちゃ・ゲーム……その他なんでかんでも、ひとつのテーマに絞って、30分から1時間、たまごまごが独断と偏見で語ります。

(つまりこのブログと同じです)

メジャーカルチャーからサブカルチャーまで、境界線なく雑多にしゃべっていきます。

 

放送は毎週金曜日の夜10時

(理由は0時からアイマス、9時からSideMのラジオがあるから)。

基本的に時間帯は変わりませんが、体調、及び金ロージブリやるときは時間が変更になります。

 

たまごまごごはん出張所-ニコニコミュニティ

ここから聞けるようになっています。

前回第一回は、テーマは「天空の城ラピュタ」でした。まだタイムシフトで聞けると思うのでよろしければぜひ。

 

有名ドコロからマニアックなところまで。

より聴きやすく、より楽しく、でもあんま役に立たない番組を目指していこうと思います。

個人の番組なので、音質などお聞き苦しいところもあると思いますが、そこはご了承ください。

何卒よろしくお願い致します。

 

今後の放送予定です。

5月15日 #2「究極超人あ〜る

5月22日 #3「げんしけん(初代)」

5月29日 #4「げんしけん(二代目)」

6月5日  #5「サムライスピリッツ

 

予定なので未定です。

そのうち、ゲストも呼びたいですね。

どうぞよろしくお願いしますー。

 

2015-05-05 私立リリアン女学園日記

[][]早坂美玲が、ただひたすらに愛しくて

早坂美玲が好きです。

早坂美玲が、どうしようもなく好きです。

好きになってしまったんです!

ありがとう、ありがとうアイプロ!

 

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「なぜこのキャラが人気なんだろう?」

言葉で説明が出来ないキャラ、あるいは本当に理解ができていないキャラっているんですよ。

その代表が、早坂美玲という女の子でした。

魅力がわからなかった頃はずっと「タオカカ」って呼んでましたごめんね。

 

爪があるのにツメが甘いアイドル、なんて言われていることもあった早坂美玲。

好きな人に魅力を聞くと「かわいいじゃん!」。

そう、「かわいい」のだ。

全身ピンクの衣装。缶バッジグルーミーみたいなフード、そこからのびるツメ、黒長袖Tに赤ジャケット、パンキッシュなベルトにシマシマニーハイソックス

そして眼帯と首輪。

キュート・ポップ・パンクを地で行くようなこの衣装、死ぬほどかわいい。

 

新しい時代だと思った。

シンデレラガールズが始まった時って、渋谷凛という「今どきの女子高生」がいること、城ヶ崎姉妹という「ギャル」がいることにスゴイ驚いた。杏よりも驚いた。

ああ、これはギャルゲーの新時代だと。今までギャルゲーで出したらいけないキャラを多人数にまぎれこませて、しかもアニメ・ゲームファン向けにうまくアレンジしている。

やられたなと。衝撃でした。

 

で、早坂美玲はそのもうワンランク上に見えたんですよ。

ビジュアル面での、かわいさ、わからなさを基調とした奇抜なキャラクター。

ただもう見た目がひたすらにかわいい。「かわいい」という言葉以外彼女を表現できない。

これはすげえなと。

Pを「オマエ」呼ばわりで、ちょっと粗暴で「ひっかくぞ!」とはいうものの、ひっかくもなにもねえ。他のアイドルは働かなかったりボンバーだったり25歳児だったりドーナッツだったりする修羅道ですよ。何の武器にもならない。

 

「かわいい」が何よりも強いキャラクター。

まるでpixivの上手い人の絵から生まれたようなキャラクター、だけどいてもおかしくない、というのがぼくの最初の印象でした。

 

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しかし、人気の程がいまいちわからなかったのです。

かわいい。

でもみんなかわいいだろうよ。早坂美玲ほどビジュアルすごくなくても。

このへんがぼくの混乱の元でした。

「パンキッシュかわいい」。いやそうだよ。

でもそれだけにしか見えない。

んー……??? いや「かわいい」よ。だがそれだけで十分か?

 

早坂美玲はずっと人気キャラ。

イラストも多くあがるし、人気投票でもランクインしている。

なぜだ。

 

ぼくがシンデレラガールズにもとめているのは「人間性」でした。

渋谷凛がどんなに見た目が今どきで衝撃を受けても、彼女が真摯で、でも幼いから好きだったわけで。

早坂美玲は、なんだ? なにものなんだ?

「ガオー」とか「ガルルー」とか言われてもわかんないよ。

 

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しかし、最近になってあらゆるものがカチっとはまりました。

少女は、安定しないから少女なんだ。

 

早坂美玲を読み解くときに必要なキーワードを幾つか並べてみます。

・一匹狼

彼女は事あるごとにこの言葉を出します。特に初期は、孤独であろうと格好をつけます。

Pはそんな彼女に対して、アプローチをかけ続けるわけです。すると、「あぁもう!オマエといるとウチのペースが乱される!」と怒鳴ります。

ツンデレ? いや、ちょっと違うんだよ。これは孤高であろうとする自分と、アイドルとしてデビューし、プロデューサーといることに対する戸惑いなんだよ。

 

・センス

彼女、自分の着ている服装へのこだわりが尋常じゃないです。

まあここまでキュートパンクな衣装を着続けているとなると、そうだよね。

多分既成品じゃない。

今回のアイプロでも、ホームセンターの利便性のいい似たようなお皿ばっかり並んでいるのを見て文句を言っていました。なんで同じのばっかりなんだ、センスのいいのはないのか。

彼女のセンスはある意味、蘭子の「かっこいい!」に近い物があると思います。

生き方を守るための装甲ではない。だから割りと他の衣装も着ることが出来る。Pに「今度着る服、どんな感じがいいと思う?」なんて聞いちゃう。

ただ、その「かっこいい!」は譲れない一線。彼女のアイデンティティの一部です。

今は「センス」という言葉しか使いませんが、歳を経た時に、彼女は「センス」以外の言葉を使ってファッションブランド立ち上げるだけの信念があります。

 

・気配り

彼女は非常に周囲のことに気を配れる子です。

普段はガオーとか言ってます。でも他の誰かが困っている時、頑張っている時、力を貸します。

その最たるものが、インディヴィジュアルズだよね。

森久保乃々と星輝子。個性の面ではもう手に負えないような子たちを、早坂美玲がいることでまとめてしまっている。

早坂美玲だっていわゆる「イロモノ」枠なはずだったのだろう。でもこの子すごい良心的。とにかく優しい。とにかく気配りができる。そしてそれを苦だと思っていない。

今回のアイプロでも、プロデューサーがお弁当作ったのを聞いて「大変だな」とさらっと言ったり、アルパカの掃除という罰ゲームも「あいつら掃除できないもんな」と答えたり。

あとこずえちゃんへの思いやりが半端じゃないです。これはアイプロやりなせえ。

 

・子供らしさ

芯が通っていて優しくて……なんていうと大人っぽく見えますが、彼女すげー子供です。

とにかく見ることすべて純粋に楽しんでいる。

「おっ、あれは○○だな!すごいな!」

「たまには、こういうのもいいな!」

彼女、裏表というものが一切ない。

だからあの派手な衣装も「彼女」だし、優しい気配りも「彼女」だし、一匹狼気取りも「彼女」。

バラバラなんだけど、全部彼女で、そのバラバラな自分に今ちょっとだけ戸惑うこともある。

この絵は非常に、人間「早坂美玲」を表現していると思います。

どんなに激しいレッスンでも、自分のセンスは崩さない。

でもきちんとレッスンはするし、楽しそうだ。

 

少女は、甘いものだけでなんてできていない。

少女は、バラバラでグチャグチャで混沌としたものでできている。

早坂美玲は、孤独と誰かといたい気持ち、芯の強さと優しさ、楽しい物を楽しいと思える素直さ、それに対する批判……もうめちゃくちゃな二律背反を全部抱えている一人の少女でした。

この混沌を、そこまで苦ともしていない。

ありのままに生きる子。それが早坂美玲です。

 

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今回のアイプロは、早坂美玲について「ぼくは何を見ていたんだ」とショックの連続。

さっきも書いたけど、ツンデレじゃないのよ。反抗期なのよ。

だから本人も戸惑いがあるけど、まあ親しいやつ(プロデューサー)には許してやろうと。

 

で、セリフの一つ一つはホームセンターでもアルパカ牧場でも、先ほどのキーワード「センス」「一匹狼」「気遣い」がアンバランスに交じり合っていて面白い。

中でも、注目したいのはこれ。

このセリフ見た時ちょっと衝撃だった。テキスト考えた人すごいと思った。

一匹狼なのに、寂しがり屋でみんなといるのが楽しい、というアンヴィヴァレンツを表現している部分もあります。

でもね、後半おかしくない?

「遠足に来たみたい…あッ! そんな感じがしたんだ!」

これは、なんだ?

すごい情報量ですよ。

彼女が今までこのキュートパンクにたどり着くまで、学校でどんな生活を送ってきたのか(遠足って言ってるしね)。

インドア派の彼女にとって遠足はいやな行事のはず。これが楽しくなっているというのはなんなのか。

素直に「美味しいな!」といえる彼女。「遠足」も素直に出てきている言葉のはず。これは何を指しているのか。

「そんな感じ」の「そんな」は一体彼女にとって、どのような感情をさすのか。

 

早坂美玲という子が抱える多様すぎる思いが、たまにこうやってポロリともれます。

カードだと漏れないけど、今回のアイプロはすごい。

彼女は、自分でもわかってないくらい、あまりにも複雑で、同時にあまりにもシンプルなんだ。

 

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彼女のゴテゴテの衣装も、「かわいい」だけじゃない。

早坂美玲という、混沌とした少女の内面が全部表に出ている。

優しさ、一匹狼、思いやり、センスへのこだわり、芯の強さ、気遣い、孤独。

もしかしたら、二律背反でも、裏表でもなく、全部並列しているのかもしれない。

 

もう、あらゆる自分を素直に受け入れている早坂美玲のことが、愛しくて仕方なくなっちゃったのよ。

抱きしめて頭なでて、で「うるさいな!ひっかくぞ!」って言われたくなったのよ。

眼帯のこと? いいじゃない。理由はいらない、これが彼女なんだよ。

 

「かわいい」

シンプルな褒め言葉。

でも「かわいい」って何さ。「KAWAII」って何さ。

「かわいい」の語のもつ、複雑さを、少女であり、人間である、早坂美玲は体現しているとおもう。

「かわいい」は混沌なのだ。

 

だから、改めて言いたい。

早坂美玲は、かわいい。

 

 

 

 

おわり。

2015-04-10 私立リリアン女学園日記

[][]シンデレラプロジェクトの少女たちは、今だけこの園で、裸足でいられる

とりあえず第一期、13話が終わりました、「シンデレラガールズ」。

いろいろ言いたい部分はあるんですが(というか積み上げが一片のすきもないので逆にいうこと無いくらい)、未央の話とかしてパニクる前に、これだけはどうしても。

 

「シンデレラガールズ」は、裸足少女アニメの歴史に名前を刻んだ

たまたま裸足だったとか、裸足の生活を送っていた(ハイジとか)とかではない。

「裸足である状況を作り出して、少女を表現する」作品のこと。

とりあえず殿堂入りしているのは、「けいおん!」です。

 

フェス後。みんなが衣装を脱いで、座って話している時です。

突然飛び込んできた、全員裸足のシーンに驚いた。

確かにぱっと見自然だけど、そもそも片付けた後のステージではだしでいる意味わかんないよ。

結構汚いだろう、雨も降ったのに。

 

そうじゃない。

ここは演出上、裸足じゃないといけないのですよ。

誰か一人靴をはいているとかはありません。一律裸足です。

 

まず「アイドルマスターシンデレラガールズ」は「ガラスの靴を履く」話。

ならば、魔法の時間が終わって靴を脱いだら裸足じゃなければいけない。

スタンバイ状態。おそろいのTシャツかわいいですね。みくにゃんかわいいですね。

魔法はかかっていません。

比べてみてよ。

蘭子に魔法がかかるとこんなに美しいんだよ!?

衣装、演技、歌唱力、小物、心意気……魔法の種類はいろいろあるけれど。

今精一杯の背伸びをして見えている景色は、とてもまばゆい。

一度失敗したニュージェネレーション3人も、ここでとうとう本気の笑顔を出すことが出来ました。

ほんとうの意味で、ガラスの靴を履いて「アイドル」になれました。

ちょっとしぶりんの格好かわいい。

 

ガラスの靴は、長く履くものじゃない。

脱ぐからこそ、履いている一瞬が美しい。

だから全員、裸足じゃないといけない。

 

「少女たちが裸足で集う」という描写には、もう一つ意味があります。

それは少女のうちはまだ裸足で居ることが許されるということ。

家でだらだら裸足で居るのと違う。みんなの前で、一緒に裸足になれる。

言い換えれば心の中を全部丸出しにして、お互いに投げ出してもいい

このへんは「けいおん!」がかなり細かく裸足のシーンで再現していました。

「シンデレラガールズ」もPVではだし多かったので期待してはいたけど、ここまで裸足力全開になるとは!

 

このアニメ、「少女」に対しての意識がとても強いです。

それは「とても幼い」という意味で。

みりあや莉嘉ちゃんは人気キャラですが、アニメではけたたましいくらいなので苦手な人もいる様子。

しぶりんなんかはクールビューティーに見えますが、まだまだ15歳。行き惑い、わかってないことばかりなのがきちんと描かれています。

未央の「私がなんとかしなくちゃ」の悩みと、あっけらかんと話しかけるあのノリも、やっぱり幼い。

しまむらさんはまだ不明)

蘭子やアナスタシアに至っては、その幼さが全開でしたね。まだまだ子供。

まるで自分の子供が悩んでいるのを見ているかのようでした。

 

彼女たちが歳をとっていきはじめたら、いつまでかはわかんないけど……どこかで裸足になれなくなる時期がきます。

少なくとも「裸足になってもいい相手が限られる」時期がきます。

今は、全員がお互いに裸足になれる。

いや、ようやくなれた、という瞬間なのかな。

 

その裸足は、さっきはいていたガラスの靴のようにちょっと高い感覚が抜けなくて。

少しだけ背伸びして。

渋谷凛は、もう少しだけ魔法の力で高い所からアイドルの光景を見る。

きっとそのうち、裸足でも見られるようになる。

 

今はくつをはいてなよ。

一緒に裸足で語り合える、心を曝け出せる仲間がいるのだから、いつだって裸足にはなれるよ。

 

 

 

おわり。

2015-04-07 私立リリアン女学園日記

[]浅野いにお作品が、すごすぎて、苦手だったんだ

苦手だったんだ。

浅野いにお作品。すごすぎて、どうも頭がついていかない。

すごいのはわかるんだ。日常のどうしようもない気だるさにどう戦うか、みたいなテーマがぎっちり詰まっていて。

でもそれが必ずしも自分の感覚とあうとは限らないわけで、あう人にはそれはもうドンピシャ、貫かれると思う。

でもぼくはだめだった。「おやすみプンプン」はニントモカントモ心が乗らなかった。年を取ったのかな、と思った。

虹ヶ原 ホログラフ

「虹ヶ原ホログラフ」はズシンと来た。浅野いにお作品でもすごく「ぼく」にハマったんだと思う。ひとりよがりなやつばっかりで、感情移入ができないやつばっかりで、そこが感情移入できた。大好きな作品。皆不安でしゃーねーんだからしょうがねえだろ感がもりもり出ている。

その前の「ソラニン」は、嫌いと言っていいほど、読んだ当時苦手な作品だった。

ソラニン(1) (ヤングサンデーコミックス)

多分浅野いにお作品では、もっともわかりやすい作品だと思う。

大学卒業、同棲をして、仕事がうまくいかなくて、だらだら悩んで、仕事をやめて、バンドをやって。

読んだばっかりの時は「ふざけんな!」ッて思った。

バンドは仕事しながらやれよ! 働けよ! なにがおれが支えるだ、支えられてない子供の集団じゃないか、どうして、どうしてみんな夢追い人で、「できる可能性」から逃げてるだけなんだよ。

ふざけんなよ!

ふざけるんじゃねえよ!

ぼくだって……辛くて苦しくて恋人もいなくて寂しくて仕事も嫌で死にたくて……でもドラム叩いてたんだ……お前らふざけんじゃねえよ……。

 

改めて、今もういいおっさんになって読みました。

いい漫画だった。

浅野いにお作品では「虹ヶ原ホログラフ」と同じくらい好きになれた。

多分、1巻はだめだ。まだ受け入れられない。

マンガとしては素晴らしいけど、キャラクターの思想が受け入れられない。

でも2巻では、キャラがみんな「大人」になる折り合いをつける。

 

最高に素晴らしいのは、同棲してた種田のギターを持って、井上がライブのステージに登るシーン。

小さい箱だ。決してメジャーじゃない、アウェーな場所。

歌う歌は、種田の作ったソラニン。一緒に演奏する相手は、種田のバンド。

真っ白になる頭のなか、ただフェンダームスタングを弾いて歌った。

 

「あたしは今日、ギターを弾いて歌った。心臓の鼓動のせいか、音なんて全然聞こえなくて、声は何回も裏返って、きっと目茶苦茶な演奏だったけど、最後の曲、ソラニンはまちがえずに歌えたよ

 

東京で働きもせず、何やってんだあたしは。……なんて、まぁ考えるけど、こんな日があってもいいな。……って思うよ。」

 

「だけど……この曲が終わったら、またいつもの生活がはじまるんだ。」

 

「あ……曲が終わる……」

 

「曲が……曲が……曲が…………終わった」

 

ぼくは、バンドをやっていたとき、曲が終わるのがいやだった。

中には「よっしゃー!」という喜びの人もいる。でもぼくは、一生でも弾いていたいんだ。

終わったら……終わったらいつもの日常に戻っちゃう……もっと、もっと叩きたいのに……。

 

この経験を経て、井上にどうしようもなく共感し、この作品がどうしようもなく好きになった。仕事はしろよと思いつつも、君はボクと同じだ、と手を繋ぎたくなった。

 

浅野いにお作品は、技術に関しては喝采があると思う。キャラクターに関しては多分万人が喝采する作品じゃない。

「死ぬほど共感する」か「全く共感できない」かの二択だ。どの作品も。

あるスイッチが入って、死ぬほど共感できたとき、宝物になると思う。

そうでなければ、無理して共感しなくていいと思う、そのくらい遠く距離が離れている感覚だから。

 

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 2 (ビッグコミックススペシャル)

今のところ、デデデデは「萌えSFに挑戦する気満々だなー」という印象。

面白い試みになりそうだけど、2巻ではまだなんともいえないので見守り中。少なくとも今までのプンプンみたいな共感性を求める作品からは足を洗っているみたい。

そういうのができるのが、器用なんだよなあ。

 

浅野いにおは、かつての虹ヶ原やソラニンのような作品は「今はもう描けない」と言っていた。

あの頃だったから描けた、と。

だろうなーと思う。

だから、その時期の浅野いにおの感性に触れられる人は、どっぷり浸かってほしいなって思う。

つかれなかったぼくのような人は、遠くから見守っててもいいと思う。

うまいのには変わりないんだから。けなすつもりもないし、どっぷりハマった人に文句を言うつもりもない。

ただ、社会現象として「ソラニン」「虹ヶ原ホログラフ」が存在したことは、留意しておく程度のことはしたい。

 

ああ、音楽が、終わる。

また弾きたい。弾ける日がくるんだろうか。

今は、石塚真一「ブルージャイアント」に救いを求めています。

響け!ユーフォニアム」も楽しみ。低音楽器アニメとか最高でしょ。

 

でも最終的に選択して、弾くのは、ぼくだ。

 

 

おわり