『減税論』と地方分権(たとえ河村さんの言うことが間違えていたとしても)

本書の副題でもある「増税やむなし」が震災を期にふたたびかまくびをもたげたのはなんとも皮肉だけれど、愛知県の「減税日本党」は議席を伸ばしつつある。

減税論―「増税やむなし」のデタラメ (幻冬舎新書)
『減税論―「増税やむなし」のデタラメ』 (幻冬舎新書) [単行本]
河村 たかし (著)

目次
第1章 国債は「借金」ではなく「財産」である
第2章 減税に財源の心配はいらない
第3章 減税で名古屋の公共サービスは向上した
第4章 議員の家業化をいまこそ見直す
第5章 政治とカネとこれからの日本
減税は全国どこでもできるーあとがき


東京にいては感じられないかもしれないけど、確実に「地方分権」は進みつつあるといっていいんじゃないかな。
総務省によってではなく、地方自身の手によって、このように地方の政治が隆盛しつつあることがそれを示している。
愛知県の「減税日本党」は大阪府の「大阪維新の会」に比べれば見劣りするものの、公約実現は可能なレベルになってきているんだし。



愛知県


大阪府

たとえ河村さんのいうことが間違えていたとしても
ここで、河村さんの『減税論』について、考えてみたい。
河村さんは、減税に対してなされる3つの心配についてそれに反論している。
地方債の増発、財源の不足、公共サービスの劣化の3つだ。それぞれの内容については本書を読んでもらうとして、僕はこんなことを思う。


たとえ河村さんの言うとおりじゃなくて、地方債を増発しなきゃいけない事態になったとしても、財源が不足したとしても、公共サービスが劣化したとしても、もっと減税して、市民がもっと名古屋に住んでくれるようになって、もっと企業が名古屋に来てくれるようにならないとヤバイんじゃない?
減税しなかったらいつまでたっても東京に勝てないよ?


名古屋なんてまだまだマシなほうで、河村さんのあとがきにもあるけれど、「町の最大の産業が役所」なんてところは、間違って地方分権にでもなって補助金がカットされでもしたら、それこそ一瞬で破綻だよね。
地方分権って、そういうこと。地方自治体間の競争なんだから。


まあ、幸いにも減税したほうがむしろうまくやれるっていうことが名古屋で実証されつつあることが本書で示されたんだから、これでやらない理由はなくなったわけだね。


●@YMKjp