野村誠の作曲日記

2016-07-27 JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)と邦夫さんと岩槻

岩槻(さいたま)でのJACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)のワークショップの4回目。本日は、スペシャルゲストに邦夫さん(高砂部屋、呼出し)をお招きして。触れ太鼓トントンストンのリズムを、本物から直伝していただき、それを竹や太鼓などで合奏。邦夫さんのソロになったり、全員になったり。

顔ぶれをなく(口上)を、邦夫さんから直伝。素晴らしき声のはり。相撲は明日が初日じゃぞい。〜〜錦には、〜〜山じゃんぞい。ご油断では、つまりますぞ。

そして、色々な楽器をぶらさげて、トントンストンで練り歩き、触れ太鼓実践小学生時代に野村ワークショップに参加した少年は、50センチほど身長が伸び、大学生になってサックス持参で参加。時は流れている。感無量。サックスも加わり、触れ太鼓隊はパワーアップ広報用の写真撮影もして、野外でも撮影。素晴らしき時間

その後、JACSHAとトリエンナーレスタッフとで、ミーティング。いよいよ10月2日の本番に向けて、大詰めです。次回のワークショップは、8月27、28日の二日間の集中ワークショップになります。9月22日にもやります。9月30日の夜と10月1日が直前練習で、2日が本番です。

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2016-07-26 JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)の日

本日は、信じられないほど働いた日。岩槻(さいたま)でのJACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)。さいたまトリエンナーレのためのワークショップ

午前中は、5歳から2年生までの低学年の子どもワークショップ。子どもたちと相撲の話をして、四股を踏み、古式土俵入りの動きをして、ウォーミングアップ。トントンストンと声を出しながら、一番太鼓リズムをやってみる。そして、一番太鼓のリズムで大人と既に作った歌のメロディーにのせて、替え歌をする。新たな歌を歌いながら、みんなで楽器を鳴らしながら練り歩く。という60分。

東京芸大で、相撲の呼出しについてレポートを書いた学生さんも参加。お昼ご飯を食べながら、色々と語り合う。

午後は、3年生から6年生の高学年の子どもワークショップ。子どもたちと相撲の話をして、四股を踏み、古式土俵入りの動きをして、ウォーミングアップ。トントンストンと声を出しながら、一番太鼓のリズムをやってみる。低学年よりも覚えが早い。このリズムで、肩たたきをしてみる。肩たたき土俵。これを楽器でもやってみる。そして、一番太鼓のリズムで大人と既に作った歌のメロディーにのせて、替え歌をする。さらに、この替え歌のメロディーを変えて、新たな曲を作曲。という60分。

その後、トリエンナーレの展示会場に行って、展示の打ち合わせ。サウンドアーティストの村井さんが、展示のテクニカルスタッフにいて、色々とアイディアが膨らみ、JACSHAらしい展示のプランが、どんどん浮上。低コストで、面白い展示になりそう。

夜は、大人のワークショップ。トントンストンのリズムの復習をして後、竹に太鼓や楽器をぶら下げて、触れ太鼓の練り歩きを試みる。楽器をぶら下げるだけで、めちゃくちゃ面白い。古式土俵入りの動きをやってみて、その動きを指揮者に見立てての即興オーケストラ。指揮者でありながら、ダンサーであり、土俵入りである。こんな指揮は、すごくカッコいい。そして、拍子木のワークショップも少しだけやりました。交流会が終電近くまで続く。10月2日の本番が楽しみ。

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2016-07-25 ザ・フリー 

水戸へ。国田義務教育学校に。小学校中学校合併した9年生の公立の学校。今年からのことらしい。

山本麻紀子さんの巨人プロジェクト。やぶくみこさんと野村で、音楽創作ワークショップ。山本さんとスタッフの方々で、昨年つくった巨人の物語表現するオブジェや絵や映像が、音楽室のあちこちに設置されていて、物語の世界の中にいる。

4年生ー6年生まで、約20名。まずは、山を囲んで小物打楽器即興演奏を、いきなりレコーディング。プレイバックを聴くと、「ザ・フリー 山の雨」とタイトルがつき、終わりの決めがあった方がいいと、カホンを加えて、テイク2。

続いて、滝の絵の前で、2曲目。鉄琴がいい。あ、それにウィンドチャイムも、と加わっていく。トライアングルも加えた金属アンサンブルで、「ザ・フリー 袋田の滝」。

3曲目は、巨人の足跡を囲んで。指揮者の歩くのに合わせて、全員で演奏。低い音と言う。和太鼓ピアノの低音、などなど、できるだけ低い楽器で。「ザ・フリー 巨人の足音

昼休みのお弁当を食べるが、休み中も、子どもたち楽器を演奏し、「七つ洞公園の歌をつくりたい」とか「岩の上の曲つくっていいですか?」と提案してくる子どもたち。

「ザ・フリー岩の上で」は、ピアノ曲。冒頭だけ作ってくれていたので、発表してもらい、その続きをみんなでつくる。ドレミの3音の組み合わせでつくるメロディー

続いて、「ザ・フリー セントマイケルマウント」は、箏とクラヴェス。箏の調弦を、最初は古典の平調子にして、そこから子どもたちと一緒に、柱の位置を変えていき、オリジナルな調弦にすると、イギリスの妖怪が出てきそうな雰囲気に。

最後、「ザ・フリー 七つ洞公園」の歌詞ができあがり、みんなでメロディーを一音ずつ作曲して、歌が完成して、みんなで歌って終了。

そのまま、さいたま市岩槻へ移動して、明日からのワークショップに向けて、JACSHAの樅山智子と鶴見幸代とミーティング

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2016-07-24 楽器の習得について

豊明の名古屋短大にて、講座「音楽ってどうやるの」を開催。約100人ほどの保育士さんたちが対象。鍵盤ハーモニカイントロダクションから始まり、鍵盤ハーモニカの奏法などを解説。その後、教室内にある紙コップやテーブルなども演奏して後、ボディパーカッション時間(スイッチ)を経て、声の表現の時間を経て、ピアノと仲良くなる講座。ピアノに叫んでみたりして後、受講者のリクエストにこたえるコーナー。動物の鳴き声を楽器でやるとか、効果的な練習のコツ、子ども指導に関することなど、色々、こたえる。

今日の講座で言ったこと。これは、以前、エンリコが言っていたことを思い出しながら、言った気がします。

「ピアノが弾けなくて、ちょっと練習しても弾けなかったとして、自分に才能がないと思って諦めるのは、早いです。弾けないものは、すぐに弾けるようにならないのは、誰でもそうです。プロでもそうです。弾けないところは練習しますけれども、それでも、すぐにはできるようにならない。仕方がないので、ごまかして弾きます。いくら、そこだけ練習し続けても、すぐには弾けるようにならない。でも、嫌いにならない程度に、練習をしていたら、ある日、弾けるようになることがある。だから、嫌いになるくらい猛特訓して嫌になってやめない。すぐに才能がないと思って諦めない。できないところは、すぐにはできるようにならないと悟った上で、とりあえずごまかして弾くこと」

これは、楽器だけでなく、世の中のこと、社会のこと、全てにあてはまると思っています。ちょっと何かをして、世の中が変わらなかった。無理だ、と思って諦める。それは早過ぎる。急には変わらないです。理想が高くって、嫌になるのではなく、ひとまず、今できている部分を喜び、できない部分は、適当にごまかしながら、すこし改善のために努力する。でも、嫌になるまで努力しすぎたりしない。そうやって続けているうちに、いつの間にか、変化が出たりします。楽器ができるようになることを知ると、生き方も変わる気がします。

その後、東京へ移動。デンマークに住むポーランド人打楽器奏者/即興演奏家のアルベルトから連絡があり、会いました。野村の作品について、インターネットで色々調べてくれていて、数々の質問を浴びせかけてくれて、ポーランドの現代音楽のことも色々教えてくれました。

その後、あいのてさんの尾引さん、編集者の原島さんと打ち合わせ。

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2016-07-23 田原の図書館が面白い

豊橋にもう一泊しておりまして、本日は、田原という渥美半島の町に出かけて、そこの図書館を見学して打ち合わせ。こちらは、非常にユニーク活動をしている図書館で、図書館員劇団をつくって演劇をしたりジャグリングをしたりしていたり、自分たちで図書館の本にオリジナルの帯を書いてみたり、不思議な展示があったりするのです。

閉館後の館内で鍵盤ハーモニカを吹くと、とても良い響きがあり、空間的にも演劇やダンスにも適しそうな面白い空間。次年度、図書館と大学連携して、何かをできそうな予感。

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2016-07-22 門限ズの夏休みは、演劇とダンス

豊橋に来ております。門限ズの夏休みワークショップ2回目の2日目。本日は、演劇ダンスの日。会場は、豊橋駅前の劇場PLATのスタジオ。

遠田誠のリードで始まった身体を動かすワークショップが第1部で、身体をドンドン動かし、二人ペアになって面白い姿勢になったり、難しいステップしたりする濃密でクリエイティブな30分の後、倉品淳子による演劇ワークショップが第2部。いきなり笑い声のクレッシェンドをして、それを楽器に合わせてセッションしたり、「愛してる」と「えっ」だけによりリレーするゲームをしたり、二人組で「えっ」と驚く短い芝居を作ったりしました。その後、第3部は、倉品演出による野村誠吉野さつきの対談。野村が司会で吉野さんに豊橋のアート事情をインタビューしているうちに、悪魔的形相のダンスでゆっくりと接近してくる遠田誠に観客大爆笑の中、レクチャーを続けると、遠田によるマッサージが始まり、吉野のレクチャーは、マッサージによるツボ刺激で、中断されながらも、絶叫しながら講義を続けます。そのうち、野村にも妨害が入りながらの、講義が続いていきます。アーツマネジメントと演劇とダンスの関わりの第3部が非常に面白い演出で実現して後、第4部は、演劇とダンスの融合。第2部の最後の「えっ」の演劇を起点に、ダンス的に展開。ストレッチでクールダウンして終了。

門限ズの濃い2日間でした。次回は8月10日と11日です。

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2016-07-21 般若心経と四股とのセッション

豊橋にやって参りました。「門限ズの夏休みワークショップ」の第2回。本日は、「お寺で音楽ワークショップ」です。場所は西光寺。曹洞宗のお寺で、副住職小原泰明さんと、門限ズ(=遠田誠+倉品淳子+野村誠吉野さつき)のセッション時間を持とうというのです。

本日のプログラムの1番目は、「仏教と音楽」ということで、野村作品で仏教の悟りと作曲を重ねて作った「だるまさん作曲中」というピアノ管弦楽のための作品を、映像で見ました。指揮者の本名徹次さん、ピアニスト向井山朋子さんが舞台上にあがって、オーケストラのメンバーが客席から、だるまさんが転んだの遊びをしながら舞台に近づいて行く第1楽章。指揮者がふとんに寝転がり、寸劇が始まり、台詞の一部がオーケストラの楽器で奏でられる第2楽章。短い曲を書いてはボツにしていく作曲風景を描く実演付き寸劇の第3楽章。ピアノでの即興演奏風のカデンツァの第4楽章。そして、オーケストラとピアノが複雑に絡み合いながら響き合い、客席から手作り楽器50人も参加する第5楽章と進んでいく、25分ほどの作品。2001年作曲なので、15年前。ぼくが33歳になった頃の作品を懐かしく鑑賞。

参加者の中には、元力士で高砂部屋マネージャーの一ノ矢さんも、名古屋場所から駆けつけて下さり、相撲甚句の披露もあったり、豪華な内容。

第2部は、楽器の即興セッションで、「せーの」と「1234」を導入でやった後、声明博士イメージした「なんちゃって博士」ということで、紙の上に博士なのか、ネウマ譜なのか分からない不思議な曲線を書いてもらい、それを声でやってみるワークショップをやりました。

そして第3部が、いよいよ、お経とのセッション。声明とケンハモのデュオがその1。そして、その後、般若心経読経に合わせての即興。一緒にお経を読みたい人は、お経を読む。そして、踊りたい人は踊り、楽器をやりたい人は楽器を、演劇をしたい人は演劇。各自にゆだねられますが、大切な誰かをイメージし、大切な何かをイメージして読むのです。ぼくは、ケンハモを吹いていました。遠田誠が踊っていますし、倉品淳子は台詞を即興で言っています。気がつくと、ワークショップの参加者も色々と始めていて、一ノ矢さんが四股を踏んでいました。吉野さんは四股に合わせて、音を出していました。木魚とお経と鍵盤ハーモニカの奏でる音楽に、四股は美しく調和して、こんな供養の仕方があってもいいのだなぁ、四股とは、そもそもトレーニングというよりも、鎮魂の所作であったに違いないと感じさせられるような美しき瞬間でした。

感謝

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2016-07-20 音楽創作と労働環境づくり

野村誠日本センチュリー交響楽団ハローライフで行う音楽×就労支援プロジェクト「The Work」の3年目の発表イベントを、本日、豊中市立ローズ文化ホールで開催いたしました。

イベントは

1)活動の紹介(トークとパワーポイント)

2)舞台転換のつなぎの時間に、観客体験コーナー

3)メンバーによる短い即興演奏

4)野村による曲の解説

5)新作初演「日本センチュリー交響楽団のテーマ(第5稿) Overture for Geo-Opera

といった流れで進みました。トークの時間ですが、この活動の背景を熟知している観客の方と、ほとんど何も知らずにチラシで興味を持ってきた観客の方とおられると思いますので、大変、説明が難しい中、センチュリーマネージャーの柿塚さんが、パワーポイントで、様々な事例を交えて奮闘されておられました。このブログでも、あまり説明せずに書いてきましたが、軽く説明してみましょう。

日本センチュリー交響楽団は、定期演奏会クラシック演奏を行うオーケストラであると同時に、子どものための音楽/楽器体験「Touch the orchestra」など教育的な活動にも力を入れてきました。そのセンチュリー交響楽団が、新たに「コミュニティプログラム」を開始したのが、2年前。そのディレクターになったのが、作曲家の野村誠です。

コミュニティ・プログラムでは、若者の就労支援など、現代的な課題に、音楽家がどのように関わっていけるのかを実践し、従来になかったプログラムの開拓をしております。その中で、第1弾として始めたのが「The Work」で、就労支援に非常にユニークアプローチで取り組むNPOスマイルスタイル」と恊働で進めてきました。

就労支援と音楽創作が、どのように結びつくのか、これは、やってみないと分からないところもありました。具体的には、二つを無理に結びつけるのではなく、音楽創作ワークショップと、ハローライフワークショップ(コミュニケーションスキルの上達などを目的としたプログラム)を交互に行う、という方法をとっています。これが、どうも成功しているようなのです。

どういうことかと言うと、音楽創作ワークショップでは、合図を見たり、合わせたり、言葉以外での様々なコミュニケーションをとることがあり、これ自体が、自然にハローライフのワークショップにフィードバックされます。また、ハローライフでのコミュニケーションゲームなどで行う内容が、音楽の創作にもフィードバックされていきます。

そうしてワークショップで出てきたアイディアをもとに、野村が作曲をして、本日演奏したわけです。野村が作曲で心がけたことは、楽団員も若者たちも、それぞれのスキル個性に応じて活躍の場があるようにする、ということ。その結果、一人のリーダーが引っ張るのではなく、全員が役割を分担しながら進む音楽が生まれたのですが、これが予想以上に魅力的な音楽になっていたのです。

全部がプロの音楽家で、同じ譜面を演奏したら、もっと簡単に演奏できるはずです。誰も、譜面上で迷子になる人もいなければ、リズムがずれたり音程をはずす人もいないはずです。でも、本日のメンバーだと、誰かが迷子になるかもしれないし、ずれるかもしれない、という緊張感を持ちつつ、それをお互いにフォローしようとしながら演奏することで、より深みのあるサウンド、リズムになっていて、こうした音楽があり得ることを体感できて、ぼくは驚愕しましたし、そんなに安易に感動しない性格のぼくでも、心が動かされてしまう何かを感じ、グラグラ、くらくら、としてしまったのです。

そして思うのです。こうした若者たちが、こうして就労支援のプログラムに参加していることは何か?これは、彼らの能力を育成するプログラムなのか?と。そういう面もあるかもしれません。しかし、そう言う前に、これだけ持ち場が与えられた時に、能力と個性を発揮できる彼ら/彼女らに、活躍の場が全然足りていないのが、今の日本なのだ、と。活躍の場をうまくコーディネートすることが、今回のぼくの作曲家としての最大の仕事だったかもしれない。そして、作曲以外に社会の中でも、適材適所に役割を分担させながら、全体が魅力的な響きになるオーケストレーションができる人材こそ、大切なのでは。そう考えると、就労支援というのは、若者たちが現代の社会に適応する能力を高めるプログラムを行うことだけではあり得なく、若者たちの個性や能力を活かせる社会に変わっていく一石を投じていくこと、でもあり得るのだ、と思うのです。

さて、本日の演奏会。オーケストラの楽団員と若者で、こんな音が出し得るなんて、プロジェクトを始めた頃は期待していただろうか?最初から、こんなものかと諦めていたのはないか、と反省するくらい、可能性を感じさせてくれる音がしていました。野村誠も目を覚まさなければいけない。

若者たちの可能性を、ぼくは信じられるようになりました。ぼくなんかでも、ついついデータを見て、若者の選挙投票率が低いなぁ、と何も考えずに短絡的に批判してしまいます。でも、考えてみると、どの政党が、若者たちを候補者として次々に立候補させていますか?自分引退してサポートにまわって、20代の人に国会議員してもらおう、経験が少ない部分は助けるから、という立場を表明するベテラン政治家がどうして、もっと出て来ないのでしょうか?若者の投票率があがって欲しいと言いながら、若者の代表として若者が立候補できる状況が、全然ないことに、まず目を向けた方がいいのかもしれません。

単純作業効率よく行う人材ではなく、物事をじっくり考え行動できる個性的な人材を輩出するべく「ゆとり教育」と呼ばれる教育があったと言います。いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれる若者たちと出会って思うのは、本当に素晴らしい人が多いということです。若者の素晴らしさ、可能性にもっと目を向けたいのに、なかなか脚光を浴びないのでは、宝の持ち腐れになってしまう。指示を的確に効率よく行える即戦力になる人材を求めると、どうしても、手堅い実績のある人に仕事がいってしまうけれども、思い切って、未知数の若者たちの可能性を信じていきたい、と「The Work」を通して感じるわけです。本当に、

若者たちの不安、若者たちの勇気、若者たちの温度と態度に、一人の音楽家として関われることは、ぼくにとって非常に大きい体験でありました。本当に感謝します。

それにしても、観客の皆さんから、予想を遥かに上回る数のアンケートの記入があり、嬉しかったです。そして、終電を逃してまで、残って話し込んでいく打ち上げの時間も、愛おしい時間でした。もう、このメンバーで集まって共演する機会は2度とないかもしれませんが、このコラボレーションで受けた振動は、身体の中に残っているので、この音に耳を傾けながら、生きていこうと思います。ありがとう。

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2016-07-19 若者たちと楽団員のエネルギー

岡山で、島袋道浩くんの新作制作のためのリサーチ。本日は、昨日のリサーチに加えて、作品に出演していただく予定の演奏家の方との顔合わせなど。通常の奏法でない演奏なども、いろいろ試行錯誤

その後、大阪に戻り、日本センチュリー交響楽団ハローライフで行っている「The Work」の最終リハーサル

本日のリハーサルの最後の演奏の音が、とんでもなく雄弁でした。3週間前に、ぼくが譜面を書いていた時の想像(こういう響きに、こういう音楽になるだろう)を遥かに越えた音が出てきていました。音を聞くと、声を聞くと、若者たちの中に秘められたエネルギーが渦巻いているのが、感じられます。こんなエネルギーを持つ若者たちが活躍できる場が不足しているということは、今の日本の社会の仕組みが変わっていくべきなんだと、彼らと共演してみて、ぼくは実感しています。

ぼくの作曲した曲は、下手すれば、若者が演奏しているバックで、オーケストラのメンバーがパート譜を譜面通り、仕事をこなすように演奏してしまうことでも、形式上は楽曲として成立する、そういう譜面です。若者と楽団員が本当の意味で音として交わらなくても、表面上は成立し楽曲の体裁は保てます。しかし、昨日のリハーサルで、センチュリー響の楽団員たちの音は、譜面に書かれた楽譜を、譜面通りに演奏していながらにして、(非常に深いところで)音を通して若者たちと呼応する/コミュニケーションをしようとする、そういう気持ちが詰まった音を発していました。若者たちと楽団員たちは、譜面上は全く違う演奏していますし、音楽上のスキルも全く違いますが、でも、本当に一緒に音楽を作り上げていて、音楽に命が宿るような、そんな有機的な音楽を生み出していました。

指揮者を置かない代わりに、ちょとした合図の担当を、一人ずつに分担してもらっています。その多くは、若者たちの誰かが担当しています。ぼくの書いた曲は結構厄介で、演奏者は20名近くいて、しかも、ワークショップの中で生まれたトリッキーなリズムもあり、アンサンブルは一筋縄ではいかないのです。それを、お互いに気を配り合いながら支え合うことで、アンサンブルが崩壊しないだけでなく、絶妙バランス感覚で、進んでいきます。プロ音楽家だけでも、素人の人だけでも生まれ得ない音楽が、確かにここに生まれています。こんなグルーヴ感やサウンドが出て来たのが、嬉しいことであります。

これは、他の何でもない「音楽」であります。音楽以下でも音楽以上でもない、ただただ音楽です。音楽は、説明とか意味を越えていきます。意味や効果に還元できないもの、我々が言葉で説明しようとしても、それを遥か越えた一音の中に、何かが発せられ、人はそこに何かを感じる。その何かは、滲み出てくる。だから、ぼくらは、ただただ音楽をする(もちろん、このプロジェクトを、3人のレポーターの方が、分析して言語化することを試みて下さっていて、それも大変嬉しいことなのです)。

先入観や偏見で勝手にイメージしていた若者像やオーケストラ像が覆されていきました。今の若者って、オーケストラの楽団員って。先入観は吹っ飛びます。そんなことを飛び越えて、ぼくたちはシンプルに、自分たちが創造した音楽を、丁寧に演奏している。ぼくたちは、役割役職や経歴や社会の仕組みや、色々なものを飛び越えられるんだ。もっと飛び越えていきたい。そんな感情が、ぼくの中に沸き起こったのかどうかも、分からないくらいに、何かが飛び越えていき、何かがかき混ぜられる。

明日、大阪は豊中市立ローズ文化ホールで、若者たちと日本センチュリー交響楽団の楽団員と野村で、演奏します。お時間が許すようでしたら、この場に、是非、立ち会いに来て下さい。応援に来て下さい。飛び越えられる気がします。

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2016-07-18 岡山へ

美術家島袋道浩くんが、岡山芸術交流2016に出品するのですが、その作品に野村が作曲で関わるので、今回はリサーチで、岡山へ。

こちらでのリサーチでは、相撲ではなく、別のことを調査しましたが、発見も多く、ワクワクさせられる一日でした。

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