野村誠の作曲日記

2016-09-19 荒井良二と野村誠の山形じゃあにぃ「かいこ趣味」

山形ビエンナーレ荒井良二野村誠の山形じゃあにぃ かいこ趣味」@かいこの杜(エコロジーガーデン)。明治時代養蚕研究施設。大量の糸を持ち込む荒井さん。県外からのお客さんも半分。大盛況。動画写真撮影OKのイベントで、野村の演奏を撮影した人が再生ボタンを押してしまったのか、客席から録音された鍵ハモの音。面白いので、みんなに動画撮影(または録音)してもらい、それを一斉に再生。野村の鍵ハモ一人が、100人のサラウンドオーケストラになる。荒井さんの民謡一人が、100人の小さな荒井さんになる。色んな楽器を鳴らしまくった音は、ノイズのようで、虫の鳴き声のようで、美しい。面白い。こんなやり方あるのか、と感動。

荒井さんは、書道絵画。子、こ、が、ここ、あそこ、にぶら下げられる。ぼくは、トイピアノを弾きながら、台車にのせてもらって、犬の散歩のように、演奏しながら移動していく。

瓦琴を演奏している。観客参加で、糸をグルグルしながら、空間全体に蚕の繭をつくる。女の子が、ぼくの演奏をずっと見ている。バチを渡して、共演する。人と人の距離が、グルグルになって、近づいたり離れたりする。

台車に乗って、鍵ハモを吹く。今度は、船乗り舟歌追分節。民謡。足踏みオルガンの足踏みを、お客さんに踏んでもらう。これも体験型

単語帳に、子ども時代に好きだった物を書いてもらう。子どももいるから、その人にとっては、今が子ども時代。「かいこ趣味」で、「蚕」になって「懐古」する。「回顧」する。アントニオ猪木、長新太絵本、ムツゴローさんのテレビ、青いプール、たかひろくん、‥‥。荒井さんの朗読伴奏し、伴奏にのって、荒井さんが歌い、ぼくも歌い、伴奏し、言葉が歌になり、楽器が言葉になり、絵を描かなくても、それぞれの心に絵が描かれる。たかひろくーーん。

「かいこのこ」と大合唱して、エンディング

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2016-09-18 野村誠のピアノじゃあにぃ「あっちの耳 こっちの耳」

山形ビエンナーレ。本日は、「野村誠ピアノじゃあにぃ あっちの耳 こっちの耳」。絵本作家ミロコマチコさんの展示「あっちの目 こっちの目」展示会場にて、ピアノを弾くのだ。ミロコさんの展示は、山形の人々から取材した動物に関する体験談をもとにして、クマ、ヘビ、ウサギ、トリたち、コウモリ、カモシカの6話を選び、それを人間側の視点だけでなく、動物側の視点でのお話をミロコさんが創作して、「あっちの目 こっちの目」として創作。動物のオブジェが、動物のストーリーが描かれる山車をひく、という展示で、力作。楽しさ満点。

野村のコンサートは、野村ソロの予定だったが、ミロコさんがスライドで、擬音語などをプロジェクションして、参加したいとご提案いただく。楽しみ。

360度全方位、超満員のお客さんに囲まれて、その中心にピアノ。小さなお子さんもいっぱい。楽しいピアノ即興ライブの始まり始まり。まずは、「クマ」のお話を話しながらピアノを即興で演奏するが、次第に、言葉から離れて音の世界に展開していく。夢中で、曲調がどんどん変化しながら、30分くらいピアノを弾きまくる。その間に、ヘビになったり、うさぎになったり、どんどん進む。「指50本ある」とミロコさんのスライド。そして、360度のお客さんの真ん中で、ピアノを回せないかと思ったの、その場で提案するが、重要文化財の建物の床を守るためにも、「無理!」と主催者からNGが出る。そりゃそうか。

じゃあ、お客さんに回ってもらおう、と言ってみたものの、みんなで席替えも難しい。芸術監督荒井良二さんに「どうしたらいいかな?」と相談すると、「椅子をなくしちゃえば」と言うので、皆さんの協力で、椅子を撤去。床に座ったり、立ち見だったり。ピアノの下にも入っていいよ、とピアノの下でも聴いてもらう。ぼくも、回転しながらピアノを弾いたり。色んな姿勢でも弾いたりする。でも、姿勢は変えても、音楽のテンションは途絶えずにつづく。ミロコさんにも、いっぱいスライドでツッコミを入れられる。お客さんとの距離も近づき、これは、観客と即興のピアノ連弾してみれる距離感になったのではと思い、提案。ポスターになっている女の子が最初に立候補。女の子のデタラメ弾きとの共演、楽しいのだが、これで観客をも楽しませるのは、ぼくの仕事。なかなかやりがいのある。続いて、荒井さんとの連弾で、拍車がつき、次の大人の女性も面白い演奏。沖縄から来たシホさんも立候補。共演。最後はお母さんの膝の上の子どもとも共演。デタラメ弾きの個性も人それぞれなので、音楽も七変化。最後は、ピアノソロ。動物さん、ミロコさん、みなさん、ありがとう。アンコールもあって、子ども時代の動物をタイトルに持つピアノ曲「タヌキとキツネ」を弾いて、終わる。ミロコさん、荒井さん、ありがとう。

山形ビエンナーレの展示を午前中に1時間くらい、午後に1時間半ほど見ました。荒井良二さんの展示も凄いボリュームの新作の数々ですし、展示を見るのに、2時間半とかでは全然足りない。荒井良二は芸術監督だけど、封の監督は試合に出ないけど、荒井良二が大活躍の「荒井良二まつり!」。新作焼き物も、新作絵画も、映像も、絵本原画も、いしいしんじとのコラボも、ドローイングも、黒板に書かれた言葉も、書も、荒井良二だーーー!!必見!!

スタッフの一人は、10年前に小学生だった時に、えずこホールで野村を見ているそうで、今は大学生。10年ぶりの再会。

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2016-09-17 荒井良二と野村誠の山形じゃあにぃ「村山温度」

 山形ビエンナーレ荒井良二野村誠の山形じゃあにぃ 村山温度」開催。言葉説明不能なくらい面白い場所。もと温泉で、不思議な湯船や滑り台などがある巨大な温泉跡。なんじゃこりゃ!

そこに、足場を組みパネルを設置し、様々な楽器を持ち込み、荒井さんと野村誠の即興時間の準備が整っている。荒井さんは、会場のあちこちに、バラの花を仕込む。バラの町、村山。

荒井さんがパネルに絵を描き始める。ぼくはパネルを演奏するところから始まり、鍵ハモも吹き、荒井さんは絵を描き、ぼくは鍵ハモを吹き、ライブが始まっていく。お風呂はよく響く。箱ムシと呼ばれる一人ずつの蒸し風呂のフタをバッタンバッタンと演奏して、太鼓だ太鼓だ、いぇい、いぇい。激しく叩いて、村山温度。「はぁーーー」となんちゃって民謡

おもちゃのピアノも演奏して、またまた鍵ハモ、続くよ続くよ、どこまでも。そのうち、語って、歌って、「あるこども」。「伸縮自在のあるこども」と、昨日の映画、4年前の「山形じゃあにぃ」と繋がっていく。歌って、語って、素敵な時間。水を飲みたくなって、水よ、ボトルの中におさまるな。自分の枠から飛び出るんだーー、と水に向かって叫ぶ野村。1時間10分の後、休憩30分。荒井湯から野村湯へ移動し、第2試合開始。荒井さんがオルガン弾いてるので、ぼくは絵を描く。楽しいなぁ。役割交代の時間。その後、もとの役割に交代。ぼくがオルガンやって、北斎の木琴もやって、瓦もやって、太鼓でぶら下がっているバチと戯れて、そう戯れて、色々な楽器をやって、鍵ハモ吹いて。それでも続く、ぼくの人生。最後は、荒井さんの絵が完成する横で吹いていた。これで終わってもいい気がしたのに、何かが足りない。そうだ、こんなに響く空間で、みんなで歌いたい。観客の皆さんと歌う。「みんなじゃあにぃ」。声が偶然のハーモニーを生み出す。「じゃあにぃ」の「はあもにぃ」。楽しかった。沖縄からも、別府からも、見に来てくれている。嬉しいなぁ。ありがたいなぁ。汗だくなので、お風呂に入る。交流して後、山形へ戻る。今夜こそ、千代の富士追悼の原稿を書き上げる。

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2016-09-16 山形へ

さいたまトリエンナーレの展示準備作業の後、山形へ。荒井良二さんの4年前のライブ「ジャガーの夜」などをまとめたドキュメンタリー映画の上映会場に、駅から直行。映画、素晴らしい。スクリーンの中には、ディストーションギター、ギャイーンと弾いて、絵を描いて、「あるこども」と詩を読む荒井良二。そして、「こどもじみた大人」と怒りを持って叫ぶ荒井さんの珍しい姿も。2012年空気感に思いを馳せる。「伸縮自在のあるこども」という言葉がこだまする。エレキギターノイズを出し、歌い、絵を描き、詩を朗読し、荒井さんが生きている姿がそこに全部レイアーとなって重なっていく。それは、絵の画面に絵の具が重ねられるように。

 アフタートークに、ちょっとだけ出演させられ、「明日のライブは?」と質問され、「明日は、楽しいと思います。どう楽しいかは、明日にならないと分かりませんが。」と答える。深夜、宿で荒井さんと熱い温泉に入る。ヤマガタベイビー!

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2016-09-15 さいたま展示作業

さいたまトリエンナーレ参加アーティストが、続々登場。本日お会いしたのは、多和田葉子さん。展示会場の旧民俗文化センターへの鳥取ナンバーの里村カーの中でご一緒。タイトゥクトゥクの話などする。会場は、いよいよオープン1週間。色々な方の作品が、どんどんできてきている。間に合うのか、みんな大変だー。

オープン楽しみ。我々の部屋は、まだまだこれから。今日は、黙々と作曲をして、展示作業を進める。アシスタントのアリちゃんありがとう。

宿に戻ると、トリエンナーレ参加アーティストのコウノリュウゾウさんと語り合う。埴輪で巨大なサイをを作っている人だ。アーティスト間の交流があるのは良い。深夜、タワーレコードの冊子のために、千代の富士追悼の原稿を書くが、途中でダウン。

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2016-09-14 さいたま打ち合わせ

豊橋を出て、さいたまへ。さいたまトリエンナーレの10月2日の「JACSHA土俵祭り」の映像撮影の件で、上田謙太郎さんと打ち合わせ。岩槻のお店などを回って説明。めっちゃ楽しみだー。

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2016-09-13 エンリコと豊橋

エンリコを連れて、豊橋へ。今日から、遠征つづくよ、どこまでも。愛知大学准教授吉野さつきさんの企画。ヒグラシ珈琲。エンリコとの「即興音楽ナイト」。予想以上に超満員のお客さんで、演奏するスペースがカウンター席のところまで追いやられ、カウンター席を取り外して場所をつくる。豊橋アートシーン、盛り上がっている。PLATという劇場ができたり、愛知大学で吉野さんが教え始めたりして、活性化

冒頭での即興演奏が、非常に濃厚な45分になる。エンリコとの一騎打ち。鍵盤ハーモニカも、瓦も、ペットボトルも、お店の柱も、様々なパーカッションも演奏。ドンドン、かたかた、コキンカキン、ピヒャーーーーと音が飛び交う。

ボディパーカッションの参加型の時間で、観客席も和み、休憩後に、「せっしゃエンリコでござる」を、1パートだけ、愛知大学の卒業生が勇敢にも初見でやってみてくれて、トリオ演奏。エンリコのソロは、ボディパーカッションの演劇性のある曲。野村の鍵ハモイントロダクションもやって笑いもいっぱいあった後、最後に、再び、エンリコとのデュオ即興

終演後、打ち上げ。豊橋の方々と語り合い、エンリコと語り合い、濃い時間でした。今年度は、まだまだ豊橋に来る予定。

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2016-09-12 ancient dialect

3人の音楽家エンリコ・ベルテッリ、やぶくみこ、野村誠、そして美人英語教師の池上カノさんによるイベント「Ancient Dialect」が、恵文社COTTAGEで開催された。「せっしゃエンリコでござる」からスタート。参加者自由な人々多く、型にはまらず楽しい。ボディ・パーカッションワークショップが自由な表現へと膨らむ。即興演奏で、大根で鍵盤ハーモニカ演奏したのが、自分的には新たな体験。ヤッホー。

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2016-09-11 今の音楽 居間の音楽3 本番

朝起きて、30分ほど、岡山芸術交流の島袋くんの作品のための作曲作業をして後、ながらの座・座へ。リハーサルの後、本番。

昨年初めて試みて、今年2回目となったエンリコ・ベルテッリ、松澤佑紗、やぶくみこ、野村誠カルテット。昨年よりも、お互いの理解も深まり、ぼくも何曲も新曲を書きましたし、またこのカルテットでコンサートをしたい、と強く思いました。

終演後は、濃密なトークが続きました。

帰宅後、深夜に、島袋くんのための作品をmなんとか書き上げて後、就寝。

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2016-09-10 ながらの座・座での最終リハーサル

朝起きて、1時間だけ、島袋くんの岡山芸術交流のための作曲毎日、空き時間をみつけて1時間だけ作業しようと決めている。これでも、意外に少しずつ順調に作業が進んでいて、積み重ねの大切さを思う。

明日のコンサート「今の音楽 居間の音楽3」に向けてのリハーサル@ながらの座・座。行くと、松澤佑紗さんが、「りす」を練習している。ぼくが16年前に作曲した曲で、演奏家解釈余地も色々ある作品だが、座・座の和室の空間とも呼応して、本当に良い響きをしている。それにしても、伝統音楽世界にしっかりと足をおろす彼女は、どうして野村誠の音楽世界を直感理解しているのだろう。確かに彼女は、遥か昔から野村誠の音楽を知っていたかのようだ。同じ星で生まれたかのような感性を持っている。本当に大切な若い才能だと思うし、ぼくが「りす」を作曲した頃に、まだ箏を始めてもいなかったかもしれない松澤さんが、今、こうしてこの曲の世界観を広げてくれていることを、本当に幸せに思う。

声のアンサンブル曲「せっしゃエンリコでござる」を、エンリコ、やぶさんと3人で合わせる。我々3人の共通点は、イギリスのヨーク大学で過ごしたことだ。ヨーク大学の自由精神の喜びが、日本建築の中で、こうして蘇るのも嬉しい。佑紗ちゃんが、エンリコにサムライの姿勢などを指導する。

野村の鍵ハモと松澤佑紗の箏。そこに、やぶくみこ、エンリコの太鼓が加わっての即興演奏普段、全く違う世界に生きているのに、こうして音楽で会話をしていくと、不思議に懐かしい仲間達。

グンデルソロ「山寺にひびく音」は、やぶさんのために作曲した新曲。生まれて初めて書いたグンデルソロ曲。初めてガムランの作曲したのが20年前。20年の月日を経て、初めてグンデルソロを書いた。やぶさん、ありがとう。

4人でのアンサンブルで、「きせかえコンチェルト第2番」。エンリコは、この曲をイタリアでも演奏したい、と言ってくれている。箏と鍵ハモと打楽器という珍しい編成の曲。このメンバーでやりたくって、書いた。難しいので、何度も練習。

エンリコ、やぶさんとイタリアでも演奏したことがある「まえまちアートセンター」は、山口で「まえまちアートセンター」に滞在した時に障子に譜面を書いた(すぐ横には、大友良英さんの4コマ漫画があった)。座・座の色々な空間を楽しんで演奏。

そして、エンリコ+やぶ、によるテーブルデュオ。楽しいなぁ。良い仲間だなぁ。良い音楽だなぁ。

箏と打楽器のためのポータブルコンチェルト「ポーコン第3楽章」は、悠久の時間。座・座の庭から、鯉、虫、鳥などの音が共演してくれる。松澤さんの箏の音色に聞き惚れつつ、エンリコとやぶのパーカッションの音色の工夫も、凄い。実は、パーカッションが凄い聴かせる曲。

手拍子ロンド」は、今日は練習せず、ここで時間切れとなり、エンリコのイタリア料理の振る舞いがあって、美味しい夕食会。いよいよ明日が、本番。楽しみすぎます。

http://nagara-zaza.net/2016/000304.php

プログラムの詳細は、昨日の日記を参照下さい。

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