野村誠の作曲日記

2017-09-25 ホセ・マセダ生誕100年

フィリピン大学へ。音楽学部でのホセ・マセダ生誕100年記念シンポジウム1日目。会場で、作曲家田口雅英さん、民族音楽学者/作曲家のアナン・ナルコンと会う。アナンと会うのは2年前にタイで会って以来だから、2年ぶり。数百人から数千人で演奏するホセ・マセダ作曲の「ウドゥロ・ウドゥロ」(1975)は、フィリピンで初演して後、1978年には、バンコクで初演している。実は、このバンコク初演の時に、バンコクで演奏のための竹楽器の製作をしたのが、アナンのお父さん。アナンのお父さんは彫刻家なので、竹楽器づくりを頼まれたらしい。ホセ・マセダとアナンのお父さんがつながっているなんて!世界は本当に狭いと思う。

朝8時半からのオープニングセレモニーで、いろいろ挨拶があった後に、クリンタンの生演奏がある。東南アジアのゴング音楽も、インドネシア、マレーシア、タイ、カンボジアと現地で聴く機会があったが、フィリピンのゴング音楽も、また特有の音楽であり、興味深く聴く。教授たちの演奏は、さすがに素晴らしい。

9時半からの基調講演1で、作曲家のRamon P Santosによるホセ・マセダのレクチャー2002年に作曲の4台ピアノによる韓国宮廷音楽「Sujeichon:a Korean Court Music」が聴いたことがない曲だったので、音源を少し紹介してもらえて、興味深い。

10時40分からのパネルディスカッションでは、カンボジアの民族音楽学者のSam Ang Sam、イサン・ユンに作曲を師事しベルリンに30年強住んでいた作曲家のConrado del Rosario、そして、タイの民族音楽学者で我が親友のAnant Narkkongが登壇。サムさんが語るAsian Traditional Ensembleでのflexible diatonicの話、アナンが紹介するアジア各地の様々な作曲家(野村のことも写真つきで紹介して下さりました)の話なども興味深い。

昼食時に話したアメリカ大学院留学中の美術史研究者女性は、70年代のフィリピンでのハプニングについて研究しているらしい。70年代の美術家などとホセ・マセダの関係について尋ねると、「カセット100」の初演の時に、舞台セットを作った美術家がやはり、そうしたハプニングなどに関わっている人であったり、別の作品の上演に、振付家が関わったり、とマセダと多ジャンルのアーティストの交流も、その時代にもいっぱいあったらしい。

午後1時からの基調講演2は、Ricardo Trimillosによるもの。ハワイ大学名誉教授の民族音楽学者のMusic of Asia, Music in Asia, Music from Aisaなどを考え、アジア音楽、さらにはその研究者とは、と自問自答する講演。日本音楽とは何か?という質問とも通じるものだと思う。そこには、人種民族間対立共存問題も常にあり、消えいく伝統文化近代化の問題もありつつ、しかし、排除や争いを越えて、現代に我々は現存する多様な音楽文化をどのようにシェアしていくか、という課題の再認識する場でもあるのです。

2時からは、パネルディスカッション。シンガポールからJoe Peters、フィリピン大学からElena Mirano、アメリカからNeal Matherne、タイよりAnak Charanyanandaの4名。ホセ・マセダの残した文化的遺産を、どのように開いていくか。それは、大学教育美術館博物館や、図書館など、様々なありようがあり得る。ホセ・マセダのような風通しのよい音楽を作曲し、多くの人々がアクセスし参加可能な音楽をつくった人の研究資料楽譜などは、一部の研究者の手の届く範囲にとどめて管理されるよりも、多くの人々のアクセスできる開かれた存在であるべくだろうと思う。

キュレーターのDayang Yraolajと再会。サウンド・アーティストの森永泰弘さんと再会。音楽家/キュレーターの恩田晃さんと再会。売店で販売中のフィリピンの作曲家のCDなどを購入。

いい加減、座り続けるのに疲れてきたが3時半よりパネルディスカッション。タンザニアから音楽教育と民族音楽学研究のKedmon Mapana、タイから音楽教育のThiyi Panyain、そしてフィリピンからJocelyn Timbol-Guadalupeが登壇。学校教育における民族音楽の話。タンザニアで音楽教育にンゴマをどう活用するか。しかし、この音楽は単なる太鼓ではなく、それは、音楽であり、動きであり、歌であり、コミュニティであり、村の中で育まれるものであり、それを学校教育でどう展開するのか。学校教育では、西洋音楽が中心に教えられ、それとどう折り合いをつけていくのか。それは、アフリカでも、フィリピンでも、タイでも、日本でも、似た課題になっている。もし、ぼくが音楽教育のカリキュラムづくりを一任されたら、どういったカリキュラムをつくるだろうか?そうしたことを考えてみたりもした。そして、ここでは、全く論じられなかったが、伝統文化の習得、多文化共生/異文化理解創造性ということをどう両立させていくのか、ということも、大きな課題になってくる。

夕食前の空き時間に、恩田さん、田口さんと日本語で話していたら、大学生が「日本の方ですか」と声をかけてきた。フィリピン人日本人のハーフで、ここの大学に入学したばかりで声楽を学んでいるという。

夕食前のスペイン系ポピュラー音楽の演奏があり、夕食後に7時半よりホセ・マセダ作品3曲の演奏会。演奏はフィリピン大学の学生、指揮は作曲家のJosefino Chino Toledo。マセダさんらしい音楽。2台ピアノと4人の打楽器。ヴィオリン、ヴィオラチェロコントラバスフルートオーボエクラリネットファゴットホルントランペットトロンボーンチューバ、そして、巨大なゴングを含む様々なパーカッションによる室内オーケストラは、これらの楽器がバラバラに配置されグループ分けされている。最後の曲は、竹の打楽器群、トロンボーン10、ヴァイオリン10という極端な編成。どれもマセダ色の強い音楽。竹の楽器が、本当にいい音色

1 2 Pianos and 4 Percussion Groups(2000)

2 Exchange for chamber orchestra(1996)

3 Siasid(1983)

1989年高橋悠治編訳の「ドローンメロディー」という本でホセ・マセダという音楽家に出会い、翌年、京都に来日した時に、「ウドゥロ・ウドゥロ」や「カセット100」などの日本初演に遭遇し、1997年には、京都でマセダさんと3回も一緒にコンサートをさせていただき、やはりマセダさんの音楽に大きな影響を受けたことは間違いありません。マセダさんがいたことで、現在の野村の歩みの背中を大きく押してもらえたと思うのです。マセダ作品を3曲続けて聴いて、マセダの残した遺産を、若い人々に伝えていきたいと強く思いました。そして、もっともっと作曲したいと思えました。マセダさん、ありがとう。

無事、ホテルに戻り、明日に備えて、ゆっくり休むことにします。

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2017-09-24 フィリピン到着

今日よりフィリピン。中華航空で台北経由。機内でのウーロン茶が美味し過ぎる。束の間の台湾体験

台北でのトランジットが少しだけ余裕があったので、空港でランチをすることに。台湾の精進料理。美味しい。隣に座っていたアメリカ人と偶然話すと、ピアニスト/キーボーディストで、上海に十年住んでいたが、アメリカに戻るとのこと。偶然、お互いがミュージシャンでピアニストで、と話が盛り上がる。ホセ・マセダの話や、鍵ハモ特殊奏法の話などを伝えたりした。

その後、また飛行機でウーロン茶を満喫して後、マニラ着。空港で、別便で到着の作曲家田口雅英さんと、うまく会える。フィリピンに何度も来られているので、色々教えてもらう。タクシーで野村のホテルまで移動。下町で、路地子どもたちが遊んでいる。なごむ。そして、ホテルは予想外に清潔で、値段の割に良いクオリティ。すぐ近くにあるショッピングモールに行ってみて、フードコートで田口さんと夕食をし、いろいろオリエンテーションをしていただいたり、語り合う。その後、田口さんは自分のホテルにチャックインすべく、タクシーで帰って行かれた。明日の朝、マニラの渋滞の中、タクシーでフィリピン大学までたどり着けるだろうか?

ともかく、無事について、ひとまずほっとする。

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2017-09-23 移動する音・配置される音

ながらの座・座でのコンサートを聴きに行く。クラリネット吉田誠さんのソロ「移動する音・配置される音」。同じ誠という名前なので、それだけで共感してしまう。

障子をとりはずし、庭を背景に演奏。壁がない上に、畳。西洋建築のような残響がない。残響でのお化粧ができないすっぴん音色でのバッハから始まり、その後、メシアンの「時の終わりのための四重奏曲」の3楽章の「鳥たちの深淵」。この曲を庭の橋の上で演奏。三井寺の鐘が途中で鳴り、カトリックのメシアンが仏教と融合する。クラリネットが、いつしか尺八に見えてくる。素晴らしい演奏だった。ブーレーズの「ドメーヌ」を庭の6カ所で演奏。ライヒの「ニューヨーク・カウンターポイント」は多重録音のスピーカーとの共演バージョン。ここまでが、20世紀以前の傑作で、最後の2曲が21世紀に作られた現代音楽で、藤倉大作品と、ヨルク・ヴィトマンの作品。クラリネットの重音奏法や、様々な特殊奏法も織り交ぜた熱演。所謂、西洋建築的な残響ではないので、これらの作品の休符が、日本的な緊張感の間になっていく。尺八とクラリネットの二重奏を書いてみたい気がした。クラリネット一本で、見事なリサイタルで、庭の空間とのコラボレートも素晴らしかったし、さらには、曲間のトーク作曲家の魅力について分かりやすく解説する姿勢も素晴らしかった。

帰って、明日からのフィリピン遠征に向けて、準備。1997年のホセ・マセダ来日の時のガムランコンサートの映像などを見て、いろいろ懐かしく思い出す。

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2017-09-22 楽譜の整理

本日は、鍼灸に行き、体調を整えてもらう。エンリコとのツアーで外食続きだったが、京都に戻って自炊が続いているので、体調は回復していると思う。

家の整理整頓をしていて、作曲作品楽譜を年別に整理しようとファイリングを始める。今まではジャンル別などで仕分けていたのだが、邦楽オーケストラガムラン歌曲など、分けずに、同じ年でまとめていくと、それぞれの年でどんな曲を作っていたのか、色々見えてきて、面白い2008年2017年までの10年分を整理。

アルマ・ドイチャと言う天才少女が11歳でオペラを作曲するドキュメンタリーを見る。2歳でピアノを弾き始め、4歳で作曲を始めたというから、モーツァルトかと思うほど早熟。現時点での彼女の音楽に、ぼくはあまり興味を持たなかったが、まだ若干11歳なので、これから、様々な音楽や音楽家に出会ったり、色々な刺激を受けて、面白い音楽家に育ってくれたらと思う。

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2017-09-21 KAMOSUは素晴らしい

10月22日に、尼崎で「瓦の音楽」コンサートをするので、その打ち合わせ。やぶくみこさんと。その打ち合わせを踏まえて、淡路島アートセンターの青木さんに連絡し、色々、計画を練る。

尾引浩志さんがやっているKAMOSUというバンドCDを最近よく聴いている。本当に素晴らしいアルバム

https://www.kamosu.asia/

イギリスから、クリスが、これ知ってるか「瓦の音楽」に参考になるかと、譚盾の「セラミック・ミュージック」のYouTubeリンクを教えてくれる。タン・ドゥンは、色々な実験をやっている素晴らしい作曲家だと思う。

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2017-09-20 伝統のチカラ、芸能のカタチ

若尾裕さんの「サステナブル・ミュージック」という本をパラパラ読んでいたら、イギリスの実験音楽作曲家コーネリアス・カーデュー(1936-1981)についての項目があって、ジョン・ティルバリーによるカーデューの伝記が1000ページ以上ある。その本は手元にあるので、見てみると確かに1000ページ以上ある。若尾さんの言う通り、45年の人生をまとめた伝記としては、随分と厚い本だ。で、それだけ分厚いと、詳細に書いてあるのだろうと思い、ロンドンでいつもぼくが泊めてもらっている作曲家のマイケルパーソンズ(1938-)から直接聞いたエピソードを探してみる。例えば、スティーブ・ライヒと一緒に、カーデュー、マイケル・パーソンズ、マイケル・ナイマン、ギャビン・ブライヤーズとヨーロッパツアーしたことなど、載っているだろうか?ページを探していくと、ライヒとツアーしたことが、少し触れられているだけで、全然出てこない。ぼくがマイケルから聞いている話は、こんなに厚い本になってものらないのか、と思うと、驚きであり、逆に言うと、貴重な話を聞いているのだなぁ、と思う。

マイケル・パーソンズの家には、1994年ー95年にかけて、何度も泊めていただき、98年にも泊まり、2001年にも泊まり、2004年から2010年は、ほぼ毎年のように泊めていただくか訪ねるかして、2012年にも泊めていただき、今年2017年に5年ぶりに再会し、3月と4月に泊めていただいた。マイケルの家に宿泊した日数は、トータルすると1ヶ月を越えると思う。その間に、様々な話をして、その中に、カーデューやスクラッチオーケストラの話もたくさんある。マイケルと過ごしている時間の大切さを、つくづく感じる。

イギリスの作曲家のHugh Nankivellから、本をつくるプロジェクト提案があり、ひとまず、ぼくがヒューから何を学んだかについて、書くことにして、ひとまず、今日は今日で1時間だけ執筆する。毎回1時間執筆することで、何ができあがるか、やってみようと思っている。

夜はガムランの予定だったが、中止になったので、インドネシア関係のことで過ごそうと思い、国際交流基金アジアセンター遠藤雄さんが関わっておられるプロジェクトのサイト、木ノ下裕一くんと池澤夏樹さんの対談が載っている「伝統のチカラ、芸能のカタチ」というサイトを見て、遠藤雄さんの素晴らしき仕事に感銘する。日本文学全集を読みたくなったし、ぼく自身の「Cheap Imitations」のことも重ねながら、読んで楽しむ。木ノ下くんとも久しぶりに話したいと思った。

http://dento.jfac.jp/

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2017-09-19 転ばぬ先のシコ

久しぶりに、自宅で過ごすので、家で料理をする。外出、外食が続いていたので、自炊ができるのは、嬉しいし、野菜が好きなので、野菜がいっぱい食べれるのが、何よりも幸せ

本屋にも久しぶりに行けて、若尾裕さんの「サステイナブルミュージック」をようやく手にとってみることができて、そのまま購入。最近、朝起きたらページをめくっている高橋アキさんの「パルランド 私のピアノ人生」の隣に並び、気が向いた時に読む。若尾さんの言葉は、人を触発する力を持っている。

四股を踏む。一ノ矢さんにいただいた新刊「転ばぬ先のシコ」を読みながら、無理のない四股を踏む。最近「四股ンダクター」という即興の終わり方を多様しているので、四股は即興演奏の基本になりつつある。

そうこうしているうちに夕方。6年生のゆうちゃんにピアノを教えに行く。前回の宿題のスーパーマリオの曲を聴かせてもらい、リズムのことを色々質問されて教える。あと、楽譜の読み方を教えて欲しい、というので、教え始めて2年目で、ついに色々教える。「これ、何?」、「あ、それはト音記号って言ってね」、「じゃあ、これは何?」、「それはフラット」、「この横についてる点は何?」、「それは、付点って言って、音の長さが1.5倍になるの」と、質問に答えながら、説明していく。そして、マリオの曲の続きを五線譜に書いて、ドレミはふらずに、宿題に。自力で五線を解読するようです。

帰って後は、以前、旅行中に盗難にあった際の保険申請書類を作成。色々な音楽を聴きながら、過去の領収書などをチェック。昔の記憶が蘇ります。



パルランド 私のピアノ人生

パルランド 私のピアノ人生

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2017-09-18 フィリピンとイギリス

来週、フィリピンに行くことにしました。ホセ・マセダ生誕100周年記念シンポジウム。20年前に、京都でフィリピンの偉大な作曲家と日本の若造作曲家の野村誠を取り上げたコンサートが開催されて、ガムランテーマにした公演が2回、環境をテーマにした公演が1回で、合計3回も、マセダさんと並んで演奏されたことは、人生の大きな大きな財産だったのです。慌てて、飛行機ホテルなど、申し込む。フィリピン初めて行く。

これは、エンリコが、今日から香港へ行き、週末にはバンコクに行って、それからロンドンに戻るということに、刺激を受けた部分もある。新しい出会いを求めて、未知の土地に旅するエンリコの意欲と勇気を見ていると、自分もどこか行こうかな、と思ったところ、田口さんより情報をいただき、行こうと即決したのです。

ですが、本日は、イギリス会議。山本麻紀子さん、やぶくみこさんと。2018年度にイギリス行きどうするか、という話題。何にしても、イギリス行くことになりそうだなぁ。

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2017-09-17 つみき again!

京都府立博物館の別館ホールで、「箏と洋楽器が紡ぐ音楽」で、野村誠作曲「つみき」(2003)が演奏されるので、台風情報をチェックして後、出かけていく。

行くと、池辺晋一郎っぽい曲が聞こえてきて、何かなぁと思ったら、池辺さんの「凍る」(1977)という曲だった。ぼくの「つみき」は、十七絃デュオカーティス・パターソンさんとマクイーン時田深山さんによる演奏。カートさんは、何度もぼくの曲を演奏してくれているが、深山さんとは、今日が初対面。深山さんは、昨晩我が家に泊まっておられたユイさんとお友達だそうだ。世界は狭い。深山さんは、既に「せみbongo」という野村作品を演奏したことがあるとのこと。

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「つみき」のリハーサルに立ち合い、自分の曲だけれども再演の度に形を変える曲なので、新鮮な驚きいっぱいで楽しむ。素晴らしき演奏家のお二人。

藤家渓子さん作曲の「きよきなぎさに」という箏曲(演奏は、中川佳代子さん)が、本当に素晴らしい曲で、聞き惚れる。実は、藤家さんのお父さんは数学者で、ぼくは京大学生時代に藤家先生の複素解析学の授業をとっていた。藤家先生の授業で教わったことは、全て忘れてしまったかもしれないけれども、それでも、藤家先生の授業でノートをとっていた感覚は今も身体に残っている。明日が先生が亡くなられての1周忌なのだそうで、藤家さんのお母さま、弟さんにも紹介されて、ご挨拶させていただく。これも、不思議な繋がり。

今回の演奏曲目に「つみき」を推薦して下さったのは、中川佳代子さん。2003年の墨田トリフォニーでの初演を覚えていて下さり、推薦して下さったとのこと。有り難い。

また1988年生まれの服部伶香さんの「21世紀邦楽プロジェクト」で第1位になった作品も演奏された。服部さんは、子ども時代遠藤誠津子先生に習っていたらしく、この先生は、ぼくにバルトークを教え、林光ピアノの本をくれた先生であり、こんなところで、遠藤先生のお弟子さんと出会えるなんて、と驚く、と同時に、嬉しい。

演目のうちの3演目を演奏された箏曲家の麻植美弥子さんは、ぼくが何度か共演したことがある松澤佑紗さんの先生だそうで、また、ここでも繋がりがあり、驚く。なんだか、みんな色々と繋がっている。

台風が近づいている中、それでも100人近くのお客さんが来られたことに、頭が下がる。感謝です。そして、皆さんの演奏が本当に素晴らしかった。日本の伝統音楽が素晴らしいと同時に、それに取り組む作曲家の試み、そして、それを引き受けてやりきる演奏家の真摯な態度。ぼくの大好きな音楽を、思い切り楽しむことができて、幸せこの上ないです。

打ち上げに参加して後、雨も降らずに、余裕で家に帰る。すると、突然、豪雨が降り始め、間一髪だったと家の中で台風の音を聞いて、夜が更けていく。

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2017-09-16 草と

台風が徐々に近づいています。今日は、旧友の中村未来子さんの個展に行きました。「草と with plants」という編み紐の展覧会で、編み紐に草が編まれているインスタレーション。SEWING TABLE COFFEEという空間と、周りの畑の風景にとけ込むように未来子の展示。そこに、yugueの大ちゃんがベーグル屋台を出していたり、アキやんやスー、ムクがいる。アキやんが「船戸さんが来はったと思ったら、野村さんやった。」と言う。未来ちゃんと過ごしていると、自分たち子どもでもあり、おじいちゃんとおばあちゃんでもあるかのように、出会った25年前と25年後の間で、フーコーの振り子が振れるように時間を行き来する。25年後にも、こうしてお茶をして平和に過ごせることを祈る。

京都に戻り、予定を変更してもう一泊我が家に泊まることにしたエンリコユイちゃんが帰って来て、イタリア料理をエンリコさんが料理してくれて、最後の晩餐を楽しむ。

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